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日本男子、異世界に立つ  作者: 忠柚木烈
日本男子の探求
102/154

ミミカカ、日本男子に学ぶ

 アタシはニホコクミを目指す戦士、ミミカカ!


「ヤマトーお兄さんとー?」

「ナーナお姉さんのー?」

「「アカい奴らにはよくわからない、シホシュギケザのコーナー!」」

 よくわかんないテンションのヤマトーさんとナーナ。


「………わー」

 パチパチパチ。

 シャーシャが拍手する。

 ヤマトーさんはよくわかんないことをよくやるから、アタシはよくどうしたらいいのか、よくわかんなくなる。


 でもシャーシャが拍手したら、ヤマトーさんうれしそうだったし、拍手したらいいみたい。

「わー」

 とりあえずアタシも拍手。

「わー、なのだ!」

 とりあえずグララも拍手。 


「うむ、雨垂れの様な拍手をありがとう。良い子のみんな、元気にしてたかな?」

「真っ赤な思想に毒されたりしてないかな?」

「今日はお兄さん達と一緒に、シホシュケザについて勉強しようね」

「はーい、ヤマトーお兄さん!」


 よくわかんないテンションで、どうしたらいいのかよくわかんない。

 チラッ。そんなアタシたちを、ヤマトーさんたちが見てくる。

 こういうときはどうするのが正解なんだろ?

 チラッ。シャーシャを見る。


「………はい、お兄ちゃん」

 返事したらよかったのか。

「はい、ヤマトーさん」

「わかったのだ!」


「はい、ヤマトーお兄さん」

「はい、ナーナお姉さん、なんですか?」

「そもそもお金って、なんで物が買えるの?」

「いい質問だね!良い子の皆、なんでだと思う?」


 ………よいこ?

 えーっと?

 お金でなんで物を買えるのか?

 ………なんで?


 アタシは村で生まれて、ずーっとそこで暮らしてた。

 村では獲物を狩って、それを食べて暮らしてた。

 アタシは獲物を狩る仕事をしてたけど、果物とか薬草とかを詰む仕事の人もいた。

 自分の持ってないものが欲しかったら、他の人と交換してもらってた。

 アタシたちはいつも、お金なんて使ってなかった。


 あ。

 でも、村にもお金はあったな。

 町で薬とか、鉄の道具とか買うのに使ってたし。

 だから村で獲った獲物とか、色んなものとかを町に売りに行く人がいた。


 お金。

 なんでも買えるお金。

 でもなんで、なんでも買えるんだろ?


「んー………」

「………」

「ぬー!」

「まぁ流石にわからないよね。ざっくり説明してみようか。お金っていうのは、最初は今みたいな金属じゃなかったんだよ」

「そうなの、お兄さん?」

 ヤマトーさんがお金のことを教えてくれた。


「最初にお金として使われたのは、どんぐりとかの木の実だったり、牛とかの家畜だったりしたんだ」

「おいしいどんぐり10個あげるから、そのスーパーカー50台くださいってやってたんだね」

「どんぐりの貨幣価値高ぇな、オイ!」

 スーパーカー?何それ?

 ガルウィングがついたすごい馬車のことっていってた。ガルウィング?

 ギロッポンでチャンネーとシースーっていうのはよくわかんなかった。


「金属じゃないお金があったんだねぇ」

「まぁこの金属じゃないお金には、ある問題があったんだ。それは何かわかるかな?」

「問題?」

「お金が自然にあった物から、人工物にシフトしていった理由とも言えるかな」


 問題?

 なんでどんぐりから、今のお金に変わったのか?

「はい、ヤマトーさん!」

「はい、ミミカカ」


「中から虫が出てくるから!」

「え、牛の中から虫が出て来るのか?何それ怖い」

 ヤマトーさんが信じられないものを見る目でアタシを見てた。

 あ、そっか、牛とかもお金なのか。


「はいなのだ!」

「はい、グララ」

「保存できぬからなのだ!」

「おぉ、偉いぞグララ、それ正解だ」

 あ、グララなんかに負けたし!


