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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
22/75

22話

あいつらが性格悪い事なんて、昔から知ってた。


表面上は普通に振る舞っていたけど、みんな心の中ではマウントの取り合いをしているのは、ずっと知ってた。


今まで成績は最下位を彷徨い続け、何でも我関せずの冬子がいじめの対象になることはなかった。


ただ、そんな事実があることは知っていた。

そして、今回その当事者が自分自身になっただけの話だ。


クラスの嫌な空気から抜け出したくて、午後の授業終了後は、急いで教室を後にした。


帰り際には聞こえるような声で

「そんな急いで、今日もトー横?」



と聞こえてきたが、振り向く余裕もなく、急いで帰宅した。



帰宅すると、智子が笑顔で迎えてくれた。


「お帰り、やっぱ冬子が帰ってきてくれると安心するね〜。」


リビングのテーブルには、取り寄せたであろう大学の資料と、数件の塾のパンフレットが並べられていた。



「冬子、先生から褒められたってさっそくおばあちゃんに電話したんだ〜!凄いねって、おばあちゃんも喜んでた!!安心して志望校狙えるよう、塾、もう一回チャレンジしよう!パンフレット、見ておいてね。」



「分かった、見とくよ、ママ」


パンフレットを重ねカバンにしまうと、冬子は力なく2階へ上がっていった。



智子は上機嫌でハーブティーを選ぶ。


「今日はレモンバーム淹れてあげよ♡」



梓馬のTwitterを開くと、何やら大阪の女性youtuberグループとコラボし、USJデート企画とやらで楽しそうな写真を上げていた。


その後、とある迷惑系配信者に絡まれ警察沙汰になった旨のツイートが上がっていた。


何やら緊急事態のようだ。


1番頼りたかった梓馬に頼れない事実を知り、心の支えを失った冬子は、再度Twitterを開くと


「学校もママも嫌だ。今から広場行く。あえる人いる?」


と呟き、家を後にした。


智子が何か言ってるのが聞こえてきたが、イヤホンをしてたので全く耳に入らなかった。



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