5 【オーラ】の代償
変に話を繋げるのが嫌なのでめっちゃ短くなりました
マナはクエストを受諾した後、噴水近くにある大きなマップを見て初心者向けと言えるような場所を探し、そこにやってきた。
「始まりの平原に来たけど…」
思っていた以上にプレイヤーがいたので驚いた。
だがこれが普通だと思い気持ちを整えた。
そして装備から剣を取り出し、本格的にスライム討伐をしようとした。
「おぉ、この剣黒くてかっこいいなぁ」
割と良さげな見た目の剣だったので一瞬にして気持ちが変わってしまった。
「はっ!剣に見惚れてた…。じゃ、じゃあ私も始めますか。まずはあれをしないと。【オーラ】――っ!?」
【オーラ】を発動した瞬間、今まで感じた事のない不愉快な感覚がマナを襲った。
「え……」
特殊剣の必須アビリティ【オーラ】はMPを使用しない魔法だが、特殊剣の説明にある通り代償があるのだ。
そしてその代償が不愉快な感覚だ。
「こんなのどうしろって…」
不愉快感に耐え【オーラ】を発動すれば強力な剣となる。
しかし不愉快感が嫌で【オーラ】を発動しなければその剣は鈍刀と同等の性能になってしまう。
マナは今【オーラ】を発動するかしないかという葛藤に苦しんでいる。
「仕方ない…。もう一度…。【オーラ】!」
不愉快感には耐えられたが、非常に気持ち悪い感覚に襲われている。
だが、今回は【オーラ】を維持出来ていた。
それを証するように黒剣に小さな白い光が纏い、視界左上に小さく『魔力放出量/9%』と表示されていた。
「ちゃんと使えてる…。はぁ、やっとスライム討伐が始められる…」