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本当の自分

作者: 龍蒔

 面倒くさい。 面倒くさい。 生きることすらも面倒くさい。

当たり前のように時間が過ぎて行き、当たり前のように成長してしまう自分が憎い。


 自分と話が合う友達のことを鬱陶しいと思ってしまう自分が気持ち悪い。

オレのために気を遣って励ましてくれる友達や先生の言葉が重い。 よく分からないけど、心臓をつかまれたような、心を押しつぶされそうになってしまう。


 僕にはもったいなすぎる、姉妹と父と母の優しさに気が滅入る。

 学校では、いじめも目に付くような差別も受けたことはないのに、学校の生徒や先生を見るたびに恐怖が湧き出てくる。


 家の自分と学校の自分。 似ているようで似ていない、そんな自分。

 家で一人きりのときは悪く言ってしまうとマイナス思考。

友達に相談してみたこともあり、その時のコメントが「現実味があるね」とか「怖い」とかそういう類だった気がする。


 学校での自分は...僕もよく分からないけど。

有りもしない無駄なプライドを掲げて、馬鹿みたいに笑って、自分より頭のいい人とかを上に立てるどうしようもない人間だ。 自分に正直になれない。 そんな自分。

 でも、そんな自分のことを普通に『良い奴』といってくれる人もいっぱいいた。

だけどオレは...僕は、苦笑いで「ありがとう」としかいえない。



 期待された分だけ落ちる。 そんな自分。

 大好きな友達を鬱陶しいと思ってしまう。 気持ち悪い自分。

 周りの評価が怖い。 弱虫な自分。

 家族のことが大好きなのに、頼まれたことをしない。 矛盾した自分。

 全てに理想が高すぎ、物事の本質を見抜けていない。 愚か者な自分。

 自分から希望をも立てときながら、後から絶望を与える。 最悪な自分。

 嘘ばかりしか言わない。 天邪鬼な自分。



 全て、僕。 そして、全てが憎い。

こんな存在、どの世界にも受け入れられることは無いとまでも思っている。


 僕は、今は14歳。 今年で15歳になる中学3年生だ。


 学校の課題をまともにやらず、授業中にも寝る。

部活にはほぼ行っておらず、頭も良い訳ではない。

友達は、案外多いほうだと思うけど、正直そんなものは自己PRにはならない。


 もう、高校にもいけない。 今から頑張れば間に合う? 舐めた事をゆうな。

今まで出来なかった者が、いまさら頑張れるわけがないだろ。


 オレの眼には、全てが灰色に見える。

 こんな勉強して何になるんだ。

 自分の身を守るための授業ならともかく、地理とか英語とかいらないだろう。 と、本気で思っている。


 正直、輝いている人たちがうらやましい。

彼女や彼氏を作って喜んで楽しんでいる人。 自分に取り柄があり自信を持っている人。

人をひきつける力を持っている人。 優しく、思いやりの心を持っている人。

 全部、うらやましい。


 しかし、僕にはその空間に入ることも入る資格さえもない。

今だって、美術の課題をやらなければならないのに暢気にゲームやパソコンをしている。

 本当に、自分の行動に虫唾が走る。 嫌い。 見たくない。 



 僕は、ナレシストの血を持っているのか知らないが、どうしようもなく気持ち悪い顔なのにどうしてか「オレかっこいい」などといった妄言をはいてしまうときがある。

 告白を受けたことは1回しかないし、「~がお前のこと好きだってさ」ということも聞いたことはあるが、恐らく一時の過ちだと思っている。 無視していれば自然消滅したのが、決定的な証拠だろう。


 俺が唯一好きなのは、本。

漫画や小説が大好きだ。 アニメも好きだったが、飽き性のオレには性に合わなかったらしい。

 ライトノベル。 今でも読んでおり、買った中で未読の本が5,6冊くらい溜まる位に好きだ。

一時期は、小説を書こう! とも、思った。 しかし、勉強をしていない中学生のオレには少し荷が重すぎたようで、全く良い文が書けないし、思いつかない。


 所詮は、子供の妄想って事だ。



 何度も言うがオレは、自分のことがとてつもなく嫌いだ。

昔も今もこれからずっと、嫌いであり続けるだろう。

 いつか、全ても投げだして自殺してしまうかもしれない。

それも、また良いだろう。 面倒くさがりで何も出来なくても、少しだけ頑張ってみようと思う。



 オレの心が壊れるまで、ずっと―――ってな



 

 オレは、何がしたかったんだろう...

結局は、どこまで行っても分からず仕舞いか…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 雰囲気がある作品です。 主人公の中学生らしい葛藤が、分かりやすい。 [一言] 本当の自分。 中々私も見つかりません。 龍蒔先生は見つけたのでしょうか。
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