プロローグ
変身ヒーロー物語!
基本はただのギャグですが、とっきどき思い出したようにシリアスを入れてくるかもしれません。
宜しければ、感想・評価お待ちしております。
――ヒーロー
あなたはこの言葉を聞いてどんな姿を想像しますか。
蝙蝠のコスチュームに身を包んだ大金持ち?
誰よりも不運だけど変身すれば誰よりも幸運になれる男?
蜘蛛のように壁にひっつく全身タイツ?
五人組の戦隊モノ?
どんな的でも一発でKOしてしまうマントの男?
未来の道具で夢を叶えてくれる青色のロボット?
たとえどのような姿であろうとも、その身に宿った心に正直な彼らの生き様はなによりも美しい。
時には傷つき、立ち止まってしまうことがあったとしても、最後には再び一歩前へ踏み出していく。その身に正義の心がある限り、彼らを止めれるものは存在しないのだ。
これから語るは、為すべきを為さんがために懸命にひた走る一人の青年の物語。
彼もまた、その身がどうなろうとも己の心に正直に生きた一人の人間であった。
「そこまでだ! ダークエンジェル!!」
「はっはーッ! 来たわねお邪魔虫ィ!」
「今日こそお前を倒し、警察に突き出してやるッ!」
「抜かしな、こっちこそあんたをぶっ飛ばしてそのセンスのないサングラスの下の顔をSNSにアップしてやるよ!」
「減らず口をッ!」
「叩くなってか? それは無理な話さ!」
「変! 身!!」
「なんてったって!!」
「ウホホ、ウホ、ウホホホ!」
「あんた、変身したらウホウホしか言わないんだもん……」
「ウホォォォオ!!」
「だから分からないって……」
……。
ああ、言ったさ。
どのような姿になろうとも、俺はやってやると。必ず叶えてみせると誓ったさ。
でも。
でもさ。
変身した姿が、ゴリラってのはあまりにもあんまりじゃないか?