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日本男子、異世界に立つ  作者: 忠柚木烈
日本男児の準備
61/154

ミミカカ、日本男児が遠くなる

 アタシはニホコクミを目指す戦士、ミミカカ!


「はぁ………」

 ヤマトーさんとぜんぜん話せてないなぁ、アタシ………。

 もう村にもどってから何日もたってるのに!

 ヤマトーさんはあいかわらず!

 っていうかさいきんのヤマトーさんは考えごとしてる時間が前より多い!


「おい、ミミカカ」

「ん?」

 お父さんだ。


「お前………」

「うん?」

 なんだろ?


「ヤマトー様といっしょに村に戻ってきたな?」

「うん、そうだけど」

 見りゃわかるでしょ?


「ヤマトー様とは…………夫婦になったんじゃないのか?」

「あー………それは」

 ヤマトーさん、村にもどってきたけど、べつにアタシを妻にするためじゃないんだよねぇ………はぁ。

 でも!


「ヤマトーさんはアタシにやさしいし、もうちょっとすれば夫婦になれるかも!たぶん!」

「はぁ………」

 お父さんがあきれたみたいな顔をした!

 すっごいしつれいな!なにその顔!


「お前、ヤマトーさんとは、どこまでやったんだ?」

「やった?」

 やったってなに?

 ヤマトーさんとやったことっていったら、領主様の町の兵士をやっつけてやったぐらい。


「一緒に寝たかって聞いてんだ」

「いっしょ!?」

 やったってそういうこと!?


「どうなんだ?」

「いや、まだ、その………もうちょっと、そう!もうちょっとなの!」

 お父さんの目をまっすぐ見ていう!


「もうちょっとって、お前………旅の間にヤマトーさんとは、何してたんだ?」

 っていうか身内にこういうの聞かれるの、なんかはずかしい。

「えっ、それは………アタシが作ったごはんを食べさせてあげたり!」

「他は?」


「えっと………いっしょに買い物したり!」

「他は?」

 お父さんしつこい!


「えーっと………いっしょに修行、したり」

「はぁ………」

 お父さんにまたため息をつかれた。


「お前………ヤマトーさんとキスはしたか?」

「はっ!?ちょっ、まっ、ばっ!キスとか!」

「やっぱりしてないよなぁ」

 やっぱりってなんだ!

 夢の中だったらしそうになってたし!夢の中でもできなかったけど!


「ふぅ………ミーミが死んでもう何年か………。こういう事を母親から学べなかったのがまずかったか………」

 うっ………お母さんがいたら、どうやったらヤマトーさんがアタシを好きになってくれるか、いっしょに考えれたのかな?


 でも、お母さん死んじゃってるし………お父さんと考える?

 ムリムリ!

 っていうかそんなのイヤだし!


「っていうか、お前、わかってるのか?」

「わかってるって、なにが?」

「あのグララとかいう魔法使いのことだ」

「グララ?グララがなに?」


「ヤマトー様は、お前とほとんど話さず、あの魔法使いと一緒にいるじゃないか」

「うっ………」

 そう、それ!

 なんか村にもどってきてからヤマトーさん、グララにやさしいし!


「で、でも大丈夫だし!」

「大丈夫?」

「前きいてみたとき、ヤマトーさんはグララのことなんて、ぜんぜん気にしてないっていってたし!」


 そうだ!

 イテシツォの町できいたとき、アタシはヤマトーさんの顔をみたし!

 あの「なにいってんだコイツ?」っていうすごいめずらしい顔!

 なんでもしってるヤマトーさんが、ふしぎそうな顔をするのってめずらしい!

 あれはぜったいに素の顔だ!


「なぁ、ミミカカ?」

 けど、お父さんは、なんかやさしそうな、バカにしたみたいな、こまったみたいなへんな顔でアタシを見てた!

「な、なに!?」


「あの魔法使いは美人だ」

「うっ………」

 そう!グララは美人だ!

 だからさいしょあせった!


「しかも、お前より絶対胸がデカい」

「!」

 娘にむかってなんてこというんだこのクソ親父!


