1・少年が消えた日
初めてのファンタジーに、もうドキドキです(゜Д゜;)
「ここ変だよ」という所は、どうかビシバシ言っていただきたいと(勝手に)思っております><
このページを開いてくれた貴方に、心からの感謝ですっ!有難うございます!!
ーーー…彼の淡い翡翠色の瞳が少女をじっと見つめる。
不思議そうに。
寂しそうに。
恐れる様に。
何かを悟ったかの様に。
…そして、少女もまた自分を見つめるもう一つのぬくもりをじっと見つめていた。
悲しそうに。
寂しそうに。
名残惜しそうに。
大切な何かを求める様に。
「おでえちゃん」
…少女の中では、それが彼が発した最後の言葉だった。
・・少年は、…唯一少女と共に過ごしてきた少女の家族は、そのまま見知らぬ男達の体の間で、少しずつ小さくなり、やがて暗闇の向こうへと消えていったーーー。
……
…そこは、名も無い街だった。
人間という生き物の欲に塗れ、消えていくだけの、小さく、汚い、街だった。
・・そして、少女もまた、その町の住人であった。
物思いのつく前から、少女は街の片隅に小さく縮こまりながら座っていた。
少女は何の意味をも持たずに、その場所に、ただ座っていた。
雨の日も。
風の日も。
雪の日も。
……いくら経ち、少女の髪が肩程までに伸びた頃、少女の隣は一つぬくもりが増えていた。
それは小さな少年だった。
少女と同じ様にボロボロの布切れを体に巻いて、少年は少女の隣に座っていた。
雨の日も。
風の日も。
雪の日も。
少年は少女の隣におり、時には共に物乞いをし、時には身を寄せ合って寒い夜を凌いだ。
ーー少女は彼を知らなかったし、彼も少女を知らなかった。
ただ、何故か少年は少女の傍におり、少女も少年の隣にいた。
…まだ年端もいかない少年と二人で暮らしていた彼女には、彼は、どんな時も共にいる唯一の心を許せる相手だった。
……
ーー…とある日の晩の事だった。
二人の男が少女と少年の前に立ちはだかった。
少女達が物乞いをすると、男達は馬鹿野郎、と少女を蹴り飛ばし、口汚く罵った。
「…誰がお前の様なカスに物をやるか!俺達が用があるのはこっちなんだよ!」
そう言うと、一人のよく太った男が少年のまとっている布を力いっぱい引っ張った。
少年はその勢いで男の腕に乗っかる様に持ち上げられ、「うっ」と小さい悲鳴を上げた。
少女は男に蹴られた頬や腹を抑えながら、よろよろと立ち上がり、少年の方へと、手を伸ばしたが、その手も呆気なく蹴られて、少女はよろめき冷たい壁にぶつかった。
「…けっ!何だこいつは。」
そう言って、男は少年を連れて行こうとしたが、少年もまた、小さくひ弱な細い体で暴れ、男の腕から逃れようとした。
「…お前は大人しくしとけ!」
太った男はそう叫んで、少年の体に拳をぶつけた。
少年は一瞬宙に浮いたが、すぐに地に体ごとぶつけ、小さなうめき声を漏らした。
しかし、ふらふらとした足取りで、細い足を、何とか踏ん張り、冷たいコンクリートの上に立ち上がった。
もう一人の男はそんな少年の必死の姿にほんのり卑しい笑みを浮かべたが、すぐに表情を戻して冷たい目で太った男に話しかけた。
「早く行こう。こんな所にいたら異臭が服についちまう。」
「ああ、そうだな。…たく、それにしても、無駄な抵抗しやがって…。」
太った男はそう言って、舌打ちをし、少年に唾を吐きかけた。
少年は男の唾をまともにうけながら、そのまま黙って、少女の方をじっと見つめた。
そして、
「おでえちゃん」
と、小さく、濁ったかすれ声で少女に話しかけ、小さな笑みを浮かべ、顔を背けた。
「まっで、まっでぐだじゃい…その子をづれでいがないで…おどうどを・・・・おどうどを・・・」
…少女は必死の思いで立ち上がると、大声でそう叫び、男達の方へ、ヨタヨタと歩いていったが、途中でまた太った男に拳を振るわれ、その場に倒れこんだ挙句、頭を何回も蹴られ、小さな悲鳴を上げたきり、動かなくなった。
「…ちっ、死んだか。しつこい野郎だったな。」
「…時間が無い。さっさと行くぞ。」
「ああ」
男達はそう言って、その場を後にした。
少女はただ、汚らしい地面に身を預けて、ぼんやりとした視界の中にうつる少年と男達の後姿をじっと見つめていた。
細く汚れた少年の体は男達に比べてあまりにも小さく、すぐにでも瞑れてしまうかの様な儚さを感じさせられた。
「まっで…」
少女は自分でも気づかない内にそう呟いていた。
しかし、その小さな小さな呟きも、汚れた空気に吸い込まれ、呆気なく、消えていった。
…一度こういう酷い男達を書いてみたかったので(※そういう趣味はありません)とりあえず満足!!
…そして、次回はけっこうグロイ展開に…
わお☆超楽しみ(*^ー゜)b←
…まあ、こんな変態はおいといてw…ここまで読んで下さり本当に本当に有難うございました!!!><