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アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~  作者: ma-no
第二十四章 アメリカ大陸編其の三 南米で遺跡発掘にゃ~
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678 合同軍事演習1にゃ~


「「ズルイにゃ~」」


 徳川家康が超人ゴルフ大会で優勝したその日の祝賀パーティで、わしと玉藻は「にゃ~にゃ~」文句。

 いちおう家康がどうやって優勝をもぎ取ったかと言うと、一位だった東の国の王のオッサンを得意の魔法でジリジリ追い詰め、シーソーゲームに持ち込み、最後の18番ホールでわしのマネをしたホールインワンで締めた。

 その力加減が絶妙で、観客は大いに盛り上がり、大歓声のまま『第一回超人ゴルフ大会』は終了したのだ。


「ポンポコポン。力では劣るが、(ここ)では(わし)のほうが上だったようじゃのう」

「「ぐぬぬぬぬ……」」


 たしかに策略では負けたが、あのまま続けていたら確実にわしが優勝していたので、恨めしい。


「そちじゃないじゃろ! (わらわ)が優勝していたはずじゃ!!」

「いまは喧嘩している場合じゃないにゃろ!」


 玉藻も恨めしく家康を見ていたのに、わしがボソッと呟いた言葉で恨みの相手がわしに変わって「にゃ~にゃ~」喧嘩。なので、リータとメイバイに止められるわし達であった。



「てか、にゃんでご老公がこんにゃところに居るにゃ?」

「いまさらか……」


 ホントいまさらだけど、退場問題でわしは苛立っていたから、やっと落ち着いた夜のパーティの場でしか聞けなかったのだ。


 その理由は、家康も西の地を旅していたからとのこと。家康はわしが留守の間に猫の国にやって来て、双子王女から受け取った推薦状を持って猫穴温泉にあるハンターギルドでハンターになったそうだ。

 これは、前もってわしが相談されていたから、双子王女に推薦状を預けていたので、すんなりとCランクハンターの身分証を手に入れたのだ。


 その後、南と西、どちらに行くか悩んだ家康は、夏場の暑い時期に南に行くのを避けて、西の地を一人で回っていたらしい。

 玉藻にもどういう足取りで回っていたのかと聞いたら、奇跡的に二人が鉢合わないコースを回っていたので、お互い同じ地に居たとは知らなかったそうだ。



「まさかこれほど世界が広いとは思っておらなんだ。見る所が多すぎて、日ノ本一周より時間が掛かっておるぞ」


 家康まで玉藻と同じ感想を持っていたので、わしは世界の広さを教えてあげる。


「玉藻にも言ったんにゃけど、ご老公の見た世界にゃんて極一部にゃ。ま、人の住める土地が少ないから、見て回れる所は少にゃくなるんにゃけどにゃ」

「ほう……そのような地を回るのも面白いかもしれんな。黒い森を平定するのも面白そうじゃ」

「一人じゃ生きて帰れないにゃ~」


 家康が獣が渦巻く群雄割拠の戦国時代に飛び込もうとするのでわしは止めるが、玉藻まで面白そうとか言い出した。


「確かに黒い森には強い獣がおるから、戦っていれば自然と強くなれそうじゃな」

「だから一人じゃ危ないにゃ~」

「では、そちが付き合ってくれ」

「いやいや、儂に付き合ってくれんか?」

「わしにはリータ達が居るから無理にゃ~!」


 最強チームでイギリスやエジプトを目指せばかなり楽が出来ると思うが、こいつらは絶対に空なんて飛んでくれないと思う。だって戦うのが目的だから、地上しか攻めてくれないだろう。

 リータ達も二人にわしを取られないように抱いて離してくれないので、ここは脅しのつもりでサンダーバードや四神の説明で止める。


「「おお……こんな色の生き物が居るのか……」」

「言っておくけど、金と白銀の生き物には絶対に手を出すにゃ。わしの十倍も強い奴も居るから、下手したらあっと言う間に殺されるんだからにゃ」

「なのにそちは生きて戻ったと……」

「にゃんとか話が通じたからにゃ。わしは戦いに行ったわけじゃないから見逃されたんにゃ」

下手(したて)に出れば、見ることは可能ってことか……」

「マジでやめておけにゃ~」


 脅しているのに二人は興味津々。やはりバトルジャンキーは面倒臭いと思うわしであったが、べティが触れてはならないところに触れてしまう。


「てか、そんなに強いなら、二人でパーティを組めばいいんじゃないですか?」

「べティ! シーーーッにゃ!!」

「へ??」

「「こいつと~~~??」」

「あわわわわ」


 狐狸(けんえん)の仲は継続中。玉藻と家康は殺気を漏らして睨み合うので、わしはべティを担いで離れる。


「し、死ぬかと思った……」

「変にゃ知識を入れたかと思ったけど、仲が悪くて助かったにゃ~」

「あの二人って、そんなに仲が悪いの?」

「関ヶ原ではバチバチだったにゃ。ま、あの調子にゃら、無理して黒い森に入らないにゃろ」

「仲良さそうに見えたのに……」

「喧嘩ににゃったらこの国が滅びそうにゃし、仲を取り持って来るにゃ~」

「なんかシラタマ君って、中間管理職みたいね」


 べティにからかわれても、こんな生体兵器を野放しにしておけないので、わしは玉藻と家康を接待。うまい物を出し、二人にお酌して、この日はしこたま飲んで朝を迎えるのであった。


