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アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~  作者: ma-no
第二十四章 アメリカ大陸編其の三 南米で遺跡発掘にゃ~

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699 男のロマンにゃ~


 三者会談が終わったら、マチュピチュの出席者もクスコの出席者も涙目。猫の国の取り分が膨大だと思っているようだ。

 ちなみに、わしが要求した物は、金銀財宝。服や工芸品。作物や獣で恒常的に支払える物。それが無いなら人的資源だ。


「にゃにがあるかわからにゃいから、次までに集めろと言っただけにゃろ~。三ツ鳥居って、うちでもめちゃくちゃ高いんだからにゃ~」


 本当はまだ決めていないのに、全て奪われるのではないかと心配しているだけだ。それと、払わないと潰されると確信しているので厄介だ。


「あと、女はいらないからにゃ? 頭のいい人を留学生にしてにゃ? 振りじゃないからにゃ? わし、愛妻家にゃから、マジでやめてにゃ~~~!!」


 コソコソと何か喋っているから念話で盗み聞きしてやったら、人的資源は女性だと結論付けていたので、わしは必死に止める。

 こんな事を勝手に忖度(そんたく)されたらわしが殺されるから当然だ。もうここは、猫の国料理をタダで食わし、わしの懐の広いところを見せるのであった。



 夕食には少し早かったが、リータ達が戻って来たら正式なディナー。しばらく見なかったから何をして来たのかと聞いたら、アルパカを撫でて来たらしい。

 唾を掛けられる心配があったが、近付く前にリータ達が殺気を放ったら、従順なペットになったそうだ……


 まぁ遠くに行くよりマシなので、怒るような事ではない。アルパカの(つがい)を貰える事になったと教えてあげたら、めっちゃ褒めてくれた。

 ただ、イサベレもお土産にアルパカが欲しいらしいので、理由を聞いたらさっちゃんと女王が喜びそうだからとのこと。女王は置いておいて、さっちゃんには確かにあげたほうがいいかと思い、クスコ側のアルパカを送ることにした。


 これで、マチュピチュでやることも終わったのだが、今日はここで一泊。カパック達もマチュピチュ観光がしたいらしい……

 まぁわし達も一日しか観光してないので、次の日はわしだけ付き合う。リータ達は知らんがな。狩りにでも向かったのだろう。


 そうして夕方頃に三ツ鳥居の前で使い方講座を開いていたら、リータ達も戻って来たので、クシと別れの挨拶をする。


「そんじゃあ、国に帰る前には顔を出すからにゃ。たぶん十日ぐらいは時間があるからその時までに、最低、アルパカと留学生だけは用意しておいてくれにゃ」

「はい……出来るだけシラタマ様の意向に沿うような品を用意しておきます……」

「だから見本って言ってるにゃろ~。マチュピチュもこれから発展するように協力するから、頑張って行こうにゃ~。ほにゃ、カパック達も別れの挨拶しておいてにゃ~」


 リータとメイバイに呼び出されたわしは、クシの暗い顔の説明。商品になる見本を用意するように言っただけで、なんか怖がられていると説明したら撫でてくれた。

 さすがはわしの妻。わしの本心を完璧に理解してくれている。


 そうこうしていたらカパック達の別れの挨拶も終わったので、わし達は三ツ鳥居を潜ってクスコに移動したのであった。



 この日はもう日が暮れるので、クスコで一泊。夜の会食で別れの挨拶。またカパック達が暗い顔をしていたので、リータ達がわしの擁護をしてくれたが、猫の国入りの話をするからさらに暗くなるんじゃ……

 やはり自分で擁護して、高く売れそうな物があれば借金も早く返せるし、その後はクスコが潤うと説明したら、やっと笑顔を見せてくれた。


 だから、猫の国入りの話はやめてよね~?


 最終的には、カパック達はわしへの評価は好印象と悪印象の半々となり、もう少し様子を見るように決定していたのであったとさ。



 その翌日は、朝早くに出発。見送りはいいと言ったのに、カパックと数人が来てしまったので、簡単な挨拶ぐらいはしないといけないだろう。


「マチュピチュでも言ったけど、アルパカと留学生だけはよろしくにゃ? 見本はいいのがあったらわしが売って、取り分は渡すからにゃ?」

「はあ……シラタマ様は信じようと思うのですが……」

「リータ達も悪気があって言ってたんじゃないにゃ。わしが他の部族が困っていたら助けていたから、よかれと思って言ってただけにゃ。そっちが絶対に入りたくないという意思を貫いてくれたら大丈夫だからにゃ?」

