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またトラブル………

一晩が過ぎました。

「おはようございます」

「おはよう～」

部屋から出て一階の広間でシオンを待ちました。

「お～は～よ～～」

少し遅れてだが、だいたいの時間通りにシオンが起きてきた。

「あら珍しい・・・」

「シルフが頑張ったの！」

疲れ切ったシルフがシオンの肩に乗りながらやってきた。

「シルフ、お疲れ様でした」

「えっへんなの！」

大変な仕事をお疲れ様と労ってから宿屋を出発しました。

シオンはまだ半分夢の中であった。

レイの調べた街の顔役であるカミーユの自宅へ向かった。

すると自宅前に人だかりができていた。

「なんでしょう？」

「なんだろうね？」

レイは話を聞いた。

するとカミーユと言う人物が鉱山に入って戻ってきていないと言う話だった。

「大変じゃない！護衛とか居なかったの？」

ようやく目の覚めたシオンが尋ねた。

「なんでも鉱山に魔物が出てそれを倒しに入ったらしい。護衛は連れて行かなかったようだ」

「なに？そのカミーユさんて鉱夫であり、魔物とも戦えるの？超有能じゃない！」

それでどうする？っと話になり、当然助けに行くよ！ってなりました。

「どこから鉱山に入れるの？」

「いくつか入口があるそうだけど、上の方にある入口って聞いたよ」

シオン達の話が周囲にも聞こえたらしく、集まっていた人々が聞いてきた。

「君たち、鉱山に行くのか？」

「大丈夫なの？」

シオンはAランクハンターの資格を見せた。

「これでもAランクの冒険者なんだ。だから大丈夫だよ」

Aランクと言う肩書きは絶大であり、人々は安心した様子でお願いしてきた。

「頼む！カミーユさんは俺たちの恩人なんだ。助け出してくれ！」

「お願いします！少ないけど御礼は出すから！」

行く前に素朴な疑問をシオンは聞いてみた。

「一つ教えて。カミーユさんはどうして護衛を連れて行かなかったの？魔物退治だよね？」

「そ、それは、恥ずかしい話なんだが、護衛を雇う金が無いんだ」

？？？？

「それはここの領主が税金を6割取っているから？」

「それもあるが、訳のわからないものにも税金を取っているんだ。売り上げだけじゃない。街の飲み水や鉱山で使う道具などにも徴収していてな・・・」

「はっ？飲み水にもですか？鉱山の鉱業用水などに税をかける話は聞きますが、飲み水にまで税をかけるなんてありえませんわ！」

「そう憤っても、領主は騎士団や傭兵を雇って武力で押さえ付けるんだ。カミーユさんが自腹を切って、税の払えない奴のお金を肩代わりしてたりしていて、本当に良い人なんだ」

「本来であれば領主が騎士団や傭兵を雇って鉱山内の魔物を定期的に駆除してくれるはずなんだが、今はそれもやってくれなくて俺たちが弱い魔物を倒しながら鉱山を掘っている状態が続いていてな・・・」

エリザを怒りで