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ラブポイント〜たきなと一護の場合〜  作者: 優樹


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11/11

11 退学

チュンチュンとベランダから鳥の鳴き声が聞こえ

スマホがピロンピロンと音が鳴る

「あさ……」 たきなはウトウトと目が覚める

 目の前には一護の胸元がある

(あれ……昨日どうしてたっけ?おかゆ食べたあと……)たきなは思い出せない

(まぁ…いっか……このまま寝てしまおう)たきなは再び目を閉じる

ぎゅっと顔が一護の胸元に押しつぶされる

「ゔぅ」たきなは苦しくて息が出来ない

「ぷはっ!」たきなは何とか顔を上げ上を見る、一護の寝顔が見えた

「相変わらず、まつげ長くて整った顔ね……ムカつくわ」たきなはぼそっと言う

「朝から酷い言われようだな」一護が目を覚まし、たきなを見る

目が合ったたきなはパチパチと瞬きする

「お、おはよぅ。起きてたの……」たきなは照れくさそうに言う

「はよ。まだ寝ようぜ」一護はまた目を瞑る

「それはいいけど、そろそろ離して欲しい。その…腕が痛い」

「は?何を?」一護はたきなをガッチリホールドしていた

「悪い……腕大丈夫か?」一護は離し起きあがる

「うん…痛み止めが切れたからちょっと痛いけど大丈夫」

 たきなも起き上がり時計を見る「え…もう10時半……」

「良く寝たな」あくびをしながら一護はリビングに行く

 ピロンピロンと一護とたきなのスマホが鳴る

「あ、桃さんからいっぱいチャットきてる」たきなはチャットを見る

「朝からあいつ等煩いな」一護はソファに座りスマホを見る

「おはようございます。心配しないでください」たきなは左手で返信を打とうと思うが中々うまくいかない

「あいつ等にいちいち返事返さなくていいぞ。既読付けたから、向こうからまた電話くるぞ」一護はたきなのスマホを奪い机に置く

「どうする?朝メシわ?とりあえずコーヒーでも飲むか?」一護は立ち上がりキッチンでマグカップを準備する

「あ、ありがとう。なら私はカフェオレがいいな」

「おぅ」一護はポットを温める

「飯は電話して持って来させるか」一護が添え付けの電話でフロントにかける

「1010久我、近衛の朝メシの準備を頼む」

「かしこまりました。朝食は洋食、和食ありますがいかがなさいますか?」フロントが聞いてくる

 一護はたきなに聞く「和食と洋食どっちにする?」

「あ、洋食で」

「洋食2つで」

「かしこまりました」

 一護は電話を切りたきなにカフェオレを渡す

「ありがとう」たきなはフーフーと息をかけ冷ます

「謹慎中は学校側が飯を提供してくれるから安心しろよ」

「そうなんだ…有難いね」

一護はTVをつけ朝食が来るのを待つ

 ピンポンとチャイムがなり一護が玄関を開ける

「失礼します」スタッフが朝食をリビングに運び机にセットしていく

「こちらコンスープ、サラダ、エッグベネディクトになります。それから」スタッフは淡々と説明して出て行く

「朝から豪華ね……」たきなは余りの量の多さに驚く

「そうか?普通じゃね?」一護は手を合わせ「頂きます」

と食べる

「これが普通なら、私が作ってる朝食じゃ足りないんじゃない?」

「たまにな…」

「一護って細身なのによく食べるよね。痩せの大食い。そんだけ食べてよく太らないでいるよね。お腹ブラックホールなんじゃない?」たきなは一護のお腹を見る