「魔法使いのお姉さんに10ポイント、張り切っていきましょう」

「あれ、なんか方向性変わってないか?」

「豪華賞品、ヤマトーお兄さんのチューをゲットするのは一体誰か!」

「え、何それいらない」

 いるし!ヤマトーさん、アタシいる!


「………」

「………」

「………」

 にらみあうアタシたち!


 アタシノ!

 ワレノダ!

 ワタシノ!


「ほら、変な事言うから皆微妙な顔してんじゃねぇか」

「お兄さん、もしかして難聴系主人公属性なの?」

「ん?いや、どっちかっつったら………」

「どっちかって言ったら?」


「シテノーの2番属性だな。1番目を見下してる高圧的なキャラなのに、1番目以上にアッサリ負ける感じの」

「あぁそれ1番目は激闘の末、会心して味方になって、他のシテノーを打ち負かして下克上しちゃうパターンの奴だ」

「シテノーって評価と実力がまぁ見合ってないのが常だよな」

「っていうかお兄さん、そんな噛ませキャラじゃないよね?誰かと戦って負ける訳ないしさ?」

「性格はともかく、実力的には最強だからなぁ、俺」


 シテノー?

 4人の強い人って意味らしいけど、なんで4人なんだろ?

 ヤマトーさんぐらい強い人なんて、他はシャーシャぐらいだと思うし。

 ほかのだれかの話みたいだけど、よくわかんない。


「あー、マンガあるあるネタはいい。コホンコホン………自然物をお金としてた時の問題についてだね」

「保存ができないんだね」

「そう。果物だとか、家畜だとか、腐ったり老いたり死んだり、食べてなくなったり、価値が変動してしまうんだ」

「価値が変動するってどういう事なの、お兄さん?」


「美味しい果物と、腐った果物、どっちが食べたいかな?皆で答えてみよう、せーの………」

「………「「「美味しい方」」」なのだ」

「そうだよね。でも、最初は美味しかった物でも、しばらくしたら腐っちゃうよね?」

「うん、そうだね」


「つまり、せっかく沢山のお金を貰ったりしても、しばらくしたら全部使えなくなっちゃうんだ」

「勿体ないね」

「はい、ヤマトーさん」

「はい、ミミカカ」


「ぜんぶ食べたらいいんじゃ?」

 腐ったらもったいないし!

「それだと、結局問題は解決しないんだ。保存できないって事は、つまりは安定しないって事で、お金として使いにくいのが問題なんだよね」

「使いにくい、ですか?」


「そうだよ。美味しい果物なら10個で売れる物があったとして、不味い果物だったら、何個で売ったらいいと思う?」

「え?マズイくだもの………そんなのいらないです」

「同じお金なのに、買えたり買えなかったりするっておかしくないかな?」

「えーっと………でもおいしくないのなんていらないし」


「じゃあおいしいってなんだと思う?どうだったら果物はおいしいの?」

「え、おいしい………新鮮だったら?」

「じゃあまだ青い、未成熟な果物でもいいのかな?」

 あ、新鮮なだけじゃダメだ。

 青いやつはにがい。


「お兄さんお兄さん?」

「ん、どうしたんだい、ナーナお姉さん?」

「ボクたち青い果実でも………食べ頃だよ?」

「………こう?」


 なんかナーナとシャーシャの2人でポーズしてた。

 両手をあたまのうしろで組んで、胸をムンってそらして。

「あぁー、はいはい。2人ともすっげぇ巨乳、すっげぇ巨乳」

 ヤマトーさんが目を細くして言った。


「………きょにゅーパンチ」

 ブンッ!

「ごぶっ!巨乳関係ねぇ!」

 シャーシャがすごい早さでおなかなぐった!


「ボインコブラツイスト」

 ナーナがヤマトーさんに、背中からからみついた!

