鉱山とは?
鉱山の入口に入ると、あっちこっちにツルハシやトロッコなど放置してあった。
「こんな入口近くでも緊急避難の指示が出たんだね」
「慌てて逃げたって感じだな」
鉱山とは言われているが、中に入ると天然の洞窟や鍾乳洞のような感じだった
「これは圧巻ですわね」
「広いねぇ~」
シオン達はいつの間にか観光にきた人みたいになっていた。
「入口に取り合えず鉱夫の人達がバリケート作ってたから、中から魔物が出てきても時間が稼げるね」
「この鉱山、昔から魔物は出てたでしょうに」
「それは、今までこんなに緊迫したことはなかったってこと?」
シオンはアイリスの問いに頷いた。
「いくら騎士団が仕事をしなかったとはいえ、基本的に出現する魔物は同じはずなんだ。それが、ここまで大騒ぎになるほどの魔物が急に出るのかな?」
「確かに妙だ?」
「シオンさんは今回の魔物が何者かの仕業だと?」
「まだそこまではわからないよ。でもそうだね。視点を変えて物事を見てみようか?今回の騒ぎ仮に領主が犯だったと仮定した場合、動機はなんだろうね?」
う~ん?
「そうですわ。人心を集めるカミーユさんが邪魔で起こしたとか?」
「でも、鉱山はこの街の主要産業だよ?鉱物資源が発掘出来なければ税が取れず、結局困るのは領主になるよね?だから領主の線はないかな?」
「それでしたら他国の陰謀でしょうか?」
「他国の陰謀だとしたら、鉱山に強力な魔物を放った目的は?」
「この街の経済にダメージを与えるのが目的とか?」
「でも、それだと効率が悪いよね?その後は他国の兵士を連れてきても、鉱夫が居なければ資源は採れないから」
「そうだね。他国の陰謀の線もないかな?」
「だとしたら今回の騒ぎの原因はなんなの?」
シオンも腕を組みながら歩いて首を傾げた。
「まだ情報が足りないなぁ~、可能性の一つに魔物が増えたせいで、突然変異体が生まれたかも」
「なるほど。そんな考え方もありますのね」
エリザは関心したようでシオンを見た。
「偶然に発生した可能性もあるのか………」
「まぁ、人災といっても良いかもしれないけど。取り合えず、カミーユさんを探して情報共有しないとなんとも言えないから急いで探すよ!」
そう言って足を速めた。
鉱山は広く、一階層にいなかった。
シオン達は2階に降りて探索した。
大声で叫ぶも返事がなく、魔物が集まってきてしまった。
「余り大声を出さない方がいいのではなくって?」
「いや、これでいい。魔物が僕達の方へ集まった方が他の者は襲撃が減って助かるからね」
エリザの問いにレイが答えた。
「でも、私達が大変ではありませんか!」
目の前には多くの魔物が集まってきており、身動きができなくなっていた。
シオンはそろそろかなぁ~と呟くとアイリスに命令を下した。
「さぁ!出番だ!アイリス、GO!!!!」
「アイアイサ~~!」
軽いノリで答えると、アイリスは特製バズーカーを構えた。
「いっくよ~~!みんな、10秒でいいから口を押さえて息を止めてね!」
ドーーーーーン!!!!!!
アイリス特製麻酔弾が放たれた。
多くの魔物が眠ったのでトドメを刺していく。
「甲殻虫系の魔物が多いね。ゴブリンはなし。獣型の魔物もけっこういるかな?」
「大鼠もいるよ」
「虫と獣型の魔物が多いみたい」
仲間達から眠っている魔物をじっくり観察しながら倒していった。
「よし!この鉱山の魔物系統はだいたいわかったわ。先を急ぎましょう!」
シオン達は先を急いだ。
途中で鍵の掛かる部屋に隠れていた鉱夫達に会った。15人ほど隠れていたようだ。
「よく無事だったな」
「ああ、ここは従業員の休憩所でな。湧水を利用して飲水もあるし、食料も備蓄してあってな。こういう時の緊急避難場所になっているんだ」
「それでここにカミーユって人物は来たか?」
「少し前に来てくれたよ。自分が魔物を倒して来るって出ていったけど」
!?
「それで、強力な魔物はどこにいるんだ?」
「カミーユさんにも言ったが、移動していなければ、ここからもう一段地下に降りた先にいるはずだ」
「ようやく手掛かりGETだね!すぐに向かうよ!」
仲間達は一同に頷いた。