「それにな………嘘ぐらい誰だって簡単につくんだ」

「………」

 ………そうだ!

 ちょっと前に教えてもらったばかりだ!


「人が考える事、思う事、あと………感じる事とか?そういうのは、アタシからはわからないんですね!」

「そうそう、そういう事だ。他人が本当に見て、考えて、感じてるかはわからないんだ。俺が赤い物を見て感じる赤色は、ミミカカが見て感じる赤色と、同じかどうかはわからないんだ。それがクオリアだ」


 クオリアだ!

 ヤマトーさんが考えたことは、アタシからは絶対わからないんだ!

 ヤマトーさんはめずらしい顔をして、口できょうみとかぜんぜんないっていっただけで!

 ヤマトーさんがほんとにグララにきょうみがないのかはわからないんだ!


 それに………さいきん、ヤマトーさんのグララへの態度がぜんぜんちがうし!

 グララのことをわらいながらしずかに見てて!

 それでグララにやさしく話しかけて!

 それでそれで………いっしょにいると、()()()()()()()()()()


 このままほっておいたら!?

 あのとき見た夢みたいに、グララがヤマトーさんに抱きついて、アタシのことをばかにした目でみることになる!

 ぜったい許すか、そんなの!


 ヤマトーさんと夫婦になるのはアタシだ!

 そうと決まったらまずやることはひとつ!


 ホマレー流格闘術、ショテー!

 武器なしで相手を殴るときに使う技だ!

 殴るのはグーにしてやればいいと思ってたけど、ちがうって教えてもらった。


「グーで殴るのは、あまり良くない。手首にかなりの負担がかかるんだ。グーで殴る時は手の()()()()を使うが、その部分で殴るには手首を曲げなければならない」

 手のこの部分。なんて名前なんだろ?

 ゆびの1番長いとこ、付け根のとこ。


 たしかに。

 手首を曲げなきゃ殴れない。


「なので殴る時は逆に、指は握らずに開いて、手の平の下の部分をぶつける様に殴ります。手首がしっかり固定されているので、負担がかからず、全力で殴れます。それにこの技は、相手の顎をこうやって………」


 ヤマトーさんがあのときいってたみたいに、ちょっと下から上に向けて殴った!

 むねのこといわれたのは忘れてないぞクソ親父!


「死ねー!」

「え、おっ!?」

 バシン!お父さんがグラッてなって倒れた!

 さらばクソオヤジ!




 失礼なクソオヤジはおいといて。

 ヤマトーさんだ。

 夫婦ってどうやったらなれるの?


 わからないなぁ………。

 わからないことはどうしたらいいか?

 わかる人に聞いてみよう!


 村の夫婦たちにきいてみる?

 ちがう。意味がない。

 クオリアだ!

 ヤマトーさんの妻になる人は、ヤマトーさんにしかわからないんだ!


「ヤマトーさん、妻にしたいのってどんな人?」

 だからヤマトーさんに聞いてみた。

 ヤマトーさんがふしぎそうな顔でアタシを見てた。

 ついでにシャーシャとグララもアタシを見てた。


「なんだ、いきなり?」

「えっと、男ってどんな人を妻にしたいのかなって思って」

「ふむ………まぁミミカカは16だしなぁ。色を知る年齢というやつだな」

 ヤマトーさんがうんうんうなずいてた。

 色ぐらいこどものころから知ってたし!


「相手はどんな奴なんだ?何歳ぐらいとか」

「20っていってました」

「ほぉ!」

 今のはグララだ。


「うむ!そうか!ミミカカ殿が懸想しておるのは20歳の男なのだな!我も協力してやろう!」

 なんか急に元気になったし!

「え………グララが?」

 夫いないよね?


「ふふふふ………我はモテるのだ!」

 うっ!そうだ!

 グララは美人だし………むねがデカい!

