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Chapter35 「ヒデキカンゲキ高地要塞」 【MM378】

Chapter35 「ヒデキカンゲキ高地要塞」 【MM378】


 連合政府軍はヒロミゴー平原での戦いを有利に進め、いよいよヒデキカンゲキ高地に存在する敵の前線本部を攻撃する段階となっていた。ヒデキカンゲキ高地は標高300m、幅5km、奥行き2kmテーブル状の大地で楕円形をしている。要塞化され、内部はトンネルが複雑に交差し、各陣地やトーチカを繋いでいる。第1政府の前線本部は大地の中央、地下100mに存在する。


 ナナミ大尉は最前線野戦本部の士官区画にいた。天幕が貼られただけの区間だが仕切りがあり、6畳程の空間に簡易ベッドと小さな机があった。

「第1政府が地球に攻撃を行ったようです。ニューヨーク、北京、東京の銀座が攻撃されたようです」

サスケ曹長が報告した。サスケ曹長はMZ会がMM378に送り込んだ潜入員で地球生まれのMM星人だ。

「銀座! 日本が攻撃されたの? 被害はどうなってるの!?」

「大勢の犠牲者が出たようです。第1政府の兵士による銃撃とギャンゴによる攻撃です」

「ギャンゴ! 大変なの、すぐ地球に行くの」

「第1政府の兵士達はすぐに引き上げたようです。ギャンゴは地球人に倒されました。今回の攻撃は威力偵察とデモンストレーションでしょう。MZ会の中に地球征服派が現れ、第1政府の工作員と共謀して地球を占領する準備をしてるようです」

「そんなこと許さないの!」

「それより、第1政府に潜入している潜入員からの情報ですが、第1政府が超大型宇宙船6隻を建造中との事です」

「超大型宇宙船?」

「はい、1隻で兵士を3万個体を運べるようです。コードネームも決まっていて『ギガ・グランドクロスシップ』と呼んでるそうです」

「ギガ・グランドクロスシップ? 6隻なら18万個体なの。凄い数なの」

「はい、兵士の武器はアサルトライフルでしょうが、脳波攻撃があります。ガンビロンなどの攻撃を行えば地球には大きな被害が出るでしょう。地球にいるMM星人の征服派と呼応すれば地球征服もあり得るかもしれません」

「そんなこと許せないの! 宇宙船はどこで建造されてるの?」

「北方方面の奥地です。ここから1万キロです。どこの政府の勢力も及ばない空白地帯です。 

リキーシトール山脈の標高5000mの山の中腹の大きなドックで建造してるようです」

リキーシトール山脈は北方方面奥地まで続く稜線2000Kmに及ぶ山脈で最高峰は1万5千メートルにもなる。

「そこを攻撃するの。ドッグを破壊するの」

「今、連合政府軍はヒロミゴー平原の決戦に全てを投入しています。ドックを攻める余裕はありません」

サスケ曹長が冷静に言った。

「超大型宇宙船は今後連合政府軍にとって脅威になるの。前にレジスタンスキャンプが襲われた時も第1政府は宇宙船を使ったの。第1政府は近距離で時空超越転移装置を使う技術を持ってるから超大型宇宙船で奇襲攻撃をかける事が可能なの。18万個体を時空超越転移装置で移動させればもの凄い脅威なの」

「それはわかりますが、ドックを破壊する為の戦力は割けないと思います。正攻法なら2個大隊は必要です」

「私がファントム中将を説得するの。少人数でなんとかするの」


 野戦本部の会議スペースに南方方面第一軍の大尉以上が集まり作戦会議を開かれていた。将官達も皆対ガンビロン用シールド発生装置を肩から掛けている。

「いよいよ敵の前線本部を叩く時が来た。ヒデキカンゲキ高地要塞地下の前線本部を潰せば次は第1政府の首都まで一気に攻めることが可能になるのだ。諸君には健闘してもらいたい!」

