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自動販売機の俺  作者: 黒猫
7/8

7、やっと人間に戻った

う…………ん?

俺は、目覚めた。

自分を見ると、人間だった頃の本来の姿に戻っていた。

不思議な体験だった。

夢だったのかもしれないが、夢じゃないと思うようにしよう。

だって、本当に経験したと思った方がずっと忘れない。

夢の記憶なんてすぐ忘れるからな……。

それに、あいつならこう言うだろう。

自分がその光景を夢だと思えば夢だし、そう思わなければそれは、夢ではないと。

よっしゃ、今日の日付は、何日かな。

そうだよ、日にちが分かれば夢かどうかなんて……。

あれ?

日にちが思い出せない。昨日の日付も思い出せない。

カレンダーを見ても今がいつなのか分からない。

何故だ? 曖昧になっている……。

首を捻っていると、

「蓮、早く大学に行きなさい! 今日は、土曜日だけど講義があるんでしょ!」

母が下から怒鳴っている。

今日は、土曜日なのか……。

じゃあ、昨日は金曜日だったのか?

変だな……。何か不思議な感覚だ。

俺が身支度を済ませ部屋から出ると、リビングには、朝食が準備されてあった。

だが、時間がなかったため急いで玄関へ向かう。

「あんたが、早く起きなかったのが悪いんだからね。はい、これ弁当。」

いつも弁当なんて作らないのに、今日は、どういう風の吹き回しだ?

「俺、学食がいいんだけど?」

「文句ばっかり言わないの。最近、学食ばっかりだったからたまにはと思って作ったのよ。あ、でも飲み物は自分で買ってね。」

「え! 自腹かよ!」

「当たり前でしょ! この前、お婆ちゃんから五〇〇円貰っていたじゃない。」

俺は、渋々母に見送られ家を出た。

だから、あの五〇〇円はゲームソフトに……。

肩を落胆させながら家を出ると、目の前に自動販売機が見えて来た。

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