「おい!背中に何も当たらないのにボインとか詐欺だろ!」

「お兄さん、命は惜しくないらしいね」

「ぎゃあああああギブギブギブギブ!」


 小さくても女なんだから、胸の話なんてしたらダメに決まってるし。




「寄りにも寄って、拷問式のコブラツイストを受ける羽目になるとは」

「タイガードライバー'91の方が良かったかい?」

「あんなん食らったら死ぬわ」

 ヤマトーさんが死ぬような技があるんだなぁって思った。


「まぁそれはともかく………便利にしたいから金属になったんだよ。それに牛とかだと大きくて、持ち運ぶのも不便だからね」

「はーい、ヤマトーお兄さん」

「どうしたのかな、ナーナお姉さん?」

「金属になったのはわかったけど、じゃあなんで金とか銀とか銅とか、種類がいっぱいあるのかな?」

「それはね、色んな理由があるんだけど、大きく分けて2つの理由があるんだ。それが何かわかるかな?」


 2つの理由?

 んー?

 いっぱいあったほうが、キレイでたのしい?


「………はい」

「はい、シャーシャちゃん」

 あ、今度はシャーシャが!


「………いっぱいないとね、大変だから?」

「なるほど。どう大変になると思う?」

「………いっぱいないとね、いっぱいいるの」

 いっぱいないと、いっぱいいる?

 なにそれ?


「流石はシャーシャちゃん、正解です!さぁナーナお姉さん!今すぐこの世界が誇る最高の宝物に、1億ポイントぐらい進呈しなさい!」

「エコヒイキが過ぎるよ!?こういうのって、どんどん盛り上げていくものじゃないかい!?」

「あー、わかったよ。1677万7216ポイントでいいよ」

「下がったけどまだ多いし、なんでそんな中途半端な数字なのさ!?」


「えっ………っていうかっていうか」

 ちょっとまって!

「ん、どうしたミミカカ?」

「いっぱいないと、いっぱいいるってなんですか!」

 ぜんぜんわかんないんですけど!


「言葉通りだよ?」

「言葉どおり?」

「もしもお金の種類が銅貨だけだとするよね?」

「はい」

 それで?


「銀貨1枚分の買い物をしたかったら、銅貨が何枚いるかな?」

「え、えーっと………」

 計算の問題だ!

 銀貨は大銅貨10枚といっしょで、大銅貨は銅貨10枚といっしょ。


「100………枚、ですか?」

「正解ー。もしも大銀貨1枚分の買い物だったら、1000枚いるね」

「1000枚………」

「数えるのが大変だし、持ち運ぶのも大変だよ。かさばるし重たいし」


「だからいっぱいないと、いっぱいいる………んですか」

「そうだよ。種類がいっぱいあるから、買い物する時に100枚も1000枚も、銅貨を使わないで便利に買い物できるんだね」

「世の中よくできてるんだねぇ。お姉さん感心さ」

「必要は発明の母っていうらしいよ、ナーナお姉さん。………さて、もう1つの理由はわかるかな?」


 もう1つ。もう1つかー。

 今度こそアタシが答えるし!

「ぬ!」


 あ!

 グララがもう手を上げようとしてるし!

 させるか!


「はい!」

「はいなのだ!」

「お、ミミカカの方が早かったかな?はい、ミミカカ」

「………」

 手あげちゃったけどどうしよ?


「えーっと」

「………」

 ニコニコしてたヤマトーさんが、つまらないものを見る目になってる。


「どうしたのかな、ミミカカ?」

「えっと、その、うまく言えなくて!」

「うまく言えないのかぁ………それなら言葉をまとめてから手を上げて欲しかったところだけどね。まぁいいか………とりとめがなくてもいいから、思った事を言ってみてね」

「はい………えーっと」

 思ったことなんてないんだけど。


「お金って………いっぱいありますよね?」

「いっぱいあるね」

「いっぱいあるんだから、どれもおんなじやつだったら、つかいにくいと思います?」

「なんで最後疑問形?まぁいっぱいあっても、見分けがつかないと不便だね」

 あ、あってた?


「でもそれは、いっぱいないといっぱいいるって理由の一部だよ。残念だけどお手付きだね」

「ミミカカお姉さん、お手付き!中古品!」

「お前、お手付きってそういう意味じゃねぇよ!いくら俺が怖い物知らずでも、その喧嘩の売り方はねぇよ!」

 なに言ってんのかよくわかんないけど、なんかバカにされてる気がする!