ファントム中将は檄を飛ばした。

「第1政府はヒデキカンゲキ高地の側面の断崖に多くのトーチカと銃座を作っています。アサルトライフル、単発式の『MM-01』の他、我が軍のブローニングM2に似せた重機関銃も装備を始めたようです。口径は10mm、発射速度は450発/分で我が軍のブローニングM2より威力、発射速度、命中率は劣りますが、あなどれません。一部ではロケットランチャーのコピーも使用しています」

キリシマ大尉が報告した。

「第1政府の物理攻撃兵器は我が軍に追い付いてきているな」

ファントム中将が不満そうに言った。

「まずは戦闘用ホバーの砲撃でトーチカや銃座を潰します。戦闘用ホバーが80機増援されてきました。戦闘用ホバーの砲撃でトーチカや銃座を潰した後、歩兵を登らせましょう」

副官のハルゼー少将が提案する。正攻法だった。

「迎撃用ホバーを転用して襲撃部隊にすることも有効化かと思われます。戦闘用ホバーの護衛も同時に実施できます。敵の究極攻撃に対する現在迎撃用ホバー部隊が3個小隊、45機が存在します」

第8師団師団長のホーネット少将が提案する。

「しかし時間がかかりそうだな。断崖のトーチカや銃座を潰すだけでも何日もかかるだろう。時間がないのだ。我が方のバッテリーが枯渇すればガンビロンにやられてしまう」

ファントム少将は納得がいかない様子だ。

「敵は60分毎のガンビロンを使用しています。サイレンが鳴りっぱなしです。我が方はシールド発生装置の充電が間に合わなくなってきています。予備バッテリーもあと一週間で枯渇します」

キリシマ大尉が発言する。

「一週間? どうすればいいのだ」

「敵の電源を破壊しましょう。敵の発電施設があるはずです」

キリシマ大尉が提案する。

「あったとしても要塞の内部のはずだ。外側からの攻撃では破壊できない。内部に入るにはまだまだ時間が必要だ」

第7師団師団長のアカーギ少将が反対意見を言った。

「特別任務の決死隊を突入させるしかありません」

キリシマ大尉は引かない。

「内部の構造は分かってるのか? 無謀な作戦だ」

アカーギ少将の疑問はもっともだった。

「潜入員や転軍した敵の将校の話から主要な通路は判明しています。地図も作成済です」

キリシマ大尉も自信があるようだ。

「早速特別任務の部隊を編成するのだ」

ファントム中将が結論を出そうとした。

「閣下、提案があります」

ナナミ大尉が手を上げた。

「なんだねナナミ大尉、言いたまえ」

「敵の発電施設は私が破壊します。発電施設に近い敵の銃座から侵入して時限爆弾を仕掛けます」

「ナナミ大尉の中隊で攻略するというのかね?」

「いえ、私直轄の分隊である『シルバーウルフ分隊』で十分です。爆破に詳しい地球から来たMM星人を何個体かお借りします」

「ナナミ大尉なら可能かもしれんな。ブロンソンン大佐、爆破に詳しい兵員を貸してはくれんかね?」

峰岸が輸送してきた地球から来たMM星人は3000個体。地球の世界で工作員をしていた連中だ。ブロンソン大佐は地球からの援軍の最高指揮官だ。

「はっ、爆破専門の部隊がいます。爆破のエキスパートのリンゴ中尉もいますのでお力になれるでしょう」

「助かります。必ずや敵の発電及び電気供給施設を破壊してマークマックスを使用不能にします」

ナナミ大尉が明言した。

「ナナミ大尉、是非頼みたい。発電施設を破壊すれば敵のガンビロンを使用不能にできる。そうなれば歩兵の突撃で一気に敵の前線本部を殲滅できる。第1政府の首都、マコイシーノの陥落も秒読みになる」

