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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
44/75

44話(今後の動画趣旨・智子クラファン)

まずは、智子にやりたい事リストをリストアップしてもらい、動画で自分の思いを話してもらい、その決意表明と目標をもとにクラウドファンディングで資金集めをする事になった。



資金は夫から出してもらう事も可能だったが、それではこの動画の主旨に外れてしまう。


「残りの人生、自力で自己実現する」事が裏テーマでもあったからだ。

クラファンで集まった資金を使って、やりたい事リストの夢を実現させるのだ。それが智子の生きた証として、自分自身に訴えるのではないかと、梓馬は熱弁した。


「梓馬、、いい事言いよるね…。オレ感動したわ…」

櫻井が涙ぐみうんうんと頷く。

櫻井は父親を癌で亡くしている為、今回の企画には余計と感情移入している様子だ。


「智子さん、ひとり語り動画、撮影は大丈夫そうですかね?体調とか、無理しないで下さいね。」


大地の大きく澄んだ瞳で見つめられ、智子は思わず赤くなった。


「ハイ、頑張ります!」


動画への出演を受け入れられ、今まで無縁だったような世界で活躍する若者に混ざり、動画制作者として対等に会議に参加する。


智子にとって、こんな経験は今まで無く、動画への出演を決めてからは、毎日新鮮な出来事の連続だった。


智子のやりたい事リストは、以下の通り。


・スカイダイビング

・優しくて何でも言う事聞いてくれるイケメンとデートする

・プルプルの信玄餅を食べたい

・義母に今までの恨み辛みを込めた呪いの手紙を出す(もう年だからなんて関係ない)

・冬子の短いスカートを履いてみたい

・家族で温泉旅行に行く

・パパをぶん殴る


「ママ!?、、私のスカート履きたかったの?嫌がってなかった…!?今で良ければ貸すけど??」



「ううん、今は大丈夫!クラファンで資金が集まったら、ちゃんとしたカメラマンさんに撮影してもらうんだーー♡写真の世界観も考えてて、、レトロな夜の街でネオンをバックに撮ってもらうの…。」


智子は、下を向き頬を赤らめながら冬子に打ち明けた。


ええーーー。


何かママ、ふっきれてる…?


つい最近、末期がんの宣告を受けたとは思えないような活き活きした母の姿に冬子は驚きを隠せなかった。


冬子のスカートを履きたい件以外にも、智子のやりたい事リストには様々な突っ込みどころが満載だったが、まぁよしとする。


こんな嬉しそうなママに出会えて、冬子はとても嬉しくなった。


クラウドファンディングは、厨二企画の知名度のお陰もあり、捻出出来そうな見込みだ。


目標金額は、とりあえず20万円。


達成出来たら、ママはまずは何から手をつけるんだろう

…?

ママがいなくなってしまうかもしれないという恐怖や悲しみに明け暮れるよりも、ママが持ち始めた夢や希望に寄り添いたい。


冬子はそう思い、毎晩一人で泣くのは辞めようと思った。


ママが笑って過ごせるように、強くなろうと思った。


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