「ボクたち、青い果実(ブルーフルーツ)以外なんて残飯って意味じゃなかったの?」

「例えそういう性癖だったとしても、いきなりそんな事公言する度胸ねぇよ!」

「ほらちょっと酸っぱい物を食べたいって思わないかい?」

「いや、そんな妊婦みてぇな事は思わねぇよ!どっちかっていうと甘党だし!」


「甘いミルクの香りが漂う少女はいらんかね~」

「すんすん………ほぼ無臭、ほんのり汗の香りだな」

「言うに事欠いて乙女に汗の香りとはなんだ!」

「いや、この臭いの発生源は………」

「え?………あぁ」


 なんか2人でチラってグララを見てた。

 人なんてふつう、臭いのが当たり前だけど………グララはとくに臭い。

 でもヤマトーさんも、シャーシャも、ナーナも全然臭いしないしさぁ。

 ………もしかしてアタシも、3人から臭いって思われてる?

 ちょっとショック!すんすん………普通だと思うんだけど?


「む!答えてよいのか?」

 グララは自分が見られてる理由が、問題を答えていいからだって思ってた。

「はい、グララ」

 ヤマトーさんもすぐ合わせてた。


「コインの種類が多いのは、コイン自体に価値があるからなのだ!」

「おぉー、正解。ナーナお姉さん、ポイントをどうぞ」

「2ポイント獲得。やったね、魔法使いのお姉さん♪」

「ぬ!さっきより減っておるではないか!」


「今年から導入された巨乳税でポイントの9割8分は、ボク達青い果実(ブルーフルーツ)に納税される様になったんだよ」

「なんなのだその税とやらは!」

「世界中のけしからん人達が、不当に搾取した異性の視線を税として、ボク達清貧を旨とする者に還元する税だよ」


「ぶふっ、清貧を()とするって………ぶはははははは、そりゃ反則だろ!あひひひひひ、いひひひひひひ、ぎゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 うわ、ヤマトーさんがぶっこわれたみたいに笑ってんだけど!

 ってか笑い方超コワイし!


「それ以上笑うならお兄さんでも許せない!やらいでかシャーシャちゃん!」

「………やらいでかナーナちゃん!」

 あー、胸のことなんて女に言ったら、ダメに決まってるじゃんヤマトーさん。

 人にシャーシャのことバカにしちゃダメって言ってたくせに!


「女の友情と!」

「………情熱と!」

「「情念のツープラトン!」」

 ナーナが、ヤマトーさんの後ろに回って、膝にタックルして………そのまま持ち上げた!?


「頼んだよ、シャーシャちゃん!」

「………任せて!」

 シャーシャが珍しい感じのテンションの高さだ!………なにする気?


 って思ったら、ヤマトーさんたちと反対の方向に走ってった。

 えって思ってたら、すごい勢いで戻ってきた!

「………たっ!」

 途中で跳んだ!


「………「流星!マホショージョキック!」」

 すごい高さにジャンプして!

 すごい勢いでクルクル回って!

 すごい威力でキックした!

 ………ナーナの肩車は、ヤマトーさんにあのキックを当てるためか!


 ズバーンって当たったキックはヤマトーさんをブッとばした!

 ナーナもブッとばした!

 シャーシャもブッとばした!

 うわ………誰も動かないんだけど!


 と思ったのはちょっとだけだった。

 しばらくしたらシャーシャとナーナが起き上がった。

 なんか2人で手を上にグッて突き出してた。

 ヤマトーさんもしばらくしたら起き上がってきた。


「まぐれでいい気になりやがって………こうなったら全面抗争してやるぜ!ベルトを懸けて、来月のタイトルマッチで勝負だ!ペイパービュー!」

 右手て2人を指差しながら、怒った感じでしゃべるヤマトーさん。

 左手は口の前にあててる。

 なんか目に見えないものをにぎってるみたいにしてるけど、そこになんかあんの?


「ねぇねぇお姉さん」

 ヤマトーさんを見てたら、ナーナが話しかけてきた。

「ん、どうしたの?」

「お姉さんならボク達の軍団、ブルーフルーツへの移籍を歓迎するよ!」


「え、なんでアタシが?」

「だって、お姉さんは大人だけど、非課税だしさ」

「ひかぜい?」

 なんのことかわかんない。

 だからナーナがなにを見てるのか見る。


 ………コイツ、アタシの胸見てるし!

