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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
28/75

28話

「もうこんな時間か、、何で楽しい時って、すぐに終わっちゃうのかな。」



都心のシティホテルの一室で、史恵は仁志のスーツの襟元を整えながらため息をついた。


「何を言ってるんだよ。史恵こそまたすぐに、次は…、ハワイあたり行っちゃうのかな?いつも俺のことほっとくくせに。」


「え、何で知ってるの?(笑)そう、次はハワイの波に乗りに行くの。また真っ黒になって帰ってくるから!」


史恵は満面の笑みで仁志に微笑みかける。



「史恵、、うちの下の娘が高校生になったらさ、、俺と一緒になること、考えてくれる?」



史恵を抱きしめながら、仁志は囁いた。



「もう、養育費もあまりかからなくなるし、今のプロジェクトも順調なんだ。


ここまでやってこれたのも、史恵のお陰だ。


史恵と、第二の人生を…」




史恵は、仁志の言葉をキスで遮った。


「またその話?もう、、私はね、もう結婚なんてしないって決めてるんだってば。


しいて言えば、そうね、波に、海にプロポーズし続けてるの!」



史恵の太陽のような笑顔に、仁志は胸が締め付けられた。

「わかったよ、、まぁ、俺は何回でもアタックするからさ。覚悟しといてよ。」



史恵とは、銀座のクラブで出逢って5年ほどになる。2人きりで会うようになったのは、ここ3年ほどだ。


史恵は現在ホステスとしてではなく、他の若いママ達に店を任せ、既に3店舗ほど経営している、やり手の経営者でもあった。


おっとりしていて、専業主婦としての世界しか知らない智子とは正反対だ。


智子はいつも子どもの受験の事だの、オーガニック食材だの、健康の事だの……、退屈な話ばかりだったが、そんな中史恵という女性に出逢って衝撃を受けたのだ。



こんなにアクティブで、天真爛漫で、一緒に居て楽しい女性が居たなんて…!

仁志は出逢ってその日に恋に落ち、それからというものは定期的に銀座に通っては、彼女にアピールし続けたのだ。



史恵の方も、正直なところまんざらでもなかった。

水商売で生活する中、血の気の多い人間関係に辟易していた中、様々な大手企業に対しITの分野で牽引する中心人物である仁志は、時代の最先端を行く陰のカリスマ的存在に見えた。


話題もウイットに富んでおり、かつ、控えめで女性には優しい。


こんな男性は初めてではあったが、彼は家庭持ち。

深い仲にならぬよう、自制しながら上手く付き合っていたのだ。



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