 たぶんモテるんだろうなぁ………。


「ほう、グララはモテるのか?」

 ヤマトーさんが、信じられないものを見る目で見てた。

 グララがにやにやした顔でヤマトーさんを見返した。


「そんなに心配する事はないのだヤマトー殿!大丈夫なのだ!」

「大丈夫ねぇ?ならまぁいいんだが」

 きょうみなさそうなヤマトーさん。


「じゃあせっかくだし、モテるらしいグララに、モテる秘訣を聞いてみるか?」

「うむ、我の様になればよいのだ!」

 は?

 みんなでだまった。


「我はモテるのだ!つまり我の様になればモテる!」

「うん、そうか………」

 なんか頭がいたそうな、うんざりした顔のヤマトーさん。


「皆、グララの真似すればモテるらしいぞ。ヨーチェキだ」

「………ヨーチェキ?」

「確認した方がいいよ、という意味の言葉ですよシャーシャちゃん」

 ヤマトーさんが指を3本だけ立てて下に向けながら、手を突き出すへんなポーズをしてる。


「チェケラ!」

「………チェケラ!」

 シャーシャがヤマトーさんの真似した。

 アタシもやった方がいいのかな?


「チェケラ!」

 手を突き出す。

「む?………チェケラ!」

 グララもやった。


「はい、いいチェケラでしたね。では次に移りましょう」

 ヤマトーさんが次の話に行こうとしてる。

「待つのだ!」

 でもグララが反対した。


「なんで流すのだ!絶対にモテる事間違いなしなのに!」

「なんでって、それ………具体的に何をしたらいいんだ」

「ぬ?そんなの………我の様になればよいのだ!」

 グララが自分のむねの下でうでをくんでむねをもちあげた!


 なんだあの自身まんまんの顔!

 ぜんっぶむっかつく!

 グララのあの顔とポーズ見て、シャーシャもむかついた顔してるし!

 ヤマトーさんはあきれた顔してたし!


「いやだから、どうやったらなれるんだよ」

 そうだ!

 どうやったらいいのかわからないこというなし!

「ぬ?我は何もしておらんがこうなったのだ!」

 使えねー!


「という訳で、参考にできないから流した」

「ぬ!」

 なんかくやしそうなグララ。


「さて………シャーシャちゃん、何かいい考えはありますか?」

 ヤマトーさんがグララを無視してシャーシャにきいてみた。

「………あのねあのね、お兄ちゃん?」

「何ですか、シャーシャちゃん?」

 こどものシャーシャにきいてもなぁ………。


「………お兄ちゃんはね、どんな人がね、好きなの?」

 さすがシャーシャ!

 マホショージョだけある!

 天才!すごい!グララとはぜんぜんちがうし!


「僕ですか?あんまり参考にならないと思いますよ?」

 むしろヤマトーさんがわからなかったら、ほかのだれがわかるんだ!

 ヤマトーさんの好きな人とか!

「アタシの村には若い人がいないから!ヤマトーさんの好みって、すごい参考になるんです!」

 ぜったいヤマトーさんの好みを聞くぞ!


「ん?そういえば………」

 でもヤマトーさんがふしぎそうな顔した。

「ここに20歳の男なんていたか?」

 うわ!よけいなこといったし!


「あぁ~、なるほどなぁ」

 なんか「はっはーん!」って顔してる!

「皆まで言うな。わかってるわかってる」

 頭のいいヤマトーさんが気づいた!


 ヤマトーさんにひみつで、好みのタイプになろうとしてるのに!

 バレたらだいなしだし!

 なんかごまかさないと!

 なんか!なんかないの!


「むね!」

「ん?」

 アタシががんばって、出てきたのはむねだった!


「むねはやっぱり、大きい方が好きなんですか?」

 あのクソオヤジもいってたし。

 ヤマトーさんも男だし。

 ………やっぱむねは大きいほうがいいの?


「あぁ、そりゃもちろん………」

 もちろん?もちろんどっちなの!早くおしえて!

「大きい方がいいな、うん」


 グララがうれしそうに手をグってした!

 シャーシャが世界がおわったみたいな顔してた!

 たぶん………アタシもシャーシャとおなじ顔だ!


「胸は最低頭よりでかくないとな。それ以下はないのと一緒だ」

 なんかむちゃくちゃなこと言ってるし!

