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愛すべきクソ野郎
「あいつは清々しい程に、くそだな!」と人が笑うとき、果たして彼は清々しいのか、それともクソ野郎なのか。
一体どちらであるのかといえば、それはやはり、彼は清々しいのである。
「彼は優しいが、少々面白みにかけるな」と人が言うとき、果たして彼は優しいのか、それとも、つまらないのか。
一体どちらであるのかといえば、それはやはり、彼は当然、つまらない男なのである。
何でもかんでも、美的でありさえすればいいのだ。美的である限りにおいてクソ野郎ならば、悪徳さえも一向、気にはならない。
追記
しかし、ひとたびその美的の範疇を超えてしまうやいなや、悪徳者は、その本来の制裁を受けることになるだろう。ただし、この制裁とは法的な概念を指すのではない。人々が抱く好悪の判断、そのことを指すのである。




