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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
45/75

45話(フリー素材が気になる)

冬子には、最近気になる人が居た。



冬子は母の動画出演をきっかけに、初めて厨二企画のメンバーと交流を持ち始めたわけだが、母の付き添いで会議に参加する際、頻繁にでてくる名前の女性が居る事に気付いたのは、つい2日ほど前だった。


「フリーそざいちゃん」というふざけた名前の女性youtuberで、彼女は本当にフリー素材モデルとして活動していた過去があるらしい。


厨二企画のメンバーからは「プリン」なんて別の呼ばれて方をしていて、、親しげなのが気に食わない…。

調べてみたら、頻繁にコラボしているようだ。


名前に似合わず、ビジュアル最強なのも気に食わない。


若干地雷系が混ざったファッションを好み、流石インフルエンサーといった所で、単なる地雷系ではなく色々と洗練されていて、とても気に食わなかった。



年齢は25歳で梓馬達より少し年上らしく、厨二企画のメンバーには無遠慮で詰めてくるところも、気に食わなかった。

そんな全てが気に食わなかったプリンちゃんと、冬子はばったり遭遇してしまったのだ。


母の、長くなりすぎたひとり語り動画データを渡す為に、厨二企画の事務所へ立ち寄った所、丁度コラボ撮影中のようだった。


「すみませーん、」と冬子が部屋を覗き込むと、プリンがひょこっとこちらを向いてニコリと微笑んで会釈した。


詰め詰めの強気キャラではなく、実際会ったら性格が良さそうなのも気に入らない…。


「あ、冬子ちゃん!ママの動画?サンキュー!」主に編集や企画など、厨二企画の頭脳的存在の圭介が出迎えてくれた。


「ママ、語ったら止まらなくなっちゃったみたいで、2時間くらいずっと喋り続けちゃって、、無駄なところは遠慮なくカットしてください。」

「…2時間か…、そんだけ1人で語れるって逆に凄いね。また見せてもらうね!」


「梓馬さんは?」

「梓馬は…、、」


圭介が若干気まずそうに後ろを見ると、

「冬子ーーー!」と梓馬の声がした。

声の方向を向くと、完璧に女装をした梓馬と目が合った。。

よく見たら髪の毛がぐちゃぐちゃで凄い事になっている。

「どう今のオレ、、?『あずりんご』ていう名前やけん、よろしくね♡このままナンパとかされに行けんかなーー♡」

どうやらプリンの手により梓馬が女装を施される企画だったらしい。


「あ、梓馬さぁん。。うん、可愛いよ!!てか、コレ何?本物さくらんぼ髪に付けてる…?しかも、え、何で人形が…」


ツインテールの髪飾り部分にプリキュアの人形を発見した冬子が、悲しそうに突っ込む。


「この子達??オレの友達やけん、冬子も仲良く…」

「あずりんご、友達が2人だけなんて少なくない?友達は多ければ多いほど楽しいんだよ〜!」


プリンは梓馬に近づくやいなや、素手で掴んだゴキブリの死骸を梓馬の頭めがけて拭いつけた。

「あぁ〜〜〜、2人も〜!…プリン、ありがとう♡お友達が増えて嬉しい♡」


梓馬は嬉しそうに微笑んだ。


「あずりんご〜可愛い〜♡♡」


どっと笑いが起こった。これがyoutuberなのかぁ…。くそ…、プリンちゃんって、凄い…。



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