「閣下、本ミッションを行うにあたって一つお願いがあります」

「なんだ、ナナミ大尉がお願いとはめずらしいな」

「本ミッションが成功したら第1政府が超大型宇宙船を建造しているドックを破壊するに任務を認めて下さい!」

「ドックだと?」

「閣下、第1政府は北方地帯の山奥の大型ドックで超大型宇宙船を建造中です。超大型宇宙船は全長800m、全幅150m、全高120mにもおよぶ規格外の大きさの宇宙船です。兵員3万名の他、物資も3000トン運べることが予想されます。ギャンゴも100頭近く運べます」

「本当か。しかし第1政府はそんな大きな宇宙船を何に使うもりなのだ?」

「おそらく地球侵攻です。完全武装の兵員18万個体にギャンゴを地球に送り込んで地球を征服するのです。地球にもすでに第1政府の工作員により地球征服派のMM星人が50万個体いるようです」

「第1政府はそこまで計画を進めてたのか。しかし地球侵攻ならMM378には問題ないだろう。ナナミ大尉にとっては大問題かもしれんが」

「閣下、第1政府は近距離における時空超越転移装置を開発しています。いつでも18万個体、ギャンゴ100頭以上を瞬時に移動可能です。我が方の首都や軍令本部に18万個体による奇襲を行う事が可能です。今の状況だと地球侵攻の前に奇襲作戦を実施する可能性が高いと考えます。先日レジスタンスキャンプが奇襲を受け、大きな被害を出しています」

「そうだが、北方の奥地に部隊を派遣する余裕はない」

「ですからそれも我が分隊『シルバーウルフ』で行います。威力の高い爆弾が必要です。ブロンソン大佐と研究所の協力を頂きたい」

「うむ。交換条件か」

「敵の超巨大宇宙船はこの戦争における脅威です。また、これを破壊すれば第1政府にかなりの精神的ダメージを与えます」

『ウウーーーー』 『ウウーーーー』 『ウウーーーー』 『ウウーーーー』

敵のガンビロン発射を検知してサイレンが鳴り響いた。

「わかった。好きにしたまえ。ただし要塞の発電施設を破壊したらの話だ。早く敵のガンビロンを黙らせるのだ」


 ナナミ大尉は情報部隊の情報をもとに発電設備に一番近い敵の銃座からの侵入を考えた。銃座は断崖に突き出した大型銃座で80平方メートルの広さがあった。発電設備まではトンネルで300mほどだった。シルバーウルフ分隊6個体と地球から来たMM星人爆破部隊6個体を載せた小型ホバーと襲撃用ホバー1個小隊15機、戦闘用ホバー1機が離陸した。ナナミ大尉はホバーバイクで先頭を飛んだ。

ナナミ大尉のホバーバイクにはボディの両側にブローニングM2重機関銃を1丁ずつ装備していた。技術士官に頼んで装備してもらったのだ。薬莢の排莢は左右それぞれに行うようになっている。弾丸はベルト式給弾で200発がボックスに収められている。ナナミ大尉はブローニングM2重機関銃に両足を乗せるようにしてホバーに跨っている。襟付きのシャツの上に防弾ジャケットを着て、キュロットスカートを履いている。

《V1より決死隊各位へ、敵のトーチカ(ヤンキー)8(エイト)と大型銃座T(タンゴ11(イレブン)を破壊後、大型銃座T(タンゴ11より要塞内部に侵入するの)

ナナミ大尉はホバーバイクでヒデキカンゲキ高地西側の高さ200mの断崖の横を飛行した。

《決死隊各位へ、ポイント発見、戦闘用ホバー砲撃位置に着いて》

ナナミ大尉は威力偵察も兼ねて、敵の大型銃座T(タンゴ11(イレブン)に向かって正面から高速で接近した。攻撃用ホバーと襲撃用ホバー小隊と決死隊を乗せた小型ホバーが1Km後方を飛行している。距離200m、敵の大型銃座とトーチカが一斉に射撃を開始する。弾丸がナナミ大尉の乗ったホバーバイクを掠める。機体に何発か直撃して『キンキン』『ガンガン』とイヤな音を立てる。