 グララはダメで、アタシならいいってことか!

「いっしょにスリープラトンを開発しようね!」

「う、うるさいし!2人よりはアタシの方が大きいし!」


 お!

 大きい………はず!




「ぬ!我は結局正解だったのか?」

「これでミミカカがナーナへの制裁マッチを………ん?あぁ、悪い悪い。プロレスごっこに夢中になってた。正解だよ。まぁ硬貨そのものの価値を担保する為に、国が価値を保証している金属で作成されているからだな」

「たんぽ?ほしょう?」

 むずかしいことばが出てきた!


「例えばミミカカは、誰かがそこらの石を10個程集めてきたのを差し出して、そのナイフを売ってくれって言ったとして売るかな?」

「そんなのぜったい売りません」

 石なんていらないし!


「まぁ当然そうだよね。そこら辺の石なんて価値はないし。でも、それが大金貨100枚ならどうだ?」

「大金貨………」

 1番すごいお金らしいけど、そんなの見たことない。

 でも、アタシのサッキはすごいシトーは、どこにも売ってないすごいナイフだし。

 えーっと、えーっと………どうしたらいいんだろ?


「まぁ売るかどうかは置いておいて………硬貨が石と違って、お金として使えるのは、硬貨に信用があるからなんだ」

「信用って?」

「石なんかと交換しても、他の人はその石じゃ何かを売ってくれないけど、硬貨なら交換しておいたら、何かを売ってもらえるよね。これが硬貨の信用。逆に信用がないなら硬貨に意味なんてないよ」


 あー。

 石なんかもらっても、だれもいらないけど。

 お金だったらもらったら、また使えるからいるんだ。

「ふーん、そっか」


「ふーんって………ボク達があんなに体を張って、時間をかけてやった説明なのに。すごい淡白な反応だね」

「え、だって」

「だって?」

「なんか教えてもらったのって、ふつうっていうか、あたりまえっていうか」

 自分ではうまく説明できなかったけど………ふつうじゃない?


「まぁ………こういう説明っていうのは全部そういうものなんだがなぁ」

 いつものテンションに戻ったヤマトーさんが、つかれたみたいにためいきはいてた。

「じゃあお兄さん。約束のものを」

 そんなヤマトーさんの服をナーナが引っ張ってた。


「ん、約束?」

「豪華賞品『ヤマトーお兄さんとチュー ~ゲレンデが溶ける程熱く燃え上がる情熱キッス~』だよ」

「無関係のゲレンデ溶かすな。っていうかシャーシャちゃんだってそんなん別にいらな………」

 ヤマトーさんがしゃべんなくなった。

 シャーシャが思いっ切り抱きついて………キスしてたから。


「1677万7216ポイントと………巨乳税で頭割りした49ポイント分で、ぶっちぎり1位のシャーシャちゃんの権利だよ」

 数字こまか!よくそんなのおぼえてたな、ナーナ!

「こら、シャーシャちゃん、せっかくの可愛い顔がタコみたいになってて………これはこれで可愛いな。流石は世界に誇る奇跡のマホショージョ!」

 そしてシャーシャのあたまを抑えて、キスを防いでたヤマトーさん。

 けど、シャーシャに甘いヤマトーさんだし、キスしちゃうんじゃ?


「お兄さん?」

「あ?いや、別に他意は………」

 ナーナもシャーシャに甘いヤマトーさんを………。


「頭割りした49ポイントでボクが準優勝だから、副賞にベロチュー貰うね」

「副賞の方がエグいじゃねぇか、離せこの発情ロリビッチ!」

 なんかさっきから3人でイチャイチャしててズルい!

「アタシも!」


「ミミカカは0点だろ」

「お姉さんは中古………お手付きだよね」

「………ダメ」

 みんなクルって、コッチふりむいて言ったんだけど!


「なんで3人ともいきなり素に戻んの!」

 なんか3人ともすごい仲いいんだけど!

17/7/15 投稿・脱字の修正

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