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婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜  作者: naturalsoft


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機転?(謎の2人)

シオンは料理を全て食べてから席を立った。

みんなにはゆっくり食べててと言うとシオンは1人で部屋をでた。

通路には何人かのお店のスタッフと思われる人がいたので状況を聞いた。


「あ、お客様、部屋にお戻りください」

「私なら大丈夫。隣から大きな音が聞こえたんだけど何があったのか教えて。力になれるかも知れない」


いつものAランク冒険者のカードを見せるとスタッフは安心かの様にほっと息を吐いてから教えてくれた。


「実はこの町を治めている領主様の御子息がいらっしゃっていて………」


話を聞くとこうだ。

この町の領主はまともな方だが、このドラ息子が問題児で、たびたび問題を起こしては金の力で解決しているらしい。


「それで今回はどうしたの?」

「うちの女性スタッフに給仕をさせた挙げ句、夜のお供をしろと言ってきて、支配人が抗議したところ激情して支配人を殴ったんです」


うわぁ~

何処にでもクズっているんだね~


ひょこっと部屋の中を覗くと初老の男性が倒れており、さらにムチを打つようにお腹の出た……いわゆるデブが足蹴りしていた。


『ぶち殺してもいいけど………後から面倒だしなぁ、あの手で行くか』


「ちょっと何をしているのよ!」

「あん?誰だお前は!」


シオンは無視して倒れている支配人に駆け寄った。

脈を取る振りをして言った。


「………死んでいるわ。そこのスタッフ!衛兵を呼んで!殺人事件よ!」


!?


「はぁ!?このこのくらいで死ぬなんて軟弱なヤツだ」


そう吐き捨てるクズデブに言ってやった。


「何言っているのよ?バカなの?」

「貴様!俺が誰だか知って物を言っているのか!」


シオンは指を突き付けて言ってやった。


「はい、バカ決定!貴方は殺人犯として捕まるのよ」

「ふざけるな!オレはこの町の領主の息子だぞ!」

「はぁ~バカって話が通じなくて困るわ。貴方、このカードが何かわかる?」


シオンはわかるかなぁ~?と不安に思いながら冒険者カードを見せた。


「冒険者カードではないか?それがどうした?」


シオンは笑顔になった。


「いやー!バカでもわかってくれて良かったわ。ランクが見えるかしら?」

「Aランクと書いてあるな?」


パチパチパチ!

「Aランクは1代限りの貴族の地位もあるのよ。私が証人になるから、殺人犯の貴方は捕まるの」


!?


「なっ!?」

「殺人犯は一生刑務所の中で暮らすか、犯罪奴隷として鉱山などで死ぬまで働くか、どちらの刑罰が良いかしら?ちなみに、これだけ目撃者と証人がいるんだから口止めや、お金での買収は無理よね~」


クズデブは慌ててキョロキョロすると、入口に集まっていたスタッフ達を見て青褪めた。


「クソッ、何を見ているんだ!どけ!!!」


部屋の入口にいたスタッフ達を押し倒して慌てて出ていった。


「くっ、あはははは!バカは何処まで言ってもバカね!」


シオンは倒れていた支配人を起こした。


「大丈夫?」

「いたた………ありがとうございました」


支配人が生きていてスタッフは驚いた。


「大丈夫よ。死んでないから。頭を打って気絶していただけよ」

「じゃっ、さっきのは………」


「演技よ♪これでしばらくはこの店にやってこないでしょ。あ、後、クズデブがついに人を殺したかもと噂を流しておいて。そうすれば、この町での横暴もやり辛くなるでしょ?」


「おお!それは素晴らしい!本当にありがとうございました!」


予想以上に喜ばれて、シオンは照れながら頭を描くのであった。珍しく良いことをしたシオンだった。

(珍しくって何よ!)




シオンが港町で人助けをしている時、鉱山の町に2人の【男女】がやってきていた。


???

「まったく、魔界の門だなんて珍しいものをそのままにしていくなんて困ったものね」


???

「まぁそういうなよ。だからオレ達が来たんだろ?」


2人の周りには多くの魔族が倒れていた。


「あの魔界の門を封じたと言っても、弱い結界だしね~。すぐに解除できるし、通路の入口を壊したぐらいで大丈夫だと思うだなんて本当に甘いわねぇ~」


「あの近衛の主である姫さんも、後から掘り出して利用しようとしていたんだろな。すぐに掘り出せるぐらいしか通路を壊してなかったしな。だがこれは危険過ぎる。しっかりと『消滅』させとかないといけない」


男は剣を構えると闘気を込めた。


「秘奥義!刹那の一刀!」


男が剣を振るうと魔界の門は跡形もなく消え去った。


「ふぅ~これで大丈夫だな」

「さすがね♪でもシオンは修行のやり直しかしら?」

「まぁまぁ、もう少し様子を見ておこうぜ?」

「もうっ、貴方がそういうなら、もう少し様子をみますけど………」


女は少し不満そうだったが男の言う通りにしたのだった。


「でも国同士の戦争に、魔族の介入と古代遺跡の遺物なんて物騒ね」

「ああ、シオンだけじゃなく周辺国の情報もしっかり調べておかないとな」


そういうと、2人は音もなくその場から消えるのであった。







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