日本男子、怒り狂う
R15 残酷な描写あり
俺は今、心がささくれ立っていた。
シャーシャとミミカカの安否を案じた俺は、為すべき事を決めた。
2人がどこにいるかはわからない。
なら2人が何処に居ても安全な様に、環境を整えよう。
英雄降臨で強化された身体能力で、通りを駆け抜ける。
獲物に襲いかかる肉食獣もかくやと、猛然とひた走る俺の前を男が塞いだせいで急制動する嵌めになった。
僅かな時間ですら惜しいというのに!
「おい、危ねえだ」
邪魔をした男の首を、回し蹴りでへし折る!
唾棄すべき屑が!
駆け出そうとした俺の前に、仲間らしき男が割り込む。
「てめぇ何しや」
顔を正面から横方向に踏み潰す。
ただ単に正面から蹴り出しただけだが、踏み潰したとしか形容が出来ない。
弾丸の様に駆ける瞬発力を持つ今の俺だからこそ可能な芸当だ。
悲鳴を上げて騒がしい有象無象共は捨て置く。
耳障りで煩わしいが俺の邪魔をしないなら殺す手間をかけるのが惜しい。
今の俺を邪魔する者は誰であろうと誅すべき不義の輩だ。
俺が立ち止まればそれだけで、何の咎もない人達が不当な暴力に晒される事となるのだ。
無辜の民を救う為に走る俺を邪魔する者があれば事情は問わず何人たりとて許さん。
通行人を排除して長い直線を見つけた!
「クーチュフーユ!」
両足で地面を蹴って宙に跳び、重力を制御して進行方向に向かって落下していく。
文字通りの自由落下を実現する真・自由落下の魔法。
自由落下というのは意外に加速力が凄まじい。
1秒の自由落下で約4.9メートル進む。秒速にして約9.8m。時速は35キロメートル。
5秒の自由落下で約122メートル進む。秒速にして約49m。時速は176キロメートル.
たった5秒で時速176キロメートルにまで加速するのだ
しかもかかる重力を2倍にすれば速度もそのまま2倍となる。
英雄降臨で強化された心身で、地面を蹴り出し初速を高めながら適切に重力を操って町を高速で移動していく。
俺は不測の事態に対して取り乱しやすい。
それは心の余裕が十分にないからだと自分では分析している。
強化された思考能力を潤沢に使い、高速移動しながら思考に誤りがないか落ち着いて確認する。
いくら思考を強化しても今の様な非常事態で一気に物を考えると、途端にパニックになる為1つ1つ順番にだ。
まず俺はシャーシャとミミカカの2人に会いたい。
これは2人が不当な暴力に晒される危険があるからだ。
2人に危害を加えようとするのは、この町の兵士達。
差し当たって、この兵士達を止める事ができれば、2人の安全は確保される。
では兵士達はどこにいるのか。
兵士達は俺と関わった人間の所に現れる。
直接の仲間のみならず、僅かな関わりですら対象とする旨の発言をしていた。
つまりは俺が施しを与えた人間の所だ。
直ぐに目的地に辿り着く。
薄汚れた粗末な小屋が乱立する場所、つまり貧困街だ。
貧困街は門から近い所にあった。
門の近くは不特定多数の人間が出入りするため、トラブルが発生しやすい。
また町が何らかの脅威に晒されたとき、最も早く異変に見舞われるのが門の近くである。
そうである以上、門の近くかつ、大通りに面していない場所の地価は低くなる。
その為、低所得者層が集まる事になる。
この異世界の文化レベルの低所得者層といえば、その生活レベルはお察しだ。
生きていく為なら、日本では忌避される様な真似も平気でするだろう。
何せ公共福祉なんていう考えは異世界にない。貧すれば死に瀕する事になる。
治安が悪いので地価はさらに低くなる。
地価が低いので低所得者が集まる。
宿屋から出発した俺の向かうべき目的地の中で、一番近いのがそんな貧困街だ。
「や、やめて下さい!」
「知りません!」
「離して!離して!」
貧困街は悲しみと暴力に包まれていた。
目を見開いて倒れている女がいた。
口は力なく開かれて、横たわった体の周りには、赤黒く濁りが広がっていた。
明らかに既に事切れていた。
死んでいたのは1人だけではなかった。
兵士に抵抗するかしたのであろう者達のいくつかの、そして辿る結果が同じ末路が散乱していた。
兵士達は貧困街に住む人達を、同じ人間とも思っていない。
一方的に命令し、逆らう者に暴力を振るっていた。
暴力には、命を奪う事も含まれていた。
そこかしこから必死な懇願の声が、痛みに呻くくぐもった声が、悲痛な泣き声が聞こえてきた。
頭が真っ白になった。
目を背けての事ではない。
怒りの余りの為だ。
この浅ましく醜い、とても人間と思えない振舞い!