 あたまより大きいとかむりだし!


「あぁそうそう。もちろんデブは不可だ。腰はくびれてて、だいたい首ぐらい細くないとな」

 しかももっとむちゃくちゃなこといってるし!

 そんな人間いるわけないし!


「まぁ胸とかどうでもいいんだがな!」

「え、どうでもいいんですか?」

 さっきまでむちゃいってたのに急に変わったし!

 でもそれならチャンスあるかも!


「どうでもいいよ。結論から言おう。女は中身だ」

「中身?」

「そう、美人でも性格が最悪な女とは生活できん。逆に不細工でも性格が良いなら生活できる」

「そうなんですか?」


「そうなんですよ………っていうか、妻にしたい相手なんだろ?ずっと一緒にいるって前提だと、美人って利点は途中でなくなるぞ?それに比べて性格は、年をとっても残る利点だ」

 あー、そっか。

 こどもができたらおわるってわけじゃないし。


「若さ以外の強みを身につけるんだ。そうでないと30過ぎた頃には、晴れて何の魅力もない人間になるぞ。という訳で性格が必要条件。他は十分条件」

 へぇー。


「どんな性格だったらいいんですか?」

「無論、数多くのニホコクミの男を魅了した実績のある性格が望ましい」

 ニホコクミを!ってことはヤマトーさんも!?

「どんな性格なんですか?」


「普段はトゲトゲしてるんだが、好きな相手にだけは甘えたりする性格だな」

 んー?

「ほかの人には冷たくて、好きな人には甘えるんですか?」

 なんかそれ、ただのふつうの人じゃ?


「いや違う。なんと不可解な事に、普段は好きな人にもトゲトゲするんだ」

「好きな人にも?」

 好きな人に冷たくするって、ただのへんな人だ!


「そう、そこが特徴で真髄だ。普段はツンツンしてるのに、時々全力でデレデレするんだ。するとその落差が大きくて、甘えた時にいつも以上に可愛く見えるっていう寸法だな」

 おー、なるほど!


「口癖は”別に”とか”~の事なんか全然~じゃないんだから”とか、そっけない台詞が多い。これらにも当然、甘えた時の破壊力を底上げする効果がある」

 口ぐせとか決まってるんだ。へー。


「大事なのはそれらの台詞に混じって、”仕方ないわね”とか”勘違いしないでよね”とか言って、親切な言動が散見される事だな」

 ん?しんせつ?

「トゲトゲしてるんじゃないんですか?」

 さっきの話とちがってる気がする?


「いや、基本的に虚勢を張ってるだけで、本質的には面倒見がいい。そういうところが魅力的なんだ。というか当たり前だが、トゲトゲしてるだけじゃ、只おっかないだけだ」

 あぁそっか。あたりまえだ。


「大事なのはこの匙加減だ。そっけない態度が強すぎたら、間違いなく嫌われるからな。基本的に信頼関係がなければ成り立たない。ぴったりセットプレイができた時の破壊力は抜群だが、連携のどこかが掛けると、只の情緒不安定で近寄りがたい奴に成り下がる」

 げ!すごいと思ったけどなんかむずかしそうだし!


「他!他にはなんかないんですか!」

 なんかないの!マトーさんが好きな性格は!

 アタシでもまねできるやつ!


「おぉ、あるぞ。普段は淡々としてるけど、好意の表現は直球な性格とかな」

 よかった!ちゃんとほかにもあった!

「こっちの性格はそもそも匙加減が難しくない上に、失敗時のフォロースルーにも優れている。瞬間最大火力の高いさっきの性格と比べて、コンスタントに高火力を発揮できるのが特徴だろう」

 っていうかさっきからびみょうに火力とか、へんなことばが出てきててわかりにくい。


「総じて普段とのギャップで勝負を掛ける方針だな。後は………出会い方も大事だな」

「出会い方?」

 そんなの選べるの?


「やっぱり衝撃的な出会いは基本で外せないな。空から降ってきたりとか」

「空から降ってくる!?」

 なんなのそれ?


「何を驚いている?」

 ふつうおどろくし!

