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日本男子、異世界に立つ  作者: 忠柚木烈
日本男子の終焉
149/154

魔法少女、日本男子を振り返る

18/4/28 投稿・イラスト有り

 わたしの名前はズィーベンレーベン。この世界最高の宝物。


「『(マガキ)』で戦闘する以上、元の肉体は弱点となる!始末した!()()()()!お前を葬り去る為に!」


 黒くて!

 大きなからだ!

 さっき斬り落としたそれが!

 ふわって浮かんできて!

 もとの場所にもどった!


「………そん、な」

 どうすればいいの?

 わたしは?


 魔法少女のわたしなら!

 どんなやつだって!

 やっつけられた!


 ………なのに!

 勝てない!

 お兄ちゃんに!

 勝てない!


 1番やっつけたいのに!

 勝てない!


 だって?

 からだがないのに?

 どうやってやっつけるの?


 バラバラにならできた!

 でも!

 バラバラにしても!

 もとどおりにうごいてた!

 ………それに!


「体がないだって?ならどうやって!お兄さんは存在してるのさ!」

 ナーナちゃんが聞いたこと!

 そう!

 わたしもそれがふしぎだった!


 今のわたしには!

 魔法少女としての!

 日本国民としての!

 知識があった!


 わたしが今かんがえてるのは!

 あたまがあるから!

 のうみそがあるから!


 だけど?

 からだがないなら?

 あたまがないなら?

 のうみそがないなら?


 どうやって?

 どこから?

 なにが?

 『(マガキ)』を動かしてるの?


「ハハハハハハハ!オカルトに理屈を求めんな!」

 でもお兄ちゃんはわらってた!

「興醒めだろ?説明のつくオカルトなんて?そんなものはなぁ?」

 お兄ちゃんはそこにいた!


「全てを否定していっても、今考えている自分を、否定する事はできないってやつだ!」

「コギト・エルゴ・スム、だね」

 我思う故に我あり?

 哲学の話?


「肉体がどんな状態であれ、俺は思考している!その事実1つあれば、『(マガキ)』は動かせる!」

 そんな思考実験で?

 『(マガキ)』を作り出した? 

 ………お兄ちゃんは、()()()()()魔法使いだ!


「さぁ!」

「………!」

 わたしはワープした!

 あぶないと思ったから!


「決着を付けてやる!()()()()!」

 さっきまでわたしがいた場所に!

 『(マガキ)』のうでが伸びてた!


「さっきは再生されたからなァ!」

「………!」

 わたしがワープした先に!

 またうでが伸びてきた!


「ちょこまかと!」

 なんどもワープして逃げた!

 お兄ちゃんはなんどもうでを伸ばしてきた!


「だが!当たり、だなぁ!」

「………!」

 必死に逃げたわたしを見て!

 お兄ちゃんがわらった!


 さっきの『貫手』は指だったから!

 当たったのがお腹だったから!

 死ななかった!

 回復できた!


 でも?

 あれがうでだったら?

 当たったのがかおだったら?

 心臓だったら?


「やっぱ死なねぇって訳じゃねぇみてぇだなぁ!」

 魔法少女のわたしでも!

 回復できなかったら!

 1回で殺されたら!


 死・ん・じ・ゃ・う! 




「………どうしたら!」

 なんどもワープで逃げた!

 けど!


「掴めてきたぞ!『(マガキ)』は魔法!」

 うでを伸ばしてきた数が!

 うでを伸ばしてきた近さが!


「つまりはイメージ!」

 多くなってきた!

 近くなってきた!

 

()()()()結果!」

 どんどんどんどん!

 うまくなってきた!


「それがイメージできりゃあ!」

 ブォオン!

 そんな音が!


「『(マガキ)』は追従する!」

 連続で!


「見えたぞ!」

 わたしの近くを通りすぎてった!


()()()()!お前を!」

 ヤバイ!


「ブッ潰すビジョン!イメージ!」

 こっちはなにもできなかったのに!


「………どうしたら!!」

 あっちはやれることが増えてきた!


「くたばれ!『綺羅星』!」

「………!?痛あっ!?」

 よけたはずの『(マガキ)』のうでから!

 たくさんのキラキラしたものが!

 すごい速さでとんできた!


「………なに、今のは………?」

 からだじゅう!

 いっぱい切り裂かれた!

 わたしの白いドレスが!

 まっ赤になった!


「これは………釘?」

 ナーナちゃんが飛び散ったものを見て言った!

