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日本男子、異世界に立つ  作者: 忠柚木烈
日本男子の確信
123/154

日本男子、挑戦する

 俺は今、ほくそ笑んでいた。


「はーっ、とりあえず全員分の着替えが終わったか」

 ご婦人の身支度には時間がかかるというのは相場。

 なんか不必要に時間が掛かった気がする。

 その中でもシャーシャちゃんの着替えは、実に有意義な時間だった。


 透き通る様な白い肌。

 光沢を持った長い髪。

 細くしなやかに伸びる手足。

 そして人形の様な精巧さに、子供らしいあどけなさを加えた様な顔立ち。

 天使の様なという、陳腐な形容がよく似合うシャーシャちゃん。


 そんな彼女を好きな様に着飾っていいという。

 目の保養となる充実した一時。

 スポカジの他にも色んな服を用意した。


 ベージュ色に始まり。

 淡い黄色だったり。

 アッシュブルーだったり。

 濃い紺色だったり。

 水色だったり。

 赤色だったり。

 黒だったり。

 白だったり。


 多様な色のワッペン付きのセーター。

 そして同色のベスト。

 或いはオーソドックスな白と紺のセーラー服。


 紺一色を始めとし。

 縁やポケットに白いラインがあったり。

 赤や茶、白といった少し珍しい色合いのブレザー。


 同じく紺一色を始めとし。

 黒地だったり、白地だったり、灰色だったり。

 ライン入りだったり、チェック柄だったりするスカート。


 色や柄も様々なリボン。

 或いはネクタイ。

 オーソドックスなバッグから、半透明のプラスチックキャリングケースにランドセル。

 果ては園児帽と黄色いポシェットとスモックまで。


 ………ナーナちゃんは宣言通り、実に様々なスクールアイテムを用意した。

 スモックに至っては、最早スクールアイテムですらない。


 更に言うなら。

 制服以外にも紺ブルマと、旧からフリル付きまでスク水を用意してた。

 正直、アダルトコンテンツでしか拝んだ事がないアイテムである。

 ………紺ブルマを拝むって、なんか嫌な字面だな。

 拝む様な信仰は持っていないぞ、流石に?


 更に更に言うなら。

 テニスウェアだったり。

 陸上のユニフォームだったり。

 バレーのユニフォームだったり。

 代わりどころではチア服や、たすき掛けの袴まで。


 1つ確信した。

 ナーナちゃんの中身、絶対ロリコン拗らせたオタクだ。

 あのスクールアイテムの充実したラインナップは間違いない。

 これからはナーナちゃんのこと、ナーナさんって呼んで距離を置いた方がいいかもしれん。


 ちなみにシャーシャちゃん。

 白を基調として、縁が濃い青になった、清楚なお嬢様ブレザーに身を包んでる。

 正直、こんなの美少女ゲームでしか見た事がない。

 もし俺が女だったとしても、恐れ多くてこんな色使いの服は袖を通せないと思う程の、スーパー美少女専用アイテム。

 全く問題なく着こなせる辺り、流石は奇跡の魔法少女シャーシャちゃんだ。


 ちょっと変わっているのは、黒い革手袋をしてる事。

 白基調の中、手先が黒色なので、視線を吸い込みがちである。

 独特の光沢を放つ本牛革が、どこかアブノーマルな感じがして背徳的。


 そして靴はローファーではない。

 濃い茶色の安全靴である。

 長距離を歩いたりするから、グリップ力と、保護能力の高さを重視した。

 爪先鉄芯入りの、俺が使ってるのと、同じタイプだ。

 ゴム素材なので、目を細めれば、おでこ靴っぽくて、かわいいかもしれん。


 まぁ何はともあれ。

 長かった『飛び出せ、オシャンティー』の収録も。

 遂につつがなく終了したのだ。


「………「「バンザーイ」」」

 シャーシャちゃんも含め、ナーナちゃんと3人で喜びを表す。

「まだ終わってません!」

「………「「なしよ」」」

 3人でカクンと傾く。


「なんだミミカカ?」

 なんかミミカカ(フリルソックスマン)が水を差してきた。

 なんなんだコイツ?

