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RPGっぽい異世界でだらだら冒険者生活する  作者: いかぽん
第二章 巨大蟻退治、あるいは少女たちのメイドさんご奉仕を賭けた戦い
20/121

ステータスチェックのお時間です

 ジャイアントアントは、弱かった。

 もうがっかりするぐらい弱かった。


 いや確かに、硬いは硬いらしい。

 俺が素手で殴っても一撃必殺といかずに、壁にぐしゃっと激突してべっこべこになりながらも、よろよろと起き上がってまだ動くぐらいには硬い。


 でも、何しろ遅い。

 体感ではラッシュ鳥より遅いぐらいだ。

 まあこの辺は、俺のレベルが上がっているせいかもしれないが。


 そんなわけで、俺は途中からはもう、ティトとパメラのレベル上げのために、ジャイアントアントを適度に弱らせる遊びに没頭していた。


 モンスターを倒した経験値は、トドメを刺した人に入るらしく、弱らせたやつをパメラとティトに倒させることによって、パワーレベリング的なことができる。

 なので、撃破しない程度に弱らせる──なんかこう、シミュレーションRPGをやっているような気分だった。


 厳密には数えてないが、獲物はざっくり三等分にした感じだ。

 俺、パメラ、ティトの三人で、各自が三、四十体ぐらいジャイアントアントを倒したんじゃないだろうか。


 そして、トータル百体ほどを狩ったところで、この炭鉱内にいるジャイアントアントは、あらかた狩り尽くしたようだった。

 狩り漏らしはあるかもしれないが、あちこち動き回っても「生命感知」レーダーに映る光がなくなったので、まあほぼいなくなったと見ていいだろう。


 ──約一ヶ所、ド本命を除いて。


 正直、ジャイアントアントとのバトルが期待外れすぎたんで、俺としてはちょっと欲求不満だったりする。

 なので、クエストの貼り紙には手ごわいから近寄るなとか書いてあったアレと、ちょっと戦ってみたいと思うわけで。


 さて、その前に各自のステータスを再確認しておこう。

 それぞれちょっとはレベル上がってるんじゃないかなと。


 まずは、ティト。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 名前:ティト

 種族:人間

 性別:女

 クラス:メイジ

 レベル:3(+2)

 経験値:63,200/70,000


 HP:65(+20)

 MP:36(+12)


 STR:8(+3)

 VIT:13(+4)

 DEX:17(+5)

 AGL:16(+5)

 INT:23(+7)

 WIL:18(+6)


 スキル

 ・獲得経験値倍化:4レベル

 ・炎魔法:1レベル

 ・水魔法:1レベル

 ・風魔法:2レベル

 ・光魔法:1レベル


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ふむ、ティトは2レベルアップか。

 1日の成果としては、まあまあ悪くないんじゃないだろうか。


 というか、この世界の基準で考えれば、これでもバケモノ的な成長なんじゃないかという気もする。

 さすがは獲得経験値倍化4レベル持ちといったところか。


 で、次にパメラは──と見ると、こいつはレベルアップしていなかった。

 3レベルのままで、ティトに追いつかれた形だ。


 獲得経験値倍化2レベル持ちだから、パメラはパメラで十分に優秀なはずなんだが、ティトと比べてしまうと酷だな。

 でも、まあいいか、パメラだし。


 で、最後、俺。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 名前:カイル

 種族:人間

 性別:男

 クラス:ノーマルマン

 レベル:14(+2)

 経験値:6,778,880/7,902,000


 HP:395(+25)

 MP:150(+10)


 STR:80(+5)

 VIT:79(+5)

 DEX:76(+5)

 AGL:80(+5)

 INT:81(+5)

 WIL:75(+5)


 スキル

 ・獲得経験値倍化:10レベル

 ・治癒魔法:5レベル

 ・炎魔法:5レベル

 ・ステータス鑑定

 ・ステータス隠蔽

 ・痛覚遮断

 ・飛行能力:3レベル

 ・ホークアイ

 ・無限収納

 ・超聴覚

 ・暗視

 ・生命感知

 ・盗賊能力


 チートポイント:144


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 レベルがレベルだけに、ティトと同じ2レベルアップ止まりだった。


 相対的に見れば、1.5倍ぐらいにステータスを伸ばしたティトが、一番成長した感じだな。

 まあ、こんなもんだろう。


 ──さて、じゃあステータスの確認も終わったし、本命のアレ、行くとしますか。

 俺はティトとパメラに了解を取って、炭鉱の最奥さいおうへと向かう。


 そこには、「生命感知」レーダーが捕捉した、最後の白い光がある。

 とりわけ大きな光が一つと、その周囲を守るように、これまでのジャイアントアントよりは若干強い光が、五つ。


 ──ところで、炭鉱の最奥に向かって坑道を歩いている途中、後ろを歩くティトが突如として奇妙な含み笑いを発した。

 今更と言えば今更だが、脈絡がないと、特に怖い。


 俺が振り向いてティトを見ると、銀髪魔術師ルックの美少女はハッとして、口元を拭う。

 そして、「何でもありませんよ?」というように、すまし顔を作った。


 ……あれ、よだれ垂らしてたよね、絶対。

 また何かアレな妄想でもしてたんだろうなぁ……。


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