自分が正義と信じて止まず、その行動を振り返る事もない!
町で女を見つけては強姦する!
不安に怯える銃後の人々を洞窟まで追い詰めて焼き殺す!
人類史上最低最悪悪逆非道の屑の軍隊!
民間人を殺すためだけに存在する、この世で、いや有史以来最も見下げ果てた存在価値のない軍隊!
愛する祖国を汚した許されざる罪人の軍隊!
こいつらはアメリカ軍だ!
よく頭の中で何かが切れる音がしたとかいうが、そういう感覚とは程遠い。
頭が冴え渡って、どこまでも冷静に考えられる様な感覚。
どうすればこの醜い屑共を制裁する事ができるのか。
どこまでも考える事ができる。
必要なのは効率的にこいつらを駆除する手段だ。
広範囲を攻撃する事はできない。
無差別な攻撃は住民を巻き込む事になる。
しかし時間を掛け過ぎる訳にはいかない。
身体能力をいくら強化しても、格闘では時間がかかる。
マチェットでは、強化状態だと力が強すぎて、まともに振るえない。
必要なのは鎧袖一触の、圧倒的な攻撃力だ。
俺は瞬時に考えた後、ポケットからマグライトを取り出した。
3本の単三電池を電源とする、やや大きく丈夫なマグライト。
強烈な光源を備え、約500m先の地点をも照らせる。
ヘッド部分を捻る事で、照射する光の幅を調節可能。
物が良い事以外は、極普通のライトだ。
無論、只のライトは攻撃能力を持たない。
このライトは魔法の触媒となってもらう。
ライトを持った右手を振るって、遠くの兵士を無音で滅多斬りにする。
最初に首を刎ねて、悲鳴一つさえ上げさせない。
ライトを媒介に、レーザーブレードを形成した結果だ。
レーザーの実用には、様々な技術的課題があった。
まず光源が強すぎて、自身の目を焼く問題。
熱と違って、網膜に入る光は、個別に量を調節できない。
一様に明るくなるか、暗くなるかだ。
レーザーの光量に合わせて視界を暗くすると、他のものが見えなくなる。
光源そのものの光量を抑えた場合、肝心のレーザーの威力が不足する。
解決方法は単純で、物理的に光に指向性を持たせた。
ライトは根本的に物自体が、光に指向性を持たせる道具なので相性が良い。
また、人体工学に基づいた設計により、実に振るい易い。
そしてレーザーの最大の問題、照射時間の問題だ。
レーザーは物を焼き切るのに、相応の照射時間が必要だ。
光を収束させる事で焦点を作り出し、照射し続ける事で温度を上げるという手順が必要な為だ。
これは火の魔法と組み合わせる事で解決できる。
火の精霊とは呼んでいるが、火はあくまで副産物だ。
その実態は分子の運動、温度の上昇にある。
レーザーの照射点を、火の精霊で温度を上げる事で、即効性を持たせる。
火の精霊単体でも、理論上同じ事はできる筈だが、現実にはできない。
目の前に存在するある一点の温度が、突然急上昇して焼き切るなんてイメージは普通できないからだ。
俺ではどうやっても、途中で高温の火として発現する事になり、一点を焼き切るなんて事はできない。
このレーザーは、火力と精密性と即効性を両立した攻撃ができる。
全く抵抗なく目標を切断できる、究極の斬撃。
名付けて光剣。
神代の世にまで遡る神剣の名を、異世界の発音に近くした言葉だ。
祖国が受けた辱め!その雪辱を!
