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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
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「美月、、病院そのまま向かうから、決まったらママのケータイから連絡して?」


冬子は早々に電話を切った。

「梓馬さん、、うちのママ、救急車で運ばれちゃったよ。血を吐いたんだって。何で、せっかく素直に話せたばかりなのに、、」


動揺してむせび泣く冬子の肩を掴み、抱きしめたあと、梓馬は冬子を見つめた。


「冬子、しっかりせぇよ。今はオマエが1番しっかりせなあかん時やけん、みんなの事支えてやり。」



冬子はそのまま、指定された病院へ急いだ。





救急入口で名前を書き、指定された階へ到着すると、目を真っ赤にした美月がこちらに気付いた。



「お姉ちゃん!!」


美月は走ってきて、冬子に抱きついた。


「美月、、一人で辛かったね。ここまで頑張ってくれて、ありがとう。」


「ママ、今検査中で、、うっ、、パパも今向かっているって」


「パパも来てくれるんだね。良かった。」



美月にココアを渡し、薄暗い病棟のベンチで呼ばれるのを待っていると、父が到着した。


「美月、冬子!ママは?」


「パパ、、今ママ、検査中。ずっと待ってるから、もうすぐで呼ばれるかも。」


普段冷静な仁志だが、今回は流石に動揺しているようだった。



しばらくして、看護師が名前を呼んできた。


父と一緒に、娘達も説明を聞いた。


なにやら「胃潰瘍」で出血しているらしく、胃に穴が空いてしまっている為、明日内視鏡手術が必要だとか。



このまま緊急入院となる為、仁志は手続きの為大量の書類を書かされている。



「お前達、パパは今日このまま病院に泊まるから、一旦家に帰りなさい。


冬子、ママの着替えとか、必要なもの、ここに書いてあるから明日持って来れる?あと、美月の事もよろしく。」


冬子は「分かった。」と頷くと、美月の手を引いて病院を後にした。



家に到着し、真っ暗な部屋の明かりを点ける。


いつも笑って迎えてくれるママの存在の大きさに気付いて、美月と2人で涙ぐんだ。




その夜は何だか不安で、美月と一緒に風呂に入り、同じ布団で一緒に寝た。

美月と同じ布団に入るなんて、小1くらいまでだったので、何だか照れくさい。



ママ、辛かったよね?

怖かったよね…?



またママが元気になって、笑顔を見せてくれますように。



そう神様にお願いして、美月を抱きしめ眠りについた。






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