「言った筈だろぉが!『(マガキ)』は全身呪殺兵器だとな!」

「兵器っていうのは、モノの例えとかじゃなく………そのまんま釘打機(ネイルガン)なのか」


釘打機(ネイルガン)等と!そんなレベルの低い物に例えられては萎える!爆発的勢いで!無数の釘を!弾き飛ばし当たり一面薙ぎ払う!」

釘打機(ネイルガン)じゃない?むしろ手榴弾?………いや、釘爆弾そのものか!」

 釘爆弾?


 爆発で?

 とがったかたいものをとばして?

 めちゃくちゃに壊して?

 人をぐちゃぐちゃにする武器?


 『(マガキ)』は?

 からだぜんぶから?

 釘爆弾をとばせる?


「名付けて『綺羅星』………洒落てるだろ?」

「飛び散った釘が『星』ってこと………えげつない!」

「『呪力』を載せたこれならァ!逃げられまい!防げまい!」

「………永遠の(エーヴィヒ)宝石(エーデルシュタイン)


 まずは回復!

 ………マズイ!


 わたしはワープができた!

 でも!

 ずっと消えてられなかった!

 すぐに出てこなきゃいけなかった!


 小さな()が!

 たくさん!

 すごい速さで!

 びっしり!

 どこに逃げても!

 とんでくる!


 『()()()()()()()()

 さっきのは!

 運がよかっただけ!


 もし当たったのが?

 あたまだったら?

 のうみそだったら?

 しんぞうだったら?


 ………アレは強すぎる!

 こっちの攻撃は効かないのに!

 あっちの攻撃は効く!

 『(マガキ)』は強すぎる!


「………どうしたら!どうしたらっ!!」

 わたしはぜったい!

 ()()()()()()()()()()()()()()()()


「シャーシャちゃん!」

 そしたら!

「………ナーナちゃん?」

 わたしのともだちが!

 しゃべってきて!


「落ち着いて!」

 そんなことをいってきた!

「………おちついたからって!なに!」

 そんなどうでもいいことを!


 お兄ちゃんを!

 『(マガキ)』を!

 やっつけないといけないのに!

 やくにたたない!


「だから落ち着いて!」

「『綺羅星』!………仲間割れ、いや余所見かぁ?余裕じゃねぇか?」

「………ひっ!ぐぅ!」

 痛い!

 ナーナちゃんのせいで!


「ボクにはどっちかの味方はできないんだよ!」

「………ならだまってて!永遠の(エーヴィヒ)宝石(エーデルシュタイン)!」

「チッ!また回復か!………だが!追い回すのは俺!追い詰めるのは俺!」


 『綺羅星』!

 いくつも!

 いくつも!


 星が!

 光が!

 とんできた!


「……っ!?あぁあああああ!?」

 かおをふって避けようとしたけど!

 目が!

 目が切り裂かれた!


「………永遠の(エーヴィヒ)宝石(エーデルシュタイン)!」

 マズイ!

 どんどん!

 近くなってた!


「もう少し!もう少し!勝つのは俺だ!攻め切る!」

 わたしにはもう!


「押し切る!」

 からだを小さくして!


「寄り切り抜く!」

 とおくに逃げながら!


 永遠の(エーヴィヒ)宝石(エーデルシュタイン)で回復するのしかできない!

 逃げるのにしっぱいしたら!

 回復するのが間に合わなかったら!

 急所に当たったら!


 死んじゃう!

 わたしは1番じゃないといけないのに!




「そう!落ち着くんだシャーシャちゃん!」

 まだ言う!

 さっきだってナーナちゃんのせいで!

 『綺羅星』が当たったのに!


 役に立たないならだまってて!

 役に立つから生きてていいの、人は!


「それであっ「ちょっと五月蝿ぇよ、お前」痛っつ!?」


 ………?


 ナーナちゃんが?

 痛そうにうでをおさえてた?

 お兄ちゃんもうるさいって思った?


 『綺羅星』が?

 1つだけだけど?

 ナーナちゃんにとんでった?


「くっ、言ってくれれば、わかったのに、さ」

「覚えとけ、おしゃべりな奴は嫌われるってよ」

「タフガイなセリフだね、お兄さん?」

「余裕があるな?食らい足りないか?」

「やめてよ、穴なんていらないよ?元からお兄さんよりも、1つ多いんだからさ?」

「下品な奴だなぁ、オイ」


 ………?

 なんで?

 おかしい?


 ………『(マガキ)』が暴れてたのは?

 うまく動かせなかったから?