「人の腹をマジマジ見るなよ。金取るぞ」

プルルルルと一護のスマホから着信音が流れる

「煩い奴らから着信だ」ピッと一護は電話を出る

「もしもし!一護!何で返事返してくれないのさ!それにたきなは大丈夫なの?2人とも今日休んでるし、心配なんだけど!」桃からだった

「桃代わって!俺も一護と話す!」桃の後ろから千隼の声が入る

「あー朝から元気だな。こっちは大丈夫だ。来週いっぱいまでは俺等学校行かないぞ」一護はスマホをスピーカーに変え机に置く

「何でよ!」「何でだよ!つまらないじゃんか!」

桃と千隼がハモって言う

「俺は謹慎処分。たきなは治療のためだ」

「一護またケンカしたの?一護も怪我したの?」

「そうだぞ!一護お前俺に黙って何ケンカしてんだよ!俺も混ざりたかった」

「千隼あんた何言ってんのよ!もう千隼は黙って」ギャーギャーと桃と千隼は言い争う

それを見兼ねた光が桃からスマホを取り変わる

「おはよ一護。近衛さんの体調はどう?今日学校終わったらそっちに顔出そうと思ってるけど大丈夫そう?」

「光か、そうだな…」一護はたきなのおでこを触り熱を測る

ビクッとたきなは驚く

「大丈夫だ」

「分かった…何か欲しい物とかあったら連絡ちょうだい。そろそろ授業始まるから切るね」光はそのまま切る

「あ、ちょっと光!まだ話終わってない!」など桃と千隼の声が聞こえたが、プープーと切れた音が聞こえる


朝食を食べ終わり、たきなは歯を磨き、着替える

カバンからパソコンとノートを取り出し勉強する

一護も着替え、たきなの隣に座る

隣りに座った一護を気にせずたきなは真剣に勉強していく

一護がノートを見る

「こことここ違うぞ」一護は間違いを指摘する

「……え?どこ?」たきなは間違いをなおす

「ここのスペルが違う」

「ありがとう…」たきなは黙々とやっていく

「…………」一護はたきなを見て昨日の事を思い出す

「なぁ…昨日の言ってた話だが」

「ん?」たきなは一護を見る

目が合い一護は固まる

「いや…なんでもねぇ。ここ間違いやすいから気をつけろよ」

「分かった…ありがとう」たきなはノートに注意と書き込む

(…なんか一護の様子おかしいような…やたら面倒見てくれるし、事件のこと気にしてるのかな?一護が気にすることじゃないけど)

「あのさ…」たきなはペンを置き一護に聞く

「ん?」一護がたきなを見るとスマホがなる

「あ、俺だ」一護はスマホを取り相手を確認する

「悪い、電話してくる」一護はそのまま玄関を出て行く

「……行っちゃった」たきなは一護を見送る

たきなのスマホもメッセージが入る。それを見てビクッと反応する

「学園から話は聞いてます。誓約がある事を肝に銘じて近衛家の恥じぬ行動をしなさい。」

「…………くそ」たきなは唇を噛み締める


一護は玄関を出て話す。相手は斎藤先生だ

「久我、今学校側と相手の保護者と話し合いが始まる、今から近衛と一緒に来客室に来れるか?」

「たきなは怪我人で熱もあるから今は動けない。俺だけが行く」

「……そうか、分かった。10分後に話し合いを始めるからな」斎藤先生は承諾して電話を切る

一護はスマホをポケットにしまい、部屋に戻る

ガチャっとドアを開けるとたきなは真剣に勉強していた

「俺今から学校行ってくるわ、ついでに欲しい物あれば買ってくるぞ」一護は制服に着替える

「え?今から?何かあった?私も行ったほうがいいんじゃないの?」

「大丈夫、俺だけ呼ばれたから。何かあったら連絡くれ」一護はそのまま行ってしまう

「ありがとう…いってらっしゃい」たきなは一護を見送る

 

