竹B
この物語はフィクションです。
と言えない所も
実はあります…(/_;)
ドンッ!
って机に当たられた。
バシッ!と
箱を置かれた。
『どすけべ』って大書された文字の下に“おっぱいチョコ”の写真が印刷されてる…
福田君から…
「どういうつもりだよ!!」
って凄まれて…
身に覚えのない私は
きっとお間抜けな顔をしていたのだろう
その後、何が起こるかなど知る由も無かったし…
ぎこちなく首を傾げかけた私の目の前に折り目の付いた小便箋が付き付けられた。
『これが福田くんの好みだよね( *´艸`) 竹美♡』
って書かれてた。
「えっ?! これって??」
「オレ!あの時、お前にちゃんと謝ったよな! それなのにこんな事するお前の方がよっぽど『人格否定』してんじゃん!!」
私は…入学した頃の…去年の5月の事を思い出した。
その日はとても気温が高く…体育の授業の途中からジャージの上着を脱いでいた。
授業が終わって教室へ戻る途中、すれ違った福田君に言われたんだ。
『乳首すけてる』って
周りには他にも女子が居て
HRでクラス会議になって
福田君は女子からつるし上げを食った。
それは…“お白洲”の場で
「下に何も着てない竹下が悪いんじゃん」って言ったから。
私が恥ずかしくて泣き出したから。
結果、福田君は私に土下座して謝ったけど…私、涙が止まらなかった。
けれども…
福田君はスポーツも勉強もできて
イケメンだったから
女子人気はうなぎ上りで
バレンタインデーの今日もチョコをいっぱい貰ってたようだ。
でも私は福田君を好きではないし、他に好きな子がいるわけではないので無関係だと思ってた…
「あ~っ!これは酷い!! 悪質!! 福田君が怒るの無理ない!!」
小便箋を福田君の手から摘まみ上げたのは遠藤さんだ。
それを今度は佐藤さんに手渡して小便箋はクラス中に回覧された。
「この『竹美』って!! 竹下!!お前あざといよ!! 智也が怒るの無理ねえ!!」
「ホント! 性格悪ぅ~!! 自分では可愛く思ってるのがドス黒い!!」
「そうよ! あの時だって! 福田君は美姫に注意しただけだったのに! なんにも着けないで体育やってた美姫の方が悪い!!」
身に覚えのない事なのに!!
声を大にして訴えても、非難の声は止まず…
担任が教室に飛び込んで来た。
「お前ら何やってんだ!! 甲田先生から苦情来たじゃねえか!! 学校へお菓子は持って来るな! 没収!! 持ち主は放課後、職員室まで来い!!」
職員室には誰も行く事はなく、私が呼び出されて嫌疑を掛けられたが、また泣きながら否定した。
そこからの私の中学生活は悲惨だった。
『竹B』とあだ名され、ハブりイジメにあった。
『竹B』というあだ名は絶対継承させたくなかったので、ガリ勉猛勉して、ウチの中学からは過去に誰一人合格者の出なかった私立の女子高へ補欠合格で入学した。
今度こそうまく立ち回ろうと意気込んだけれども
『竹馬入学』と中学の同級生から揶揄された通り無理な背伸びが続く訳もなく
程なく落ちこぼれて
“居ない人”になった。
それでも中学の時よりはマシだったので
幽霊のように漂っていたが…
手の込んだ言い回しで転校を勧めて来る学校や、私の顔を見るたびにため息をつく母に嫌気が差して…
留年になる前に自主退学。
家からも箒で掃き出される様にしてアパートで独り暮らし…
中卒じゃあ家賃の工面さえままならず…
結局今は…
“カラダ”資本のこの仕事
なのに…
公私に渡って
オトコにヤラレ続けて
噛まれ続けて
名は体を表すがごとく
ボロボロだわ
アフターバレンタインの可愛いお話を書きたいなって思っていたのに
ドス黒いお話になってしまいました。
このお話の元ネタの話を聞いた夜。
私、家に帰ってから泣きました。
その場では泣けませんから。
いったいどうして
こんな事になるのか…
やり切れなかった(:_;)
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