「よくわかりませんが……はあ」


 たしかに国土を増やせるチャンスに王様一人だけが大反対している姿はよくわからないだろうが、これはわしの本心なので伝わっていると信じよう。


「それじゃあ、十日以内には顔を出すからにゃ。三ツ鳥居の補充はよろしくにゃ~。いってきにゃ~す」


 こうしてカパック達に見送られ、わし達を乗せた戦闘機は離陸するのであった。



 戦闘機は時の賢者を追ってブラジルに向かうと見せて南西に飛び、すぐに目的地に着いたと思われる。


「なんで東じゃないんですか?」

「ちょっと寄り道にゃ~。真下を見て、にゃんか見えないかにゃ?」

「何かってなんニャー?」


 リータとメイバイはわしの行動に不満があるようだが、床に取り付けてある窓から地上を見たら意見が変わった。


「鳥……鳥みたいな絵が描かれてますよ?」

「猫みたいのもあるニャー!」

「にゃはは。やっぱりあったにゃ。ここはナスカの地上絵にゃ~」


 そう。わしが寄り道したのは、ナスカの地上絵が見たかったから。旋回して写真を撮らせ、皆が一通り見たらコリスとオニヒメに操縦を変わってもらい、わしも窓に張り付く。


 おお~。初めて見た……感動じゃ~。ここは乾燥地帯じゃから、人が住むのは難しかったのじゃろう。したがって、大戦に巻き込まれなかったんじゃな。

 人の手も入っていないし、完璧な形で残っているはずじゃ。前世では、道路とか作られていたから、消えていた絵もあったかもしれん。

 猫の国に帰ったらべティにも写真を見せて、新発見を探してみよっと。


 空からの観光を終えると地上に降りて、皆で絵を探してみる。


「あれ? 絵なんてありませんよ??」

「上からはハッキリ見えたのに、なんでニャー?」

「それは、おっきいからにゃ~」

「「「「「にゃ~~~??」」」」」


 わしがドヤ顔で答えを言っても伝わらないようなので、もうちょっと詳しく説明してみる。


「さっきはだいたい500メートルぐらいの高さで飛んでたんにゃ。その高度から見たら猫の街だって、二重のわっかに見えたにゃろ?」

「はい……あ、なるほど。遠くからしか見えない絵なんですか」

「その通りにゃ。ちにゃみにこの(くぼ)みが、鳥に見えていた線にゃ~」


 リータが正解を言ったところで、少し窪んで色が変わっている地面をわしが指差すと、皆が覗き込む。


「こんなのが絵になるなんて信じられないニャー」

「だにゃ。元の世界でもまったく気付かずに、にゃん百年も過ごしていたんにゃ」

「そりゃ、空でも飛ばなきゃ無理ニャー」


 メイバイの驚きの理由に答えていたら、オニヒメも気になる事があるようだ。


「これって、どうやって描いたの?」

「にゃ!? そこに気付くとは、オニヒメは天才にゃ~!!」

「え? そんなに凄いことなの??」

「だって、わしの世界でも、誰一人わからなかったんにゃも~ん」

「ちょっとパパ。それじゃあ答えになってないよ」


 オニヒメが頬を膨らませるので、わしも困ってしまう。


「さっきメイバイも言ってたにゃろ? 空から見て指示を出さないと、こんにゃ正確な絵を描くにゃんて無理なんにゃ。この絵が描かれたのはおよそ二千年前……古代の人は、空を飛べたと思うにゃ?」

「う~ん……パパぐらいしか飛んでないから無理っぽい」

「にゃ~? 元の世界では、宇宙人が描いたんじゃないかとも言われているんにゃ~」


 わしがロマンを語ると、皆の目が変わった。


「また宇宙人ですか……」

「その宇宙人はどこに居るニャー?」

「見たことあるの?」


 リータ、メイバイ、オニヒメはわしを信じない目。


「ダーリンは宇宙には空気が無いと言った」

「うちゅうじんって、おいしいの~?」


 イサベレはわしの引用で論破。コリスは食べ物目線。


「百年生きたけど、一向に現れにゃかったけど~~~!!」


 そんな目で見られては、わしも真実を話さないといけないのであったとさ。



 わしのロマンが打ち砕かれたら、戦闘機は空を行く。


 「宇宙猫」略して「スペースキャット」って……もう日本語を英語にしただけですよね? ……英語圏の逆転!?


