白
白といえば、あなたは何をイメージしますか?
しろ。
シロ。
白。
目を覚ませば、そこは真っ白な壁に囲まれた四角い部屋だった。
私は、ぽつんと置かれたベッドの上で寝ていた。
純白のシーツに、染みひとつない枕。まるで病院のベッドの様に。
そして私の肌もこの何もかもが白い部屋と同じくらいに白かった。輪郭を感じさせない程に。
体には何も身につけていなかった。それどころか、髪の毛さえもなくなっていた。
私はなぜこんなところにいるのだろう。
思い出せない。
私の記憶も真っ白。自分の名前すらもわからない。
とりあえず体を起こす。とても気だるい。
私はあたりを見回した。
窓はおろか、扉さえも見当たらない。完全な密室。
そして床一面には無数の骨が散乱していた。
少しの肉片すらも付着していない、きれいな骨。
人間の頭蓋だけでなく、犬とおぼしき骨や牛の形をした巨大な骨が敷き詰められている。
「きゃぁっ」
私は怖くなってシーツを頭から被った。
しかし、薄いシーツから外が透けて見えてしまう。
やだ。何も見たくない。
私はぎゅっと目をつぶった。
この部屋には、ほぼ完全に白いものしか存在していない。存在してはいけないのだ。
しばらくして、私はこの部屋で唯一白くないものを自身の手で壊し、暗闇の世界を受け入れた。
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