「俺の国の男女の出会い方としては、最も典型的なものだぞ?」

 ヤマトーさんの国どうなってんの!?


「他にもとんでもなく大きな貴族の娘が、何故か全くの平民の元に嫁ぐとかな。とにかく傍から見てて不可解、愉快、痛快、奇奇怪怪な出会いが多い」

「ちょ、ちょっと待つのだ!何故に貴族の娘が、只の貧民に嫁ぐのだ!」

 なんかグララがすごいびっくりしながら、ヤマトーさんにきいた。


「多く聞くのは、家の仕来りとかだな。~された相手に必ず嫁がなければならない、という家訓があるとか」

「ぬ?………その貴族の家は、何故その様に理解しがたい家訓を残したのだ?」

 うん。貴族様じゃないアタシがきいててもふしぎ。


「流石にそこまではわからんなぁ。俺は当事者じゃないし、他人の考える事はわからん」

 クオリアだ!クオリアならしかたない!だってクオリアだし!

「まぁ………」


「意中の相手と結ばれる為なら、空から落ちてくるぐらい労力とか、自分の生まれた家を出る覚悟が必要という事だな。うん」

 んー?

 もしかして、例え話だったのかな?


「他にもなんらか特別な能力は忘れてはならない」

 まだあるし!

「とくべつな能力?」

 なにそれ?


「俺の知る限り祖国で、意中の男と夫婦になった女の殆どが、何らかの稀有な能力の持ち主だ」

 ほんとヤマトーさんの国どうなってんの?

 でもヤマトーさんもめちゃくちゃ強いしなぁ。

 ヤマトーさんと夫婦になるなら、おなじぐらい強くないといけない?


「………あのねあのね、お兄ちゃん?」

「ん?どうしました、シャーシャちゃん?」

「………さっきのね、そらからね、おちてきた人もね、いっしょなの?」

 シャーシャがなんかきいてた。


「んー?………あー、空を飛ぶ能力を持った人がいて、その能力を使ったから、衝撃的な出会いができたのかって事ですか?」

 シャーシャがうなずいた。

 そうか。

 なんか出会い方がへんって思ったけど、それはすごい力ががあるからなのか。


「シャーシャちゃんは本当に凄いですね。確かに空を飛ぶ能力を持った女の子は、滅茶苦茶人気が高いです。モテると言い換えて問題ないでしょう」

「………あのねあのね、お兄ちゃんもね、そらをとべるね、人がね、すきなの?」

「そうですね、好きですよ」


 ………つまり?

 ヤマトーさんの妻になりたかったら?

 むねがばかみたいにおっきくて、こしがめちゃくちゃほそくて?

 へんな性格で、へんな出会い方して、空をとべないとだめ?


 ……ほんとにそんな人いるの?

 アタシ、ヤマトーさんに好きになってもらえるの?

 ヤマトーさんの妻になれないなんていやだ!

 アタシにもチャンスがほしい!


「年上と年下、どっちがいいんですか!?」

 ヤマトーさんはどっちが好きなの?

 年下ならチャンスがある!


「ん?絶対年下」

 やった!

 チャンスはあるし!


「まぁ………何より大事なのは清潔さだな。汚いのが好きって奴はいないだろう。できる限り綺麗にしとくに越した事はない」





 ヤマトーさんの好みをきいたあと、アタシはみんなから離れた。


「うーん、きれいかぁ………」

 自分のかみをさわってみる。

 ごわごわ。もさもさ。

 うん、これがアタシのかみだ。

 っていうか2人のかみはなんであんなまっすぐなの!?


 自分のふくをさわってみる。

 よごれてる。においもちょっとする。

 グララよりはマシだけど。

 ヤマトーさんとシャーシャの服はいつ見てもきれいで、なんかすごくいいにおいがする。


 年下が好きっていってたから、チャンスはあると思う。

 でもチャンスがあるだけで、アタシのことが好きなわけじゃないし。

 ヤマトーさんの好みからははなれてるっぽい。

 どうしたらいいんだろ?

16/12/10 投稿


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