 なんでこんなフリルソックス履いてんだ?

 余りに異様な靴下の様子に、思わず聞いてしまった。


「まだヤマトーさんがきがえてないです!あとついでにナーナも」

 するとよくわからない返事が返ってきた。

 まだ着替えてない?

 あの美少女専用アイテムを超えて、ロリ専用アイテムであるフリルソックスに?

 ナーナはともかく俺が?


 なんてこった!

 ミミカカはフリルソックスを履くのも大好きだが、履かせるのも大好きだったのだ!

 余りに常軌を逸した、フリルソックスへの情熱!

 この俺の熟れた成人男性ボディが、16歳の女にフリルソックスを履かされる!

 あんな乙女アイテムを身に着けたら、我が身はどうなってしまうのだ!

 未だかつて味わった事のない、類を見ない種類の恐怖が俺を包み込む!


「どうしたんですか?」

 戸惑う俺を、不思議なものを見る目で見る異質(ミミカカ)

 なぜそんな目で俺を見る!

 フリルソックスを履くのが、成人の義務だとでも思っているのか、このアーパーラリパッパクソビッチ!


「ナ、ナーナちゃんっ!」

「お、お兄さんっ!」

 ヒシッ!

 恐怖に晒された者同士、手を取り合って縋り合う!

 お互いを惜しみ合い、心底身を案じた言葉が口を突く!


「俺の代わりに犠牲になって!」

「ボクの代わりに地獄に落ちて!」

 俺達の考える事は一緒だった!


「大丈夫だよナーナちゃん!ナーナちゃんならきっと似合うからさっ!」

 説得の一手あるのみ!

 相手を煽てあげて、木に登らせる!


「大丈夫だよお兄さん!お兄さんならきっと似合うからさっ!」

 しかし敵もさるもの!

 俺を木に登らせようとする!


「俺は前からナーナちゃんは可憐で、本当にお綺麗だと思ってたんだよ!」

 幸いナーナちゃんは、シャーシャちゃんと張り合える程の美少女!

 あの悪魔の様なアイテムでも着こなせる筈!


「ボクは前からお兄さんは可憐で、本当にお綺麗だと思ってたんだよ!」

「マジか!実は自分でも薄々そうじゃねぇかと思ってたんだよ!」

「うんそうだよそうそう!」


「どんな服が似合うと思うよ?」

「ガーターベルトとか似合うと思うよ!」

「そうか!色は?」

「紫とかいいと思うよ!」


 思い描いてごらん!

 紫のガーターベルト履いた俺の姿を!


「てめぇこの脳裏に浮かんだグロ画像片付けやがれ!」

「お兄さんボクちょっと何かに目覚めそうになったよ!」

「ラリってんじゃねぇケモ耳ロリータアアアアッ!」

「ボクの趣味に文句付けないでよおおおおっ!」

 手を取り合った状態から、力比べの形にスムーズに移行する!


「よっ!」

「はっ!」

「たぁ~っ!」

「にゃ~っ!」


 挑みかかるような体勢から、背筋のストレッチの如く引き合う体勢へ!

 クリンクリンと一定間隔で体勢を入れ替えていく!

 そして押し合いへし合い、有利な体制を入れ替える!

 ちなみにナーナちゃんとは身長が違うので、割と俺の負担は大きい!


「くっ!やるなっ!」

「にゃっ!お兄さんこそっ!」

「埒が明かんっ!」

 ナーナちゃんと頷き合う!


「「こうなったら!点ピン、半荘アリアリでどうだ!」」

 ごく自然な流れで、麻雀で決着を付けると宣言!

「「乗った!」」

 2人して脅威目標(ミミカカ)から離脱を図る!


「どこ行くんですか!」

 しかし回り込まれている(絶望)!

 訳の分からない会話で煙に巻いて、ドサクサの内に逃走する作戦失敗! 