 一護は職員室の隣の部屋の来客室に入る

 すると斎藤先生と加藤まりかの担任と保護者、たきなに暴行した生徒達が待っていた

 一護はそのままソファに座る

「この度はうちの娘が迷惑かけたようで本当に申し訳ありません。一護様。」相手は加藤まりかの父親で、すかさず一護に謝罪する

「は?迷惑だけで済む話か?」一護は半笑いで答える

「いえ……あの……」相手はオドオドと声が途切れる

「お前の娘が、俺に何したか分かってるのか?謝罪だけで済む話か?」

「滅相もありません!!」加藤まりかの父親は土下座して謝罪する

「お、お父様!」隣りにいた加藤まりかがオロオロと狼狽える

「はっ!当の本人はオロオロするだけで何もしないんだな」

「いや、あの申し訳ありません」加藤まりかの父親はまりかの手を掴み土下座させる

「お前も誠心誠意謝るんだ!お前何をやらかしたのか分かっているのか?」父親は怒鳴る

ビクッと反応し、父親に叱られ驚き泣くまりか

「も、申し訳ありません……でした……一護様」まりかは震えながら謝罪し、一護を見る

一護は怒りを露わにし、まりか達を見下した目で見る

「あ…」まりかは絶望する

「で?」一護は父親に聞く

「……その……この責任は全て私が……」父親も震えだす

「当たり前だろ?それにお前の娘が俺の婚約者と名乗ったそうだが?可笑しいだろ?」

「大変申し訳ありません!!!うちのバカ娘がそんな事を言っていたなんて、本当に恐れ多い!!」

「ですが!お父様が!」まりかが言おうとすると父親が娘の顔を叩く

パァン!!

 一護以外の全員が驚く

「お前が一護様の婚約者な訳ないだろう!我々は久我家様忠実な配下であり、決して対等な立ち場では無いんだぞ!なんて事をしてくれたんだ!!」

「う…うっ……」まりかは泣きじゃくる

「泣いて済む話じゃないんだぞ!」父親は娘と共に土下座する

「はぁ…んで、学校はどうする気でいるんだ?」一護が斎藤先生を見て聞く

「あ、あぁ…学校側は久我家と加藤家の話し合いで済むなら、特にこちらからは謹慎以外で罰することはない」

「そうかよ…なら、この事件に関わった奴等全員退学しろ。」

ビクッと全員一護の発言で驚く

「いや、それは……流石に」斎藤先生は一護を止める

「なんだよ?当たり前だろ?誰に手を出したと思っている?こちらは相方を怪我を追わされているんだそ?その責任は話し合いだけで済む方が可笑しいだろ?」

「た、退学だけはどうか……」まりかが言う

「は?お前は意見を言える立ち場では無いだろう?」

「で、ですが……」

「流石に全員退学は無理だ。学校側もそれは受け入れられない。加害者達のパートナーだっているんだ」斎藤先生が言う

「関係ねーよ、そもそも学校側もここまで放置してパートナーいるから退学は出来ないなんて可笑しいだろ?こんな奴等がいる学校にまたノコノコ来るバカはいないだろ?それにパートナーも責任は伴うのがここの決まりだろ?」