「「「「「くさいにゃ~」」」」」

「酒くさっ! うっ……酔いそうだからどっか行って!!」


 そして、猫ファミリーだけじゃなく、べティにも嫌われるわしであったとさ。



 この日は二日酔いで動けず、三人で昼過ぎまで爆睡。リータ達はべティを観光に連れ出してくれたようだ。

 それからリータ達にお小言を言われ、王のオッサンから言伝があったので聞き、玉藻と家康とはここでお別れ。まだ西の地観光が終わってないようなので、わし達は帰宅。二人は明日、別々の方向に旅立つそうだ。



 それからもお昼寝したり働いたりしていたら、東の国の軍隊が猫の街にやって来た。これは別に攻めて来たわけではなく、かなり前に約束していた両国の軍事演習なので、友好的に招き入れたのだ。

 聞いたところ軍事演習は世界初なので、どの国もやった事が無かったから、各種調整でめちゃくちゃ時間が掛かったそうだ。

 他国への根回し、自国の貴族への根回し、ハンターギルドへの手配等々。まぁ王のオッサンが言い出した事なので、わしはしらんがな。猫の国側もウンチョウに任せていたので、どんな苦労があったかまったく知らない。


 その東軍を統括しているのが、王のオッサン。イサベレとオンニもやって来ている。

 ちなみにそんなスリートップ揃い踏みでやって来ていいものなのかと聞いてみたら、兵の裾野は広いし、エルフのリンリーが城の守護を務めてくれているから大丈夫だそうだ。

 リンリーの話題が出たので、オンニにも「最近リンリーとどうだ?」と聞いてみたら、顔を真っ赤にして教えてくれない。ただ、早く帰りたそうにしていたから、けっこう進んでいるみたいだ。


 でも、二人を題材にした小説の話が出ていないから、まだまだかも?


 猫軍からは、最高責任者の猫耳ウンチョウ、将軍が二人と、いつもの三分の一程度の兵士しか呼んでいない。その代わり、ハンターも三分の一を入れるので、東軍を加えればいつもの大蟻駆除人数と同じになっている。

 そのハンターに、東の国のスティナも後学の為にやりたいと食い込んで来たそうだけど、わしは当日まで知らなかった。オッサンをなんとか口説き落としたそうだが、どうやって口説いたかは聞きたくない。


 たぶん、女を使ったから……あ、毎日お願いに行っただけですか。それでお城で噂になって、OK出すからもう来るな、と……って、絶対わざとオッサンを追い込んでるやん!!


 スティナの裏工作に負けたオッサンの肩をポンッと叩いたわしは、「にゃしゃしゃしゃ」と笑いながら寝室に消えて行くのであったとさ。



 東軍がやって来た二日後、大蟻駆除の作戦会議も終わったので、さっさと軍事演習の開始。前もって調べさせていた大蟻の巣へとキャットトレイン改を走らせる。

 キャットトレイン改が近付けるギリギリまで近付いたら、兵士とハンターを降ろして森を歩く。

 すると、最後尾のわし達の元へ各種報告が入り、穴だらけの地面が見えたら、大蟻がせっせと隊列を組んでいた。


「「「「「うっ……」」」」」


 東軍の誰もが、うじゃうじゃ(うごめ)く大きな蟻の大群に気持ち悪そうにしているが、そんな場合じゃない。


『高々蟻だ! オオカミの大群だと思えば楽勝だ! 隊列を乱すな~~~!!』


 オッサンが怒鳴り、東軍の士気を取り戻していた。しかし、オッサンの命令でも士気を取り戻せない者も居る。


「キモッ!? シラタマ君、たっけて~!!」


 べティだ。東軍がやって来たので「あたしも行く~!」とかわがまま言ってついて来たクセに、わしに助けを求めてやがる。


「わしも気持ち悪いから無理にゃ~」

「はあ!? 何回もやってるんでしょ!!」


 何回もやっているからこそ、気持ち悪さは倍増して行くってものだ。その旨を伝えても、べティはわしにくっついて文句を言い続けるのであったとさ。



 わし達が遊んでいても、両軍は待った無し。オッサンが音声拡張魔道具を握って東軍や猫軍、ハンターを鼓舞している。


『さあ、間もなく開戦だ! 猫軍は何度も撃退している敵だ。我等も遅れを取るでないぞ!!』

「「「「「おお!!」」」」」

『かと言って、先に出過ぎるな! これは両国の戦いである! 東軍、猫軍、ハンター、共に協力して敵を討ち滅ぼそうぞ!!』

「「「「「おお!!」」」」」

『全体、前進~~~!!』

「「「「「おおおお!!」」」」」


 ()くして、東の国と猫の国の連合軍VS大蟻軍との戦闘が始まるのであった。


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