表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

2.笹谷蜜


……あ、言ってしまった。


もはやその場の空気を察する必要も無かった。


数秒後に襲ってくる、自身に対する嫌悪感と凄まじい羞恥心が柊を襲った。

立っているのもやっとで、今すぐここをダッシュで抜け出してしまいたかった。


「あー、あの……」


あまりの静かさに耐えられなくなった柊は、顔を上げて弁解しようとする。


しかし、その声を遮ったのは


「……へぇ〜。まぁ、いいんじゃない?」



……ん?誰だ今喋ったの


ハッとして顔を上げ、目が合ったのは



「せいぜい頑張ってね、ドーテーくん♡」



俺が燃えてしまった、

他でもない蜜なる人物であった。




その日から

俺を見るクラスメイトの目は

いや、学校生徒の俺を見る目は


まるで痴漢した犯罪者を見るような目で。


うん、痴漢したのは合ってるかもしれない?

セクハラってやつ?


俺のメンタルは毎日すり減らされることになったのである。




あの事件があって1週間後


俺は数少ない男子トイレに行こうと、人気の無い別校舎へと向かった。


女子高だっただけあり男子トイレは急遽別な校舎に建てられることになったらしく、つまり野外イベントにある公衆トイレのようなかんじで。


その狭い扉を開けると、



「えっ」



女の子がいた。

いや、入っていた。


「うわぁぁあ!すみませんんん」


バタンッッ!!!

つい反射で思いっきりしめてしまった


でも女の子がなんでわざわざここのトイレ……?

我慢出来なくなって仕方なく入ったのか…?


そう考えていると


……ガチャ

扉があいた

こちらを見ている視線が刺さる。


俺は恐る恐る顔を向けると、


「あ、柊くんだ〜」


こいつは……!!!

俺が変態発言を放ってしまった相手、


笹谷蜜であった。


「おまっ、なんでここに入ってんの?!」


俺はすかさず思ったことを言ってしまった

聞くくらい大丈夫だろ!


「えー、なんでって……そうだな」


蜜はあごに手を当て、きゅるんとした瞳で言った


「柊くんに会えると思って……?」

蜜ちゃんは、ささやみつ です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