神器の名を冠した剣が果たすのだ!
汚らしいアメリカ軍に正義の鉄槌を!
驕り高ぶったアメリカ軍に御稜威の力を!
手元から伸びる光線の延長線上にいる、兵士を次々切断していく。
バラバラに刻んだ兵士と、次の目標となる兵士の間に、呆然として立つ女が見える。
構わずに最短距離で光剣を振るう。
女はこちらを見て呆然としていたし、原理はわからなくても、その光線に触れれば切断されると理解しているのだろう。
両手で頭を庇いながら倒れようとする。
だが光剣からの避難は間に合ってない。
一刻も早く兵士を駆除して、犠牲を減らす必要がある。
許して欲しい、と心の中で詫びた。
女は光線から逃れようとした姿勢のまま、地面の上に体を投げ出した。
俺は倒れたままの女には目もくれず、目に映る全ての兵士をバラバラにしていった。
駆除が終わる頃、倒れた女に変化が表れた。
暫くしたら自分の体に、何の変化もない事に気付いた様で起き上がった。
この光剣の優れた点は、圧倒的な攻撃力だけに留まらない。
対象を選別できるのも大きな利点だ。
光剣は、女の首を通り過ぎたが、傷一つ負わせていない。
切断は火の魔法によって行われる。
光線そのものは目印となるだけなので、触れても問題はない。
急いでいるので説明できず、肝を冷やさせた事をもう一度心の中で詫びた。
既に路上のゴミは清掃したので、空間把握で、民家に押し入った兵士が居ないか捜索する。
無残だった!
大の大人が寄って集って!
だらしのない、緩みきった表情をした男達!
組み伏せられた女には表情がない!
息はしている様だが、かなり浅い!
ここの女達は、確かに必要とあれば男とも寝る!
だが明らかに、女が誘った訳ではないとわかる!
この屑共は一方的に尊厳を奪った!
「汚らしいアメリカ風情があああああああっ!」
こいつらにだけは地獄を見せてやる!
屑共の視界を奪う。
対象者の網膜に入る、光の量を調節する魔法、光量調節だ。
光量を調節する物の代表格であるサングラスを、異世界風の発音にしたのが由来だ。
光を一切関知できなくする、暗黒の呪文との違いはどこにあるか。
それは光量を自在に調整し、卑劣な屑共の視界を、今頃完全な真緑に変えている点だろう。
光の三原色である赤・緑・青の内、赤と青を完全に減退させて、緑だけ同じ強さに収束させた為だ。
屑共は、目の前に広がる光景に関わらず、視界が緑色に塗り潰されるのだ。
「無音」
男達の頭の周囲を対象に、空気を振動させない様にする。
これで男達は聞こえないし、話せないし、視界は真緑。
「重力追放」
とどめに自らの重さからも決別させる。
同時に光剣で、腕を切り落とす。
腕を切り落としたのは、拠り所を失った屑共が、女にしがみついたりしない様にした配慮だ。
即座に建物に突入して、汚らしい屑共を女から引き離す。
ついでに鼻に鉄拳を叩き込んでおく。間違いなく砕いた。
思わず殺しそうになるのを、抑えるのが大変だった。
こいつらには、拷問が待っている。
建物の中から引きずり出して、乱暴に投げ捨てる。
男達は、下半身を丸出しにした、情けない姿で宙に浮いている。
これで拷問は完了だ。
後はこのまま放置する。
どういう事か説明しておくと、こいつらの視界が真緑になっているのが、この拷問のポイントだ。
人間は、緑一色の部屋に長時間閉じ込められる事に、耐えられないのだそうだ。
緑というのは御存知の通り、目に優しい色だ。
それのみに満たされた部屋というのは、あまりに刺激がなさ過ぎる。
それ故、彩りが欲しくなった人間は、緑の補色である色を欲する様になる。
補色とは、色相環において、対極に位置する色の組み合わせの事だ。
さて、緑の対極は何色かご存知か?
