悲しみを乗り越えて
「遊人!?」
獣型エクロス達が遊人を校庭へ連れて行く。
「まっ待って!!」
稀梨華が叫ぶと獣型エクロス達が振り返った。エクロス達の顔は遊人の血がべっとりと着いていて口が釣り上がりニタニタと気色悪い笑みを浮かべている。その顔があまりにもおぞましく今にも胃から何か込み上げてきそうになり思わず口を手で覆った。
「はぁ…はぁ…」深呼吸をして呼吸を安定される。
少し落ち着きを取り戻した稀梨華はもう一度獣型エクロス達に叫ぶ。
「遊人はまだ問題を1問も解いてないはずだけどなんで連れていくの!?」
獣型エクロス達はニタニタと相変わらず気色悪い笑みを浮かべている。獣型エクロスの一体が一枚の紙屑を掴みひらひらと見せつけている。
「あれは…問題が書かれてる紙!」
「けど遊人がその問題に挑戦したとして間違えても間違えた回数は1回。ゲームオーバーは3問からでしょう?」
獣型エクロス達は何も言わずその気色悪い笑みを浮かべたままだ。それもそのはず獣型エクロスには知能がないか少ないのどちらかなので稀梨華が何を言っているのか理解出来ないのだろう。どうしようか悩んでいると稀梨華の時計から声がし、人型のホログラムが浮かび上がった。
「おやおや何やらお困りの様ですねぇ?」と人の神経を逆立てるような煽るような声で言った。
「あんたは…オルドデール伯爵!」
「これはどういう事なの?なんで遊人を連れていくの!?」
「落ち着いてください哀れな善人よ。なぜ彼がゲームオーバーになったか、それは彼が3問間違えたからです。」
「だから遊人はまだ1問しか…」
「shut up!いいえ彼は3問問題を解き間違えました。まぁ彼自身は解いてないつもりでしょうけど」
「どういう事?」
「彼は自分では無い他の人に問題を解かせてたんですよ。まず彼は問題用紙を見つけ図書室に隠す。そして“2問以上問題を間違えていて一人でいる生徒”に声を掛け緊張をほぐし、適当な理由を付けて図書室に誘い込み問題を解かせていたんですよ。しかし、彼は自分が解かなきゃ大丈夫だと見当違いをしていました。分かりやすく言いますと、AとBがいたとします。まずAが問題用紙に触る、AとBで問題を解く、そして解答を“B”が記入して私へ送る。正解の場合はAとBにポイントが追加され間違えた場合は“B”がゲームオーバーに近き、ここで解答者がリセットされると彼は勘違いしていたのです。AとB両方にポイントが追加されるまでは合っていますが、違うのは間違えた場合“AとB”両方がゲームオーバーに近づくということです。問題用紙に触った時点で問題に挑戦しているとみなします。」
「しかし彼はこれを知らずに最初に問題用紙に触り他人に問題を解かせていたのです。おそらく貴方の前に2人が犠牲になってますねぇ。そして彼もまぁ謎の自信が湧いてきたのか問題を解いたが結果自滅したという訳ですよ。本当に哀れですよねぇ。」
「何それ…つまり私は騙されて利用されてたって事?!」
「そうですよ。今更気付くなんて貴方の方が哀れかもしれませんねぇ。」
「だけど!あんたは誰が最初に問題用紙に触ったとか分かるわけ?」
「もちろんですよ私は“知能型”なので。哀れな善人さん」
「…………」
「おや、ショックで黙りですか」
「獣型エクロス達よはやくそいつを校庭へ運べ!」
そういうとオルドデール伯爵は消えていった。
遊人が運ばれようとしたところで遊人が目を開けた。
「イッタタ何が起きたんだ…?」
遊人は自分が浮いていることに気づき周りを見る、周りには自分を掴んでいる口裂け女のように口を釣り上げニタニタと気色悪い笑みを浮かべている獣型エクロスが3体いた。
「ギっぎゃぁぁぁ離せっこのッ化け物が!」
遊人は蹴ったりして必死に抵抗するが全く効果がない。
「なんでだよ!なんでだよ!俺はまだ1問しか解いてねぇんだぞ?!」
獣型エクロス達が泣いて絶叫している遊人を連れていく、遊人が鼻水や涙でぐちゃぐちゃになった顔で助けを求めて振り返る。目が合った。
「助けてくれぇぇぇぇ!!」
遊人が泣き叫んだ時図書室に空いた穴に本棚が倒れ、遊人と獣型エクロス達が見えなくなった。稀梨華は理解が追いつかずただぼーと倒れた本棚を見つめている。遊人は本当に自分を利用していただけなのか。ならなんであんな少年のように笑ったのか、稀梨華には分からなかった。倒れた本棚の近くに駆け寄る。そこにはサバ〇バルシリーズの植物と地震の本と紙屑があった。
「ちゃんと探してくれてんじゃん」
いつもより低く震えた声が出た。
紙屑を広げる。そこには -3+9 と書かれたた。
その横に遊人の文字で“12”と書かれてあった。
「バカじゃないの答えは6でしょ。私でもわかる
よ。一緒に考えれば解けたじゃん。」
最後の方は声が出なかった。
時計を起動し、6と書かれた紙屑を写真で取り、オルドデール伯爵へ送る。直ぐに返信が来て“正解”おめでとうございます!と書かれていた。
ピロンッ おめでとうございます1ポイントが追加されました。システムが読み上げる。
稀梨華は遊人が探し出した2冊の本と大きいスチームパンクなゼンマイを持って図書室から出た
制限時間残り1時間25分ー