「囲まれてるにゃん………」

「その様だな………」

 別にシャーシャちゃんもグララも協力してないから、対峙してるのはホワイトフリルソックスデビルだけだ!

 しかし、追い詰められ絶望した俺達の目には、周りを取り囲む白フリルソックスが見える!

 やだ、何それ末期的!


 ちなみにナーナちゃん。

 涙目になって、耳ペタン。

 遠慮がちに俺のシャツの裾を掴んでる。

 追い詰められた状態でもあざとい。

 女というのはいつも打算的なもんだなと感心した。


「2人もきがえてくださいよ」

 包囲を狭めるホワイトフリルソックスデビル!

「あわわわわ………」

「あにゃにゃにゃにゃ………」

 言語能力を喪失する俺達!


「2人がどんな服えらぶのかも見てみたいですし」

「あわわわわ………あわ?」

「あにゃにゃにゃにゃ………にゃうん?」

 2人で顔を見合わせる俺達。


「あわわわわ、あわわわ、あわ?」

「あにゃにゃにゃにゃ、あにゃにゃにゃ、にゃうん?」

 落ち着いて2人で状況を確認する俺達。

 どうやらホワイトフリルソックスデビルは、俺達の服選びを見たいだけで、自分の眷属にしようとしてた訳ではないらしい。


「あわわわわー!」

「あにゃにゃにゃにゃー!」

 お互いの顔を見合わせ叫ぶ俺達!


 ちなみに俺は、ナーナちゃんが何言ってんのか、さっぱり理解できない。

 何あにゃにゃにゃ言ってんのコイツ?




 とりあえずあにゃにゃにゃ言ってるのと、ホワイトフリルソックスデビルとお別れ。

 1人お着替え用テントに入る。

 ナーナちゃんはナーナちゃんで、自分用のお着替えテントを召喚して、後で合流する予定。

 しかし困った。


 俺はキャラメイキングとか好きな人だ。

 オンライン3DRPGとかは、ゲームをプレイするより、キャラメイクしてる時の方が楽しいと感じる。

 それに気付いた俺は、通販サイトでキャラメイクができるゲームを探した。


 例えば三国志のゲームの中に、自由にキャラメイクできるゲームが有った。

 オリジナルのキャラを作ったり。

 アニメ、ゲームのキャラを再現してみたり。

 自分の作ったキャラが、大量に登場する三国志は、滅茶苦茶で楽しかった。


 例えばアダルトゲームの中に、キャラの容姿、服装を自由に設定できる3Dゲームがあった。

 最早エロシーン等目に入ってない。

 只管キャラを作るのが楽しかった。


 しかし、それでも不満があった。

 題材上、どうしても服のパーツがアニメチックなのだ。

 無論オタクなので受け入れる余地はある。

 むしろそういう服装は好きだ。

 それでも、もっとリアルな服を選びたいという欲求は残った。


 そこで通販サイトでゲームを探し続けた結果。

 セレクトショップを経営するゲームを見つけた。

 自分の店を訪れる様々な客に、要望通りの服を選ぶ。

 女児向けゲームとされていたが、レビューの評判が高く興味を持ちプレイした。


 そしてコレに大ハマリ。

 服を仕入れる。

 仕入れた服を売る。

 売上で再び服を仕入れる。

 このサイクルを只管繰り返した。


 特定の色を取り入れたコーディネート。

 柄物を取り入れたコーディネート。

 小物を取り入れたコーディネート。

 客の要望に応じる事で、自分だけでは思いつかなかったコーディネートに辿り着けた。


 こうして、彼女いない歴=年齢の、クソ童貞であるにも関わらず。

 レディースファッションというのを、少し理解できる様になった訳だ。

 しかし、それも所詮はゲームでの事。

 決められた条件に沿って、限られたアイテムを選択するという範囲での話。


 真実のオシャレ―――トゥルーリィ・ド・オシャンヌには届かないのだ。

 ちなみにオシャンティーだのオシャンゴッドだの。

 語感だけで適当言ってるだけである。

 トゥルーリィ・ド・オシャンヌって英語なんだか仏語なんだか?