それは赤色だ。
緑以外に何もない部屋で赤色を見る方法。
答えは自傷行為である。
緑で満たされる事は、人間の脳にそれほどのダメージを与えるんだそうだ。
まぁ本当にそれだけで、そこまで極端な反応を見せるのかは知らない。
しかし今回の受刑者達が放り込まれたのは、ただ緑に塗られた部屋ではない。
全てが緑に見える異常世界だ。
他の色は疎か濃淡すらない、只の単色が視界を塗り潰す世界。
更には体が感じられるのは、痛覚・触覚・味覚のみだ。それ以外は全て奪った。
視覚は自傷しようが何をしようが真緑。
音は一切の無音。
いくら口を動かそうと、自ら言葉を発する事すらできない。
異常な世界で生きるか、自殺するかは屑共の自由だ。
辛くなったらいつでも、手近な地面にでも頭を叩きつけるか、手頃な刃物でも手にとって死ねばいい。
まぁどうするにせよ、その醜悪なものは始末させてもらうが。
「………!」
おそらく必死に叫んでいるであろう男達の、女の尊厳を蹂躙した象徴を焼いていく。
確かこれは、血管の塊だ。切り離してまかり間違って、失血死されては困る。
女を辱めた報いを、万倍にして受けてもらう。
光剣で即死させず、最後の火の魔法の威力を下げて、重度の火傷を負わせる。
足を閉じて守ろうとするので足ごと炙る。
手は最初に切り落としたのでもうない。
結果、内股に膝を曲げ苦悶の表情をした、宙に浮かぶ醜いオブジェが次々出来上がった。
あまり時間をかけてられん。
他にもいるかもしれんしな。
空間把握で、屑共を全て同じ目に遭わせてやった。
俺は焦っていた。
刃で刺し貫かれて、命を奪われた女。
男に刺し貫かれて、尊厳を奪われた女。
命を奪われる女と、尊厳を奪われる女と。
その差はどこにあるか。
それは明らかに美醜の差だった。
俺が助けた女は皆、整った顔立ちの女ばかりだった。
本来なら、さぞかし魅力的な表情で笑ってたんだろう。
だが、それは衝撃的な事であっても、俺にとって大事な事ではない!
大事なのはシャーシャとミミカカだ!
あの2人は実に整った顔立ちをしている!
それはつまり、アメリカ軍の跳梁を許せば、2人の乙女が散る事を意味する!
許せるか!そんな事!
あの汚らしい屑共め!
1人残らず消してやる!
屑共を始末した後、急いで教会に向かった。
教会は貴族街の近くにあった。
孤児達が住み込んでいるとはいえ、教会の建物は立派だ。
貧困街の家とはその佇まいが違う。
そもそも何故教会に孤児がいるのか。
教会は身寄りのない子供を囲う事で、労働力と未来の配下を手にする。
子供達は労働力を神に捧げる事で、救いと未来の職を手にする。
お互いの必要性を補いあった、立派な共存関係と言えるだろう。
ここの教会はそうではないが、男子禁制の修道院なら、貴族の娘の花嫁修業という面もある。
女の園で育った純粋培養の新品です、と花嫁に箔を付けられる。
修道院での生活は質素倹約なので、三指をついた従順な娘だとアピールができる訳だ。
何より、どうも異世界のそっちの事情は、早熟な傾向にあるらしい。
男と同じ所に置いておけば、すぐ傷モノになりかねない。
そんな訳で修道女は、お嫁さんにしたい職業ナンバーワンだ。ヤマトー調べ。
俺は教会へ走りながらそんな事を考えた。
英雄降臨による強化のお陰で、潤沢に思考を行える俺は少しでも時間が開くと、愚にもつかない事を考えてしまう。
そもそも普段からして、そうした考えをする傾向にある。
強化された今はより顕著となるのは、当然の帰結だ。
何より考え事をしなければ落ち着かない。
