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溶けた恋  作者: ピンクムーン
三章
20/75

20話

「実際そんな事するやつおるんや…。やっぱトー横は危険な場所やな。それにしても、冬子が無傷で良かった。」


梓馬は冬子を抱きしめ、冬子の存在を噛みしめる。


「しかしそんな状況下で、よくそんなうまく対応できたね。警官に向いてるんちゃう?マジで尊敬するわ…」


冬子をうっとりと見つめ、夏樹との武勇伝を褒めちぎる梓馬からは、ラブホ写真の件を揉み消そうとする意図を感じる。


冬子は話が逸れないよう、すかさず梓馬に尋ねた。


「で、その件は、本当なんでしょうか…?」


「ごめんネ、実は俺、今家がないけん、色んな所に寝泊まりしちょるけん、ホスト企画の時は毎日色んな女と…」


もうそれ以上は聞きたくない!


と言わんばかりに、冬子は自分のパーカーのフードを被り、耳を塞いだ。



まもなく、梓馬は東京を離れる。

こんなしょーもない尋問をしている時間すら、貴重だ。


「オレを信じてほしい。やってはない。ただ一緒にベッドで寝たり、風呂は…入ったかも、あとは…」



「もーー、わかったよ、わかったから、大丈夫。梓馬さんは私の事だけ好きだって、信じてるから。」


冬子は梓馬のパーカーの胸元を引っ張り、一生懸命顔を近付け、キスをした。


梓馬もそれに応えるべく、冬子の頭を抱え、何度もキスを重ねてくる。


外は雪が降ってきて、いつもより冷え込んでいたが、2人の熱で雪なんか溶けてしまいそうだった。


汗ばんだ手を繋いで見つめ合い、再びキスをする。目を開くと、物欲しげな冬子の瞳がこちらに訴えていた。


梓馬は冬子の全てを奪ってしまいたいと本気で思い、そのまま首筋に唇を這わせた。



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