 まぁ俺の怪しい語学センスは置いておいて。


 要は俺、現実的なオシャンティーさは欠けているのだ。

 そんなの上下黒で統一した、ワークシャツとカーゴパンツでわかるって?

 いやはや御尤も。


 まぁ一応、普通にレイヤードのシャツとか。

 チノパンとかジーンズとか。

 パーカー、ジャケット。

 ごく普通の服も一応持ってるけどね。

 1つ3千円もしない様な安物の中から、デザインがマシなものを厳選して買った。

 そこまで酷いものではないと一応思う。


 もし服の事が一切わからないなら1つだけ助言をしておこう。

 黒、ネイビー、ベージュの3色を基本に、あとは白い服を選べ。

 その色の範疇で、インナー・アウター・パンツを揃えていく。

 そして3色バラける様に組み合わせれば、ごく無難な鉄板のコーディネートができる。


 俺は黒が大好きで、つい黒いアイテムを買いがちだった。

 なので、意図的にネイビーとベージュを買う様にした。

 ベージュのパンツ・ジャケット。ネイビーのパーカー・Tシャツ。

 真っ黒オンリーだった俺は、ただ4つのアイテムを手に入れる事で、パンピーへの仲間入りを果たしたと言える。


 ちなみに真っ黒アイテムは多種多様だ。

 ジャケット1つとっても色んな種類を持っている。

 その中でも俺の切り札的逸品を紹介するとすれば。

 それは黒地にボタンや縁取りが金のシャツである。

 ちなみに背中に金でDESTINYと書いてある。


 わずか500円でワゴンセールされていたのを見て、一目惚れして買ってしまった逸品。

 ちなみに恐れ多くて1度も袖を通した事がない。

 いつか背中にDESYTINYを背負える、日本一の男児になるのが俺の夢の1つだ。

 夢が実現しません様に、パンパン(柏手)。


 まぁそんなオシャンレスな俺。

 着替えろと言われても困った。

 やっぱさ………見栄張りたいじゃん?

 『へぇー、お兄さんってセンスいいんだね』とかさ。

 『………お兄ちゃん、それね、かっこいいってね、思うの』とか言われてみたい。

 センスいいよねって言われてみたいもんである。


 しかしどうすればいい?

 正直、黒い作務衣とか、日本フリーク的に選びたい。

 流石に紋付き袴は無理だが。

 なんせ着た事ないから、正しくイメージできず、召喚もできない。


 ウケを狙って忍者服?アレなら想像ができる。

 中高の体育に柔道の選択があったから、柔道着を着た経験ならある。

 アレの細部を調節して、足袋を履いて、脛を上から布でクルクル巻いて。

 トドメに覆面を被れば完成だ。


 そこで気付いたが、よく考えたら俺達の旅は戦闘が前提。

 戦闘面での機能性の追求は、必要なんじゃないだろうか?

 そこで少し、戦闘に向いた服の定義を考える。


 例えば軍服とはどのようなものだろうか。

 軍服にも当然種類はあるが、戦闘用ものでイメージされるのは迷彩服だろう。

 周囲の風景に溶け込むパターン。

 ギリースーツは普段使いとして、だいぶ問題があるから除外するとして。

(※ギリースーツ…狙撃手が潜伏する為等に使用され、着用した瞬間森の仲間になれる衣服)


 神国日本の勇壮なる自衛隊の、迷彩服2型・3型とかいいなぁ(恍惚)。

 ………いや、アレは国防を志した気高い男の魂の制服だ。

 俺みたいな日本国民の末席を汚す者が、身を包む事等は到底許されない。


 となればどうするか?

 よく創作物だと戦闘のエキスパートが、体のラインがクッキリ出る、全身タイツみたいなのを着てたりする。

 なんか凄い素材で出来ていて、体温維持能力、静音性、耐久性に優れ、全天候で使用可能。

 そんな感じの服。

 ピッタリしてるのも、なんか理に適う理由があるんだろうか?