脳の思考するスペースに隙間ができれば、そこには本来の俺の関心事が大きく居座る事になる。
無論シャーシャとミミカカの安否についてだ。
2人の戦闘力は一般人のそれではない。
ナイフの構え方、振るい方ひとつとっても、コンパクトで鋭い振り方をする。
思いっ切り振りかぶって、力一杯振り下ろす様な真似はしない。
普段の訓練の光景を思い出してみてそう言える。
だが、あくまで訓練での話だ。
実際に人に刃を向けるとなれば、戸惑うのではないか。
或いは興奮し、訓練を忘れてしまうかもしれない。
森で狩猟をしていたミミカカなら、この点は俺等より余程頼りになるが。
しかし子供のシャーシャではどうか。
あの子は思えば、町に入った時のやりとりが腑に落ちなかった様子だった。
本来争い等とは、無縁の性格なのではないか。
空調管理の魔法で、火を使う事も使われる事もないという状況。
こうして考えてみればただ損なばかりだ。
強力な魔法という大きなアドバンテージを失った場合、2人には数の差という圧倒的なハンデが待っている。
精霊が見えるというミミカカが、氷の精霊の分布がせいぜい半径5m程な事に気付き、遠距離で敵を排除する戦法を思い付く事を祈るばかりだ。
それがなければ、2人は武器を使った戦闘に入る。
1本ずつのナイフと、ミミカカが背負った狩猟用の弓。
それだけが2人の武器だ。どこまで戦えるものか。
それに対して兵士たちは槍や剣を持ち、何より数が10倍以上いる。
1人も倒せずに取り押さえられても、なんら不思議ではない戦力差だ。
教会の前には兵士達が集まっていた。
貧困街と違い、教会には流石に簡単に手出しは出来ないらしい。
この時代で町に大きな教会を建てられるなら、かなりの権力を持つ宗教の筈だ。
政治と強く結びつき、王家との関係も深いだろう。
兵士達は教会の人間に、孤児を引き渡す様に言うだけに留まっている。
どんどん抑え切れなくなってくる!
貧困街の人間はあれ程軽く扱った癖に!
こいつらは教会には手出しをしない!
要するに貧困街の人間を、自分より下の存在だと見下したから出た対応の差だ!
何様のつもりだ!
つまり貴様らアメリカ軍は!
我等大和民族を踏み躙っても良いと思ったというのか!
怒りが体を促すままに、手当たり次第に兵士達を切り刻んでなます切りにしていった!
そもそもの発端は、裏切り者の軽挙妄動のせいだ!
勝手に俺を恐れて、周りを巻き込んで盛大に自爆した愚か者!
裏切り者が唆したせいで、兵士達と戦う嵌めになった!
貧困街に続いて教会の兵士達も駆除できた!
こっちは表で固まっていたから始末は楽だった!
これで晴れてこの町で、俺と関係のある場所に派遣された兵士は片付けた事になる!
宿を出る時に見た限り、門にも兵士はいない!
だが兵士はまだ残っている!
殺しただけが、この町の全ての兵士という訳ではないだろう!
兵士がいる限り、シャーシャとミミカカの安全は確保されない!
しかしだ!
そんな対処療法は望んでいない!
目先の危険である為に払ったに過ぎない!
俺が目指すのは原因療法だ!
発端となったのは宿屋の主人の裏切り!
既に宿屋で磔にして首を刎ねて殺してある!
だがまだ1人殺さねばならない奴がいる!
あの汚らしい裏切り者と共謀した奴が残っている!
どうしてシャーシャとミミカカを駆けずり回ってまで、探す嵌めになっているのか!
俺は疎か2人までもが、危険な目に遭う嵌めになったのは全てコイツのせいだ!
見栄か?嫉妬か?俺の力がそれ程眩しかったか?
首を洗って待っていろ!
絶対に殺してやる!
16/09/17 投稿・文の微修正