船旅!
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シオン達はエリザの父親が治める南の交易都市スランに向かうことになった。場所的に船が出ているのでシオン達は初めての船旅を楽しむことにしたのだった。
「大きいねぇ~」
「そうですわね。基本的に荷物を運ぶのが主であって人はおまけですから、船が大きくなるのは当然なんですわ」
なるほど。
大量の荷物をお互いに輸送している訳だもんね。
「そう言えば海上は安全なの?」
「今回は南のスランに向かうので陸からそんなに離れませんので、並の魔物なら問題ありません。魔物が出るので海賊と呼ばれる者は滅多に出ませんし、ネクロス王国に向かう近海まで行かなければ大きな魔物も出ませんしね」
ふむふむ。
「まぁ、最悪グーちゃんがいるから私は大丈夫だけどね♪」
「そんなことを言っていると本当に落ちてしまうぞ?」
やれやれと言った感じでレイは海上を見つめた。
「良い風ね~」
「うん。船旅も良いもんだね~」
エリーゼとエリザも甲板でくつろいでた。
グリフォンのグーちゃんも甲板で丸くなって寝ていた。
「陸に近いっといっても、見えなくなるくらい離れて移動するんだね」
「陸に近いと、座礁してしまうからだよ」
そういうことか!
シオン達は船旅を満喫していた。
「いやー!船での食事ってどんなものかと思ったけど、なかなか美味しいね♪」
「ええ、船の食事ってチーズと干し肉ぐらいだと思っていましたが、まさか新鮮な野菜が出るとは思っていませんでした」
船の大食堂でワイワイと食事をしているシオン達に、同じ乗客が話し掛けてきた。
「お嬢ちゃん達は船旅は初めてのようだな」
「あ、こんにちは。そうなんですよ」
「目的のスランまでは1週間ほどだからな。ネクロス王国など1週間以上掛かる場合は、食事の種類は減るが、途中の別の港にも寄るから食事はそれなりに美味しいんだよ」
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
旅の醍醐味である同じ旅仲間である乗客と仲良く話をした。
「おじさんは商人さんなの?」
「ああ、そうだよ。鉱山の町で仕入れた武具を交易都市に売りに行くんだ」
「あれ?しばらく鉱山が封鎖されてたよね?」
「すでに発掘された鉱石で作られたものだよ。鉱石って言うのはそのままでは使えなくてね。鉱石を溶かして不純物を取り除いて、インゴットなどにしてから武器や防具に加工するんだよ。だから鉱石が封鎖される前に発掘された鉱石で武具が作られた訳だ」
ほうほう?
なかなかためになる話を聞かせて貰った。
コソッ
「最近、物騒だしお嬢ちゃん達も気を付けてな」
「ああ、大丈夫だよ。私、こう見えてAランク冒険者だから。専門は素材採取のハンターだけどね」
「おお、そんな凄いお嬢ちゃんだったのか!?」
ドヤ顔のシオンに商人は驚いていた。
Aランク冒険者の肩書様々である。
それから交易都市のスランでの噂話を聞いてから別れたシオン達だったが、商人から聞いた話は思ったより深刻だった。
「もう噂になっているんだね」
「ええ、スランが傭兵を募っていること。それに目を付けた商人が武具や食事を売りに行っていることなどですね」
「僕が気になったのはオオラン帝国の兵士も集まっているって情報だよ。ライラ王女は婚姻を餌にオオラン帝国の力を借りようとしているはずだろう?すでにスランに集まっているのはおかしくないか?」
「確かに。王家に反旗を翻すつもりのスランに協力するのはおかしいね」
う~ん?と頭を捻った。
そこにレイが意見を述べた。
「多分だけど、どちらにも支援して情勢を見定めているんじゃないかな?決定的に情勢が確定すれば、落ち目の方から手を引くって感じで」
「なるほど。どっちに転んでも良いように動いているってことね。頭良いじゃん」
「シオン、君はどっちの味方なんだ。オオラン帝国はこの国を食い物にしようとしているんだよ?」
「わかっているわよ。でも、今の所どんな風に国に影響が出るかなんてわからないじゃない?あくまで帝国のやり方が上手いって思っただけよ」
まぁ、今の所は盗賊が退治されて商人が儲けている状態になったけどね。それもいつ変わるかわからない状態だし。シオン達は多くの乗客と話をして情報を集めるのだった。