 わしがツッコんだらなんだか楽しそうにする皆を乗せてブッ飛ばせば、コリスがそわそわして来たので、アマゾンに着陸。

 皆には降りるなと注意してから地面を凍らして、氷の飲食ブースを作っていたら、コリスにやっぱり噛まれた。ランチの時間に、もう一歩遅かったようだ。

 なんとかかんとかランチをする場所を作ったら皆を降ろし、楽しいランチだ。


「こんなことをしなくても、魔道具で適温ですよ?」

「無駄なことするから、コリスちゃんが我慢できなかったんニャー」


 わしの意図は意味不明なので、リータとメイバイの質問。わしはモグモグしながら説明する。


「アマゾンはちょっと危険なんにゃ。モグモグ」

「どこが? ぜんぜん強そうな生き物はいない」

「イサベレの危険察知に引っ掛からないんにゃ……モグモグ」

「ひょっとして……放射能があるの??」


 アマゾンは緑豊かなのでイサベレは違う危険を示唆するが、わしはモグモグしながら首を横に振る。


「ダニ、アリ、クモ、サソリにゃ……どれも毒を持つ生き物にゃ。ヒルにゃんかも血を吸うから寄生虫が怖いにゃ。一発アウトじゃないし、小さいから危険察知に引っ掛からないのかにゃ?」

「そうなの? 大蟻なら余裕なのに……」

「あれはおっきいにゃ~。ここのアリにゃんて、米粒大のサイズを利用して獣を覆うぐらい集まって食べるんにゃよ? デカイだけが危険にゃ生き物じゃないんにゃ~」

「うっ……それは気持ち悪い……」


 わしも想像してモグモグが止まると、リータも危険を感じ取ってくれた。


「その危険な生き物は、寒さに弱いってことですか?」

「たぶんにゃ。だいたい日ノ本の冬は越せないってなってるから、冷やしておいたら近付いて来ないと思うにゃ」

「なるほど……ここでの狩りはやめたほうがよさそうですね」

「にゃ? ヘラクレスオオカブトムシを捕まえたかったんにゃけど……」


 わしが男のロマンを語ると、メイバイの目が怖くなる。


「それって前にも言ってたけど、ハンターギルドで高く売れるニャー?」

「たぶんにゃ……珍しいしにゃ……」

「ちなみに大きさはどれぐらいニャー??」

「えっと……拳大ぐらいですにゃ……」

「ここでの狩りは無しニャー!」

「そんにゃ~~~」


 またしても男のロマンは通じず、ランチを食べたら皆は戦闘機に乗ってしまったのであった。


「コリス~? 美味しい果物、一緒に探そうにゃ~??」

「お姉ちゃん、寝ちゃったよ」


 コリスを味方に付けようと思ったのに、寝ていては仕方がない。オニヒメにも早く乗れと言われて、わしはトボトボ戦闘機に乗り込むのであったとさ。



 それからも戦闘機はブッ飛び、黒い森がなかなか見付からないと皆がボヤいていたらイサベレがストップを掛ける。


「止まって!」

「無理にゃ~」

「じゃあ、進路をどっちでもいいから!!」


 イサベレが焦っていても、戦闘機は急には止まれない。しかし、イサベレの焦りは危険の象徴なので、わしは出来るだけ進路を戻そうと戦闘機を傾ける。


「「「「「キャーーー!!」」」」」


 その刹那、戦闘機に衝撃が走り、皆の悲鳴があがった。


「にゃっきしょ~~~!!」


 この戦闘機は、ヤマタノオロチの鱗に覆われた特別製。雷のような物が翼にかすっても破損はない。

 しかし、小型機に衝撃を加えられると飛行がままならないので、何ヵ所も付いている噴出孔から風魔法を噴出させてなんとか反転した。


「また来る。高度を落として」

「オッケーにゃ~」


 今度は余裕があったので、尻尾を巻いてスタコラさっさ。高度を一気に落として、逃げて行くのであった。



「ふぅ~……二発だけかにゃ?」

「ん。攻撃範囲は出た」

「じゃあ、にゃにが攻撃して来たか確認してみるにゃ。また危にゃくなったらよろしくにゃ~」


 イサベレから危険の有無を確認したら、グングン上昇しながら反転。危険地帯に戻る。


「さっき、白い森にゃんてあったかにゃ?」

「いえ……私は見てません。皆さんはどうですか?」


 前方には白い森も黒い森もわしは気付かなかったので、リータは皆からも意見を聞いたら見ていないとのこと。


「にゃにが攻撃して来たんにゃろ?」

「四神のような獣でしょうか?」

「あ、アレ。白いけど違うかニャー??」


 わし達が獣について話し合っていたら、メイバイが何かに気付いたので指差した物を双眼鏡で見る。


「白い……建物ですかね?」

「にゃ、にゃんであんにゃ物が……」

「シラタマ殿は何かわかるニャー?」


 わしは目に映る物を驚愕の表情で見ていたが、頭をブンブン振って気を取り直して叫ぶ。


「にゃんでアマゾンにピラミッドがあるんにゃ~~~!!」


 突如、鬱蒼(うっそう)とした森の中に、真っ白な三角錐のピラミッドが姿を現したのであった……


いつもよりちょっと短くなってしまいましたがキリがいいので、これにて二十四章のおしまい。

プロローグを入れて、ちょうど七百話。これもキリがE~!


……そんなに書いちゃいましたか。

長々とお付き合いいただき、本当に有り難う御座いますm(__)m

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