 そうして考えていると、左に佩刀した長門の存在に目が行った。

 全長80センチに及ぶ、超大形マチェット。

 少し考えて欲しい、この長物を下げての日常生活がいかに不便かを。

 ブラブラしていて走るのに支障を来たしている。


 しかしマウント箇所はここしかないのだ。

 例えば忍者刀の様に、背中に背負う形ならどうか?

 全長80センチの長物を、背中から抜くというのは、想像するより遥かに困難である。

 しかも俺は背嚢を背負っているから、背中はフリーでない。

 スムーズな抜刀の為に、佩刀する以外に手がなかったのだ。


 しかし腰に下げるというのは非常に邪魔なのだ。

「大和………私は邪魔か?」

「うぉっ!?ビビらせんなし!」

 疑似神格の長門さんが突如発現した!


「背の高い女は嫌いなのか?」

 涙目の長門さんが、縋る様な目で見てきた!

 正直美少女の涙目の上目遣いとか、余りに大好物のどストライク案件!


「ほ、ほら、見てくれ!背は高いが、体の細さには自信があるんだ!」

 すると、ベルトを外してパンツを下ろして、ふとももを露わにしてくれた!

 おほーっ!

 確かに細ーい!


「くびれだってあるんだぞ、ほら!」

 おほほほほほーうっ!

 下着が見えるのも気にせず、裾ペラってたくし上げて!

 確かにくびれてる!あばらもうっすら浮いてる!

 超細い!


 ってか肌真っ白!

 あと下着も白でした!

 ありがとうございます!

 ありがとうございます!


「その、大和は………痩せた女は嫌いか?」

 潤んだ目で見上げてくる長門。

 怜悧なクールビューティーという印象の顔が、不安そうに俺を見つめている。


 髪の毛サラサラのシャギー入りショート。

 超色白の輝く肌。

 俺に対して献身的。

 ………これ以上望めないレベルの超優良物件だ。


「あ、あのっ、そのっ、えっと!」

 当然好きだと言おうとしたが、俺のプロ童貞としての経験が邪魔をして、全然喋れなかった。

「そのっ、好き、だ………」

 声が掠れて、まともな声になってなかった。


「っ!そうか!そうなのかっ!」

 それでも長門は、花が咲く様な笑顔で喜んでくれた。

「ありがとう………私も大和の事が好きだ………」

 はにかみながら流した一筋の涙が、印象に残った。




 うやむやになったが。

 収穫が2つ出来た。

 1つは最適な戦闘服を模索する必要性に気付いた事。


 俺はナーナちゃんの背嚢の機能に着目した。

 背嚢から、望んだ物品を取り出す機能。

 まずはナーナちゃんの背嚢を、何度も使用して習熟した。

 それが最初のスイーツパーティーと、町での炊き出しだ。


 そして次のステップへ進む。

 今度は背嚢無しで、宙空から望んだ物品を取り出した。

 それが今回の衣服の召喚だ。


 日本の甘味・スイーツ。

 日本の衣服・ファッション。

 様々な既製品を自由に召喚できる。

 それだけでも十分刮目すべき利便性だ。

 しかしこの魔法が本来持つ効果は、召喚等ではない。


 最終的に目指すステップは当然、本来の能力の発揮。

 望んだ物品とは、既製品に限らない。

 思い描いたあらゆる物を、現実にする能力だ。

 最適化された形態とは何か。

 もはや哲学的領域に至っているが、それを突き詰める意味は余りに大きい。


 そしてもう1つの収穫。

 長門の好意。

 雷も、神通も、彼女達も同じ好意を俺に向けてくれるのかもしれない。

 だが、俺の事を好きと言ってくれたのは長門だけだ。


 俺はこの事を忘れられないだろうし、忘れたくない。

 一生の宝物として、あの時見た涙と共に覚えていくんだろう。

17/11/18 投稿

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