「っつ!そうだが…だが、この名簿全員を退学すればポイントはどうなる?これから卒業する生徒達もいるんだ!」

3年生達の先生が言う

「知らねーよ、パートナーも道連れにすればいいだろ?それは学校側の責任だ。俺はコイツらを絶対許さねーよ」

「あ…ぁ」加藤まりかは自分がした事がこんな事になるなんて思ってもいなかった

「本当……に申し訳……ありません」

「どうか、退学だけは考えてください!私が何でも致しますので……!」父親も一護に縋る思いで言う

「お前の会社、それとこの事件の奴等全て久我家は縁を切る。今後一切関わることはない」一護はばっさり言う

「そ、そんな!」父親は一護の顔を見る

「これは決定事項だ。久我家当主から連絡くるだろう」

「そ、それだけはどうか!!どうか!本当にお願いします!娘の退学致します!だから、会社だけは!どうか」

「知らねーよ。恨むならお前の娘を恨むんだな」

「それと、そこのクズ2人は黙っているが、法に則り処罰を受けてもらう。のうのうと生きていられると思うなよ」

ビクッとなきなを暴行した男子生徒ABは土下座しながら震える

「あ…あ…」「本当に申し訳ありません!」

「土下座して許されると思うなよ。お前らは特に生きてることさえ苦痛と思えるほどの罰を味わって貰うからな」

一護は立ち上がり男子生徒の元へ歩き男子生徒ABの頭を握りつぶし耳元で言う

(この子達の人生終わったな)斎藤先生は心の中で思う

「せめて、この3人以外の生徒達は退学を考えて貰いたい!他の罰を与えるなど考え直して欲しい。」斎藤先生以外の先生が言う

「はぁ?ダメに決まってるだろ?他の奴等もたきなを押さえつけて加わったんだ」

「それでも、どうか退学だけは彼女達も加藤君の口車に乗せられただけだ!あそこまでやるなんて思わなかったと反省している」先生が生徒を守ろうと必死に説得する

「ふざけんなよ?思わなかったからやっていい事ではないだろ?それぐらいわかるよな?」一護はさらにブチ切れる間近だ

(やばい)と思った斎藤先生が一護に言う

「なら、退学とまで行かなくてもポイントを全て没収し、謹慎処分を受けている時もポイントは入らないにすれば彼女達は相当な罰になる。俺が決めれる事ではないが、上に話し合わなければ決めれない。とりあえずそれで納得して貰うしか今は何も出来ないぞ久我」

「っち」一護は舌打ちしそれ以上何も言わない

 (ほっ)と斎藤先生達は安心する

「だが、この3人は絶対退学だ。それは決定事項だ」

「……分かった上と話し合う。とりあえず話し合いはこれでいいか?」斎藤先生は一護に聞く

「あぁ…」一護はドアを開け出て行く

「あ、こら……」斎藤先生は一護を追う

「近衛の体調はどうだ?その、何か変わった様子はないか?」

斎藤先生は一護に聞く

「……」一護は斎藤先生の方に振り向く

「変わった様子とは?たきなの事やけに気にしているがそれは先生としてなのか?」一護は斎藤先生を睨みつけ言う

「…………ふふ」斎藤先生は笑い出す

「?!」一護は驚く

「当たり前だろ!まさか俺が近衛のこと生徒以上の感情があると気にしてるのか?あは、あはは、可笑しい」斎藤先生は腹を抱え笑う

「おい!笑うなよ」一護はイラッとする

「あは、だって俺はお前達の先生だぞ?幾つ歳が離れてると思ってる?それにさすがに乳くせェガキに飢えるほど女には困ってないぞ俺は」

「でも斎藤独身だろ」一護はズバっと言う

グサッと斎藤の心に何か刺さる

「うるせー女に困ってないが、未来の伴侶となる嫁さんがまだ現れてないだけだ。あとちゃんと先生をつけなさい」

「ふん」一護は鼻で返事をする

「それにしても久我が近衛をなぁ〜」斎藤先生はニマニマしながら一護を見る

「なんだよ、そのウザイ顔は」面倒くさそうな顔で言う一護

「入学早々マイナス付けた問題児がまさか俺に嫉妬するなんてな」

「あ"?嫉妬?何言ってんだ。寝言は寝て言え」一護は呆れた顔で言う

「はいはい。真面目な話、近衛の事だが俺からは詳しい話ができないが、色々気にかけてやってくれ。パートナーとして久我頼むぞ」斎藤先生は真剣な顔で一護に言う

「それはこの…」「あと久我は謹慎処分の反省文10枚と授業が出れない分の課題がある。近衛の様子も見たいし、2人の課題を後で寮に持って行くからこのまま大人しく寮に帰りなさい」一護の話を遮って斎藤先生は言う

「……分かった」一護は気に入らないがそのまま学校から寮に戻る

「問題が山積みだな」斎藤先生は誰もいない廊下で1人ため息をつく

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