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人外と少女の日常。  作者: はるひ
3/5

人外と少女の今後。



ぼくの家にこいつが来てから1週間が経った。

1週間の間でこいつもだいぶ慣れてきたのか、夜も眠りにつくまでが短くなってきたように感じる。まだ気のせいかもしれないが。


こいつを見ていて、分かったこと。

1つは物事をあまり知らないということ。

まぁ、目も悪いみたいだから本なんかも読めなかったせいだとは思うが、考え方も5歳くらいで止まっているように思う。


あともうひとつはこれだ。



「………………」


じーーーーー。


「………ガタッ」


「ガタガタっ!!!!!」


こいつはいつもぼくをじーっと見つめている。見えていないはずなのに、なぜか穴が開きそうなほどこちらをあの赤い目で見てくるのだ。

どこかに移動しようとすると、決まってこいつも着いてこようとするが、慌てているため、感覚が分かっておらず、いつも何かしら怪我を負っているように感じる。




「…はぁ。危ないから座っていろっていってるだろ。茶を取りに行くだけだ。」


そう言ってもこいつはぼくの後ろをついてくる。



初めてこれをやられた時は思いっきり怒鳴ってしまった。


「……(掃除でもするか)……がた」


「!!!!?!?あ、、、ガタガタガタ!」


「おい?!なにやってるんだこのばか!」


「あ、、、ごめんなさい…」


「思いっきり手打っただろ!腫れてるじゃないか!!いきなり立ち上がるからだこの大バカ!」



そう言うと落ち込んだのか、それから3日は立ち上がろうとはしなかった。

その代わりにぼくの一挙手一投足に全身全霊をかけて見つめ続けて、夜も眠らずに見つめようとしていたため、3日目でぼくが折れざるを得なかったのだ。



こいつはいつも、ぼくの予想とはななめ方向へ進んでいる。

いつ食べるんですか?と聞かれた時には焦りまくった。ぼくは竜人だが、人を食べる訳ではない。(ホンモノの竜なんかにあったことがないから食べるかどうかは知らないが食べようなんて気はさらさらない。)

とりあえず食べごろになったら、と答えておいた。そうでなくてもこいつはガリガリで小さいのだ。傷もあって美味しそうなんて一切の欠片もないのだから。


せめてこいつが普通のヒトらしくなった頃。こいつがまともな知識を得て、ぼくをバケモノと怖がりだした頃。人里に持って行ってやろう。


ぼくのこの、醜い身体をすてきだと言うこいつはまともじゃないのだから。





とりあえずまずは、ホットミルクで火傷しているこいつに飲み方を教えるところから始めようか。







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