激突！
お待たせしました。
リアルが忙しく更新が遅くなって申し訳ありません。
何とか切りの良いところまで書けたので投稿致します
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シオン達が準備していると、オオラン帝国の軍隊はすぐにやってきた。
「こうしてみると圧巻だね」
「ああ、だが、各部隊で連携は難しいだろうから正直、打って出てもいけると思うんだけどね」
ただ多くの人が死ぬからね。
それは私達の仕事じゃないよ。
「でも、良いの？レイの兄弟なんでしょ？」
「兄弟と言っても殆ど顔を合わせたことも会話したこともないから大丈夫だよ」
レイは開戦前に仲間達に自分の生い立ちを説明していた。
「シオンごめん。今まで黙っていて」
「別に気にしてないよ？平民でも貴族でも、王族でもレイはレイだから♪」
レイはシオンの言葉に嬉しくなり思わず抱きしめそうになった瞬間に──
「こらっ！今から戦争なのにイチャコラしない！」
アイリスが釘を刺してきた。
「べ、別に何もしていないから！」
「はいはい、それより準備は良いの？」
今回の作戦の要はアイリスの兵器だった。
シオンは余りアイリスに大量虐殺の兵器を作って欲しくなかったので、敵を無力化させる罠や兵器を準備してもらった。
「こっちは大丈夫。まずは敵の攻め方を見てからだね」
スランは大きな城壁に囲まれており、攻めるとなると攻城兵器か、長い梯子で城壁を登るか、魔法で城門や城壁を破壊するしかなかった。
「見たところ攻城兵器は見えないから、一気に大勢で攻めて梯子で登ってくると思う。オオラン帝国は剣技が主流で魔法は二の次のところだから」
「ネクロス王国と反対だね。あっちは魔法や魔法技術が主流だから」
「接近戦か遠隔攻撃かの違いで一概にどっちが強いとは言えないけどね」
ブオ～～ンと戦場の笛の音がなり、オオラン帝国が一斉に動き出した。
約50人づつに別れて、城壁に梯子を掛けて攻めてきた。
スランの兵士は城壁の上から一斉に弓矢を放ち、近づいてきた兵士を射殺した。
「やっぱり人数が多いね」
「いずれは何処かから登られるかも知れないが、今は我慢だよ」
「うん・・・・」
目の前では多くの兵達の命が散っている。
スランの兵士にもしたから弓矢で狙われ少ないながらも被害が出てきている。
守備に回っているスランの方が優勢だが、敵の方が数が多くまだ戦況はわからない状態だ。
そんな時、城門の方でドカーーーン！と大きな音がした。
「城門に魔法が撃ち込まれた！戦力を城壁の方に当てて、守備兵が少なくなった所を狙ったんだ！？」
「大丈夫よ。城門の方には防御魔法が掛けてあるから問題ないわ」
スランの魔法部隊は城門の方で魔法防御の呪文を張っていた。
城壁の上にいるのは殆どが一般兵だ。
「敵の魔法部隊が近づいてきたわ！アイリス！」
「了解！！！」
城門の上に隠されていた布を取ると投石機が現れた。
「騎士団の皆さん！お願いします！」
すでに狙いを付けてあった投石機から『とある石』が投げられた。
大きく弧を描くと敵の魔法部隊の近くに落ちた。
ドッカーーーン！！！！！！！
今までにない大きな爆発が起こり、近くにいた魔法部隊の殆どが戦闘不能になった。
「よし！今のうちに、敵の魔法部隊や弓隊を狙え！」
それから何度か投石機から爆弾が投げられて敵に大きな損害を与えることに成功した。
昼前から戦闘が始まり、日が落ちる前にオオラン帝国は引いていった。
「敵が撤退していきます！」
「まずは守り切ったねぇ～」
敵がある程度離れていった時、城門が開いた！」
「今が好機！グラン騎士団の恐ろしさを見せつけるぞ！！！」
ウオオオオォォォ！！！！！！！！！！
騎馬隊が突撃した。
敵は撤退中で背中を見せている。
騎馬隊の先頭にはフォークさんがいた。
グランの騎馬隊は全力で突撃していき、敵の中央を後ろから喰い破った！！！！
「止まるな！全力で駆け抜けろ！！！！！」
馬にも強化魔法を掛けるという聞いたこのない戦術にシオンも城壁の上から驚きながら見ていた。
フォークさんの騎馬隊は敵の中央を突破してUターンして開いた道を逆走した。
そして敵が混乱している間に城門からまた戻ってきたのだった。
300騎で突撃して10騎も減っていなかった。
「フォーク様！大丈夫でしたか？」
「エリザ様、大丈夫です！大成功でしたよ」
勇敢に突撃した騎馬隊を労い、今度こそ戦後処理に入るのだった。
初日ではオオラン帝国側に3千ほどの死傷者が出て、こちらは100人も被害がなかった。
そしてフォークさんが突撃した中央で、なんと敵の王族2人を倒したという快挙があった。
「多分、王位継承権の順位の低い者ですね。7～１0位ぐらいのヤツですよ」
「じゃ、まだ戦場にきていない王族もいるのね」
「ああ、必ず増援が来るよ。今と同じくらいかもっと多くのね」
このままじゃジリ貧じゃない？
シオン達はまた作戦を考えることになるのだった。
