2、気が付けば人以外の何かでした
夜……。
俺は、明日も早いから寝るかと九時には布団に入っていた。
と言っても、布団に入ってスマホを見ながら眠気が襲ってくるのを待つのだが……。
はぁ……。今日は、何か眠くなってきたな。
……もう寝よう……。おやすみなさい……。
この時、俺が人間以外の何かになるなんて思いもしなかった。
…………ゆっくりと目を開けた。
よし、今から大学に行く準備をするか……。
あれ? ん? え?
辺りを見渡すと、そこは俺がいつも金をまさぐっている自販機周辺の光景だった。
あれ? なんで俺、外にいるの?
寝ぼけてるの?
まだ、パジャマだよね?
あ、これは夢か。夢なんだ。
もう一度寝よう。
でも、なんか体が重いんだよなぁ。
そう思って自分を見てみると。
……え? え? 自動販売機?
なんで?
俺、自販機になっちゃってるよ。どういうこと?
パジャマじゃねぇし。自販機だし。
おいおい、夢だとしてもこれはないって。
何で自販機なんだよ。
確かに人間辞めたいとは言ったけどさ。
俺、人間以外なら鷹がいいって言ったよね?
何聞いてたの?
この世に神がいるとか信じてないけどさ、恨む相手が見つからないから神を恨むわ。
よし、もう一回寝よう。目覚めたら戻ってるだろ。
………チクタクチクタク
目を瞑ってかなり時間が立ったと思う。
また俺は、目覚めた。
だが、自販機のままだった。
あれ、何でもとに戻らないんだよ。
てか、何で目覚めないわけ?
これは、夢じゃないのか?
現実?
うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!
人間辞めたいって言ったけど自販機にはなりたくねぇよ!
体重いし、手とかないから顔かけねぇし。
いや、顔も自販機だからかいても意味ないんだけど。
嘘だろ? これから俺にどうしろと?
一生、自販機でいろと?
それなら、まだ欲に埋もれた人間達に頭下げながら就活した方がましだっつうの!
いやだあああああああああああああ!!!!!!!
そう叫んだところで、今の現状が変わるわけでもない。
叫んだと言っているが、自販機が話せるはずがないので心の声で雄叫びをと思って頂きたい。
……はぁ……とりあえず、叫び疲れたので、ぼーっとすることにした。