4 フィールドイン
前回よりは長いです
「水の音…。噴水?」
目を開くと噴水の前に立っていた。
そして、周囲を見渡すと建物がいっぱい立っていた。
中には建設中の建物もあった。
「一先ずギルドに行かなきゃ」
真治曰く、
「ログイン出来たらギルドに行くっす。ギルドは一番大きな建物っす」
と。
「大きな建物がギルド…、あれかな?」
かなり長い橋の向こうに小さな島があり、そこには大きな建物が立っていた。
恐らくあの建物が真治の言っていた建物だろう。
ただ、確信をした訳ではないのでそこら辺にいるプレイヤーに聞いてみる事にした。
「すみません…」
「何すか?」
話しかけてみたプレイヤーはどっかの誰かに似た口調の人だった。
「ギルドってあそこでいいんですか…?」
マナはあの大きな建物を指差した。
「そっすよ」
疑問は確信へと変わった。
「教えてくれてありがとうございます。それでは…」
マナは足早にギルドへと向かった。
一方男性プレイヤーは…。
「初期装備って事はさっき入ってきたばっかなんすかね。それにしても可愛かったっすね。特に胸が…、何考えてんすか俺はっ!」
自分を殴っていた。
「おぉ、近くで見るとより迫力があるなぁ。後で写真撮れたら撮ろっかなーなんて」
独り言を言いながらギルドに入った。
「おぉ……」
中に入ると沢山の人がいた。
色々な施設も入っていた。
例えばインフォメーションやクエストといったゲームならではというような施設と、カフェや図書館といった普段なら行かないような施設がギルドの中に入っていた。
「で、どうすればいいんだっけ」
困った事に真治からは大きな建物を探せとは言われた。
だが、その後どうするかは言っていなかったのだ。
「ん-、ん-…、あっ」
髪をかき乱したり、歩いては止まり歩いては止まりを繰り返していると、たまたまインフォメーションに立っていた女性と目が合ってしまった。
ここで立ち去るのは失礼だと思い渋々その女性の方に行き、事情を話した。
「何をすればいいか、ですか?新入りさんでしたらプレイヤーカードを作って下さい!場所はここから右に曲がった所にありますよ!」
「あ、ありがとうございます」
「困った事があったらいつでも来てくださいね!」
「ここまで教えてくれればなー」
若干真治を恨みながら『プレイヤーカード』と書かれている場所まで行った。
パネルに『プレイヤーカード』と書いてあるので、ここでプレイヤーカードが作れるのだろう。
「おぉ…?」
まぁまだ二日目というもの。
受付は5レーンもあるが、その5レーン全てがかなり混雑していたのだ。
「気長に待とっかな」
と呟きながら並んだが、割と直ぐに順番が来たようだ。
「カードの作成お願いします…」
「ステータスの提示をお願いします」
特に何も起きなかったので20秒かかるかかからないかぐらいで終わった。
「こんなに早く作れるなら順番が早く回ってくるのも必然かな、と?」
青の十字が光っているのに気付いた。
確認するとフレンドと通知の間にプレイヤーカードが増えている事が分かった。
開いてみると
マナ Lv1 Exp0/30
称号【――】
と表示されていた。
「ステータスには経験値書いてないのに…」
プレイヤーカードを作ったはいいが何をすればいいのかが全く分からないのでインフォメーションに行ってみる事にした。
「あっ、先程の!」
「ど、どうも」
「問題なくプレイヤーカードを作れたんですね!」
受付嬢の問いに軽く頷いて答えた。
「今はこれから何しようかなーって考えてるところです」
「これから何するか…、ですか。そうですね。クエストとかどうです?」
と言って『プレイヤーカード』とは逆の方向を指差す。
「新入りさん向けのクエストがいくつかあるのでやってみるといいですよ!あっ、あと一番最初にやるクエストもあるのでそちらからお願いしますね!」
「ありがとうございます。では行ってきますね」
「お気をつけて!」
という訳で『クエスト』の場所にあるクエスト掲示板を見ているのだが。
「ビギナークエストだけでこんなに…。それで一番最初にやるクエストは…、これかな」
一つだけ初心者マークカラーになっているクエストがあった。
内容は『スライム討伐(15体)』といったものだった。
報酬は何も書かれていなかったが、その代わりに『クエスト終了後受付へ』と書かれていた。
内容の確認をし終わったところでこのクエストの受諾ボタンに触れた。