《V1より各位、敵銃座、重機関銃2丁、アサルトライフル10丁以上》

ナナミ大尉もブローニングM2の発射ボタンを押した。

「ドドドドドドドドドドドドドド」

2丁のブローニングM2重機関銃から放たれた弾丸は大型銃座に集中して砂煙をあげた。敵の兵士が何個体か吹っ飛ぶのが見えた。ナナミ大尉の両足にブローニングM2重機関銃の発射の振動が伝わった。

《K1、これより砲撃を開始する。目標トーチカ(ヤンキー)8(エイト)》

『ドーン』          『ドーン』

戦闘用ホバーの120mm砲の砲撃でトーチカ(ヤンキー)8(エイト)が吹き飛んだ。

《こちらK1、トーチカ(ヤンキー)8(エイト)を破壊、退避する》

《V1了解。ご苦労様なの。襲撃小隊、(タンゴ11(イレブン)を攻撃せよ)

5機で1個分隊となる3個分隊15機の襲撃用ホバーが大型銃座T(タンゴ11(イレブン)に接近してブローニングM2重機関銃を一斉に射撃する。襲撃用ホバーには操縦士、偵察員、射手の3個体が搭乗しており射手が旋回式のブローニングM2重機関銃を射撃する。15丁のブローニングM2重機関銃が火を噴いた。

「ドドドドドドドドドドドドドド」「ドドドドドドドドドドドドドド」

「ドドドドドドドドドドドドドド」「ドドドドドドドドドドドドドド」

「ドドドドドドドドドドドドドド」「ドドドドドドドドドドドドドド」

「ドドドドドドドドドドドドドド」「ドドドドドドドドドドドドドド」

「ドドドドドドドドドドドドドド」「ドドドドドドドドドドドドドド」

襲撃用ホバーは断崖に並行するように飛んで激しく射撃した。大型銃座T(タンゴ11(イレブン)が着弾の土煙に隠れる程の集中射撃だった。

《シルバーウルフ分隊、突入なの!》

シルバーウルフ分隊と爆破部隊を載せた小型ホバーが大型銃座T(タンゴ11(イレブン)の上空1mでホバリングして兵士達が銃座に飛び降りる。

ナナミ大尉もホバーバイクを大型銃座に無理やり着陸させた。

銃座の後方はトンネルになっており、要塞内部に続いている。ナナミ大尉は銃座を見回した。敵の兵士の千切れた遺体が散らばっていた。決死隊がナナミ大尉の周りに集まる。


 「今から要塞の中に入るの。このトンネルは200mほど下りが続くの。突き当りを左に曲がるの。そこに制御室があるはずなの。制御室を抜けると発電設備があるはずなの。途中に幾つかの部屋と交差する通路があるから気を付けるの。通路の幅は3mなの、前後5mの間隔で左右ジグザグになって進むの。爆破部隊の6個体は真ん中に位置するの」

シルバーウルフ分隊の6個体は各自アサルトライフルと手榴弾4発を装備していた。フィリオ上等兵だけは手榴弾を装備せずにロケットランチャーを担いでいた。弾頭は4発携帯している。防弾ジャケットと対ポングシールド発生装置内蔵のヘルメットに、対ガンビロン用シールド発生装置を装着している。ナナミ大尉はショットガンだ。もちろん全員が部隊のシンボルであるスミス&ウェッソンM629ステンレス4インチを腰に装着している。爆破部隊は丸腰でC4爆薬等の爆破機材を背負っている。

「行くの。動くものを見つけたら即発砲するの。ここには敵しかいないの」

「大尉、先頭は私が行きます」

シャーク軍曹が申し出た。

「点数稼ぎかよ」

アーネスト上等兵が冷やかす。

「大尉に替わる個体は南方方面軍にはいない!」

シャーク軍曹が厳しい口調で言った。

「そりゃそうだ、俺達の隊長は10万分の1の個体だもんな」

アーネスト上等兵が納得した。

「悪いけど先頭はピーター一等兵にお願いするの。ピーター一等兵は目がいいの。私は二番目なの。シャーク軍曹はしんがりをお願いするの」

「はっ、了解しました」

ピーター一等兵が答えた。

決死隊は前進した。所々明かりが灯る通路は薄暗い下り坂だ。

「大尉、前方の交差地点で影が動きました」

ピーター一等兵が小声で報告した。

ナナミ大尉はいきなりダッシュした。交差地点までの距離は30m。交差地点の右脇からアサルトライフルが撃ってきた。その数2丁。敵兵は腕だけ出して撃っているようで体は見えない。

