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01 同棲スタート

僕には彼女が2人いる。

と、言っても二股をかけているわけじゃない。

付き合っているのは1人だ。そして2人だ。


こんな訳の分からない状況になったのは2週間前。大学が夏休みに入って少し経ってからだ。



まず初めに、僕の彼女は朝が弱かった。驚くほどに。


大学に入って一人暮らしをしてからは、1限の講義の単位をとるのに苦労していた。

だから、僕達は夏休みに入るのをきっかけに一緒に暮らすことにした。


まずは親にも内緒で、夏休みの2ヶ月の間だけ。

話を持ちかけた時から彼女の家に荷物を運ぶまで、ずっとドキドキしっぱなしだった…今もしてる。



夏休み初日、僕は2ヶ月分の荷物を彼女の家に運び込んだ。


大きめのボストンバッグ1つ分だったので、そう苦労することもなかったし、荷物もまとめておいたからすぐに済んだ。


その日は、そのまま彼女とお揃いの食器や俺の服を入れておく衣装ケース、俺用の布団とかを買いに出かけた。


新婚みたいでドキドキしたのをよく覚えてる。



それから、彼女の家に帰って、荷物を片付けて、一緒に夕飯を食べた。


僕の好物のチキン南蛮だったんだけど、彼女は料理が得意だから、本当に美味しかった。


僕も少しは料理できるようにならないと…



それぞれ風呂に入って、少し話した後にこの日はもう寝ることにした。

1DKだから、ダイニングに布団を敷かせてもらうことになった。


この日は、引っ越しに加えて買い出しもしたから結構疲れてたんだ。


多分、ここまでが何もなかった「普通の」同棲生活ってやつだと思う。



――――――――――



次の日、一緒に暮らし始めて最初の朝を迎えた。


僕は中高で部活の朝練とかもしてたから、朝はわりと強い方だと思う。


携帯のアラーム機能で十分起きることができるし、二度寝もしない。

(だからこそ、一緒に暮らすために「僕が毎朝起こすよ」って口説いたんだけど)



簡単な朝ごはんとして、食パンを焼いてコーヒーを入れた。今度、彼女がいない時に目玉焼きをこっそり練習しようと思う。


朝ご飯を机に並べたら、そのまま彼女の部屋に行く。



コンコン

軽くノックをして彼女に声をかける。

返事はない。もちろん想定内だ。


コンコン

もう一度ノックをし、声をかけてから部屋に入る。


彼女は寝顔を見られるのを嫌うからカーテンは開けず、そのままにして彼女の足元に近づいた。

彼女の名前を呼んで軽く体をゆする。


「────」


彼女が僕の名前を呼んでゆっくりと目を開いた。


「おはよう。朝ごはんできてるよ」


彼女がにっこりと笑ってお礼を言う。



部屋を出て、先に席についてニュースを見る。

一つの事件の話が終わる頃に彼女が部屋を出てきて洗面所に向かった。


しばらくして着替えた彼女が席について、挨拶とお礼を言う。

僕も微笑み返して朝ご飯を一緒に食べる。


こんな日常がこれから続くと思っていた。

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