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8/9

◇10月14日(日) 午前8時51分

 ◇ ◇ ◇


「やっほー!」


 少女が元気よく、幼馴染の部屋に入っていく。

 今日はだいぶ冷え込んだ。薄い布団のままで風邪をひいたりしていないだろうか。

 そんなことを思いながら戸を開けた彼女は、盛り上がっていない(・・・・・・・・・)布団を見て短くため息をついた。


「って……なぁんだ」


 少し寂しそうな顔をした彼女は、ぽすっと幼馴染のベッドに倒れ込んだ。


「別に、教えてくれてもいいのになあ……」


 ◇ ◇ ◇


 休日に彼が出かけるのは、よくあることだ。

 そして、半分くらいの確率で、幼馴染に何も伝えずに出て行ってしまう。まあ、彼女といたところで特に何をするでもなくだらだらするだけだから、ある意味当然ではあるが。


◇◇◇◇:ねえ

◇◇◇◇:今日はどこ行ってるの?


 だからといって、言わなくていいとは言ってない。これが彼女の言い分だった。

 彼女はメッセージアプリを起動した。返事はすぐに返ってくる。


◆◆◆◆:お

◆◆◆◆:やっと俺のベッドがもぬけの殻なことに気付いたか

◇◇◇◇:遅くて悪かったわね

◇◇◇◇:……あんた、起きれるなら普段からしゃきっとしなさいよ


 ちなみにこのやり取り、幾度となく繰り返されてきている。


◆◆◆◆:えー

◆◆◆◆:学校だるいし

◇◇◇◇:いや、私だってだるいわ

◆◆◆◆:一緒にずる休みする?

◇◇◇◇:それはやだなあ


 まだベッドの上でスマホを覗いていた彼女は、ふふっと笑って本題に入った。


◇◇◇◇:で。今日はどうしたの?デート?

◆◆◆◆:いやあの

◆◆◆◆:相手いないの知ってるだろ?


 本当にデートだとしても、ちょっと早すぎる時間ではある。


◇◇◇◇:いい加減さっさと彼女作りなさいよ

◆◆◆◆:そんな簡単にできたら苦労しねえよ

◇◇◇◇:で?

◆◆◆◆:今日はクイズ

◇◇◇◇:なるほど


 男の趣味はクイズであった。テレビとかでよくやってるような、早押しクイズを実際にやっちゃうのだ。


◇◇◇◇:どうせまたすぐ負けるんでしょう

◆◆◆◆:うるせえ

◆◆◆◆:今日は負けとかない奴だから

◆◆◆◆:答えられるやつだけ答えるよ

◇◇◇◇:あら残念

◆◆◆◆:いや、ちょ


 画面越しに幼馴染をいじって、少女はまた、ふふっと笑みをこぼす。


◇◇◇◇:まあでも

◇◇◇◇:がんばんなさいよ

◆◆◆◆:おう

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