ナナミ大尉はなおもダッシュして交差地点に到達するとジャンプして右下方向を向いて交差する通路にショットガンを5発発射した。敵のアサルトライフルも火を吹く。

「敵の2個体を倒したの、前進を続けるの!」

ナナミ大尉は後方に叫んだ。

「大尉、大丈夫ですか?」

ポピンズ曹長が駆け寄って心配する。

「5発被弾したの。でも防弾ジャケットのおかげで助かったの。痛かったの」

「さすが隊長、スゲエ。まじカッコイイぜ」

アーネスト上等兵が歓声をあげる。

「大尉、お見事です。でも無茶しないで下さい。いつもヒヤヒヤします」

シャーク軍曹が心配そうに言う。

「ピーター一等兵が敵を見つけたの。凄いの」

ナナミ大尉はピーター一等兵を誉めた。ピーター一等兵は嬉しかった。シルバーウルフ分隊に所属することを誇りに思った。何よりも生ける伝説の士官、ナナミ大尉と戦えることに喜びを感じた。決死隊は突き当りで止まった。左側の通路の先は管制室だ。30m先にシャッター式のドアが見える。

「フィリオ上等兵、あのドアをロケットランチャーで破るの。徹甲炸裂弾なの。撃ったらすぐに伏せるの。皆は10m戻るの」

「了解です」

フィリオ上等兵はロケットランチャーを構えた。

『バシュ!  ドドーン』

爆風と爆音が通路を駆け抜けた。シャッター式のドアは吹き飛ばされ、火の粉が舞っていた。

管制室の中は誰もいなかった。銃座が破壊された時点で逃げたようだ。管制室を横切り、ドアを開けると発電設備だった。広い空間に直径3メートルを超える巨大な発電装置とモーターが並んでいた」

「爆破隊、お願いするの」

「はっ、20分で設置します」

爆破隊の分隊長は地球から来た増援部隊の『カトー曹長』だった。

「カトー曹長は日本出身なの?」

「はい、神奈川県です」

「神奈川県の海に行ったことがあるの。いい所だったの。よろしくお願いなの」

時限爆弾は無事にセットされた。決死隊は大型銃座に戻り、6個体と爆破隊は自動ホバリングさせておいた小型ホバーに搭乗し、ナナミ大尉はホバーバイクに跨って離陸した。上空では襲撃用ホバーが敵のトーチカと銃座を攻撃していた。ナナミ大尉達は帰路についた。ナナミ大尉は腕時計を確認した。後方で大きな爆発音が響いた。大型銃座から炎と煙が噴き出した。爆破成功だ。ナナミ大尉は腕時計、Hamilton カーキフィールド:ブロンズのガラス面に軽くキスをした。


 ナナミ大尉は野戦本部に帰還した。

「敵のガンビロン攻撃が停止しました」

キリシマ大尉がファントム中将に報告する。

「よし、これで一気に要塞を攻略できるぞ。ナナミ大尉ご苦労だった。今回も大手柄だ。勲章が何個あっても足りん」

「閣下、勲章より次の作戦の実行許可の方が嬉しいです。ブロンソン大佐、爆破部隊の協力のおかげです。感謝します。申し訳ないのですがもう一度爆破部隊に協力をお願いしたいのです。地球侵攻を直接食い止める作戦です」

「大いに協力したいです。その為に我々は地球から来ました。ナナミ大尉は噂通りの人だ。ともに戦える事を嬉しく思います。地球の為に共に戦いましょう」

ブロンソン大佐は極めて協力的になっていた。


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