 お兄ちゃんが死んだみたいになったのは?

 『(マガキ)』になりたかったから?


 わたしを抱きしめたのは?

 『波紋』を使いたかったから?


 意味は、ある?

 理由が、ある?

 これにも、ある?


 お兄ちゃんが?

 ナーナちゃんを?

 攻撃した?

 なんで?


 今までは?

 わたしだけを攻撃してたのに?

 ふつうにしゃべってたのに?

 うれしそうに『(マガキ)』のすごさを説明してたのに?


 ………それに?

 ………なにより?

 ()()()()()()

 お兄ちゃんは?

 ()()()()()()()()()()()


 兵士の人はどうなった?

 バラバラにされた!


 町の人はどうなった?

 ぜんいん殺された!


 門番の人はどうなった?

 ぶっとばされて死んだ!


 ミミカカさんはどうなった?

 ゴミみたいに捨てられた!


 お兄ちゃんはゆるさない人だった!

 1度怒った人はゆるさなかった!

 ………なのに?


 攻撃して?

 すぐ?

 ナーナちゃんと?

 ふつうにしゃべった?

 ………なんで?


 ナーナちゃんがしゃべったせいで?

 わたしはワープできなかった?

 だったらお兄ちゃんは?

 得してたのに?

 ………なのに?


 ………得してなかった?

 損した?

 ナーナちゃんのしゃべったことで?


 お兄ちゃんは損した?

 だから?

 攻撃した?

 それを?

 ………()()()()()


 怒ってないよ?

 どうでもいいよ?

 だから?

 ………()()()()()()()()()

 ………()()()()()()()()()()


 ………ダメだよ、お兄ちゃん?

 大人の人はね?

 こどもをだますけどね?


 こどもだってね?

 わたしだってね?

 だまされたことはわかるんだからねぇ?


 ………なんていってた?

 『落ち着いて』?

 それが、なに?

 落ち着いたら、どうなるの?

 そんな意味がないこと?


 ………ちがう?

 意味が、ある?

 理由が、ある?


 ナーナちゃんは?

 ()

 ………そうだ!


 ()()()()()()()()()()()()()

 ナーナちゃんは友達で!

 ライバルで!

 ()()()()()


 魔法少女を助けて!

 導く!

 よくわからないもの!

 それがナーナちゃんなら!


 ナーナちゃんは味方できないって!

 そういってたけど!

 それでもわたしを助けようとしてたんだ!


 だから!

 なんでなのか!

 『落ち着いて』の意味を考えたらよかったんだ!

 きっとお兄ちゃんはこまるんだ!

 わたしが落ち着いたら!


 わたしが『綺羅星』から逃げようとしたら!

 ナーナちゃんがしゃべろうとした!

 『それであっ』って!


 『落ち着いて』!

 『逃げる』!

 ………『それであってる』!


 ………()()()()()()()


 そういえば?

 お兄ちゃんは?

 わたしをやっつけようとしてた?

 『(マガキ)』は()()()()()


 無敵なら?

 なにもこわくないはずなのに?

 わたしは魔法少女になったとき?

 どう思った?


 無敵だってわかったとき?

 なにもこわくなかった?

 わたしがこわくなったのは?

 ()()()()()()()()()()()()()


 ………お兄ちゃんは?

 ………無敵じゃない?


「………ひっ」

「ん?」

「ナーナちゃん?」

 どうしよう!


「………ひひひひひひひ!」

「ちっ!気が触れたか!」

「笑って、る?」

 たのしい!


『魔法少女は希望や可能性がある限り戦い続ける事ができる』


 だって?


『そして魔法少女は存在そのものが希望であり可能性だ』


 いってたでしょ?


『魔法少女は自分が存在する限り、無限の戦闘力を発揮して戦う事ができる』


 お兄ちゃん?


『まず、魔法少女は絶対に敗北する事が有り得ないんだ』


 元気が出てきた!


『どんな巨大な敵、世界を滅ぼす様な存在を相手にしても絶対に勝つ』


 ちからが出てきた!


『俺の故郷の子供達が毎日笑ってられるのも概ね魔法少女のお陰だ』


「………ひひひひひひひ!ひひひひひひひひひひひひひひ!」


 うん!

 魔法少女の力のおかげで!

 わたしはわらってられるよ!

 お兄ちゃん!




挿絵(By みてみん)




 見せてあげるね!

 魔法少女のちから!


「………昏い愉悦の(シャーデンフロイデ)宝物(シャッツ)!!」


 ()()()()()()()()()()()()()()


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