存在証明
僕は僕で僕だ
僕を形作るものが一つ欠けた
ことんと音を立てて欠けた
哀しいけれど仕方がない
無くしたものは元に戻らない
それでも僕は僕なのだから
僕を形作るものが一つ欠けた
ころんと音を立てて欠けた
僕に何が出来たというのか
変わったのは僕ではないのに
僕は僕のままのはずなのに
僕を形作るものが欠けた
からんと乾いた音を立てた
満たされてたのは心と記憶
失われたのは絆と記録
それでも僕は僕なのだろうか
僕の形が補われて増えた
かちゃんと音を立てて増えた
補われたのは空っぽの殻
残されたものが損なわれぬよう
それだけの価値が僕にはあるのか
僕の形が補われて増えた
がちゃんと音を立てて増えた
なくしたものは絆と記録
補われたのも絆と記録
それらが僕の知らないものでも
それでも僕は僕なのだから
僕は僕の僕だ