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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
68/75

68話(医学部受験に熱を燃やす智子)

「ただいま〜」


冬子が帰宅し、リビングのドアを開けると、そこには見たことのある風景が広がっていた。


智子が嬉々としながら塾と大学のパンフレットを並べ、笑顔で出迎えてくれた。

「おかえり、冬子!」


今日は顔色が悪く、体調が優れないようだが、気力だけはあり余っているようで、ヨタヨタと冬子に近付き、訴える。


「冬子、医学部志望するなら、塾に行かないと間に合わないよ。冬期講習、申し込もう!」


目をギラつかせ、命を掛けながら冬子に訴える母の姿に、流石の冬子もトー横へ逃げたいとは思わなかった。


「そうだね、、最近模試も受けてないし。ちゃんと入ります。」


冬子の前向きな回答に、智子の笑顔は輝いた。


「そうこなくっちゃ!さぁさぁ、大好きなハーブティーを淹れてあげますから、冬子は2階で机に向かってちょうだいね♡」



冬子はハーブティーの香りを脳内に取り込むと、ふぅっと深呼吸をし、参考書を開いた。


受験まであと1年ちょっとか。。

それまでママは、生きてくれるのだろうか…?

出来れば、ママに合格した姿を見せてあげたい。


医学部合格への道…。


これは、自分の意思なのか。それとも、母親の意思を繋ぐためだけの努力なのか。自分自身でもよく分からないが、母の病気を通じて、初めて興味を持った職業が医師であることは間違いない。


どんな道を選択することが正解かなんて分からないが、冬子はひたすら参考書の内容を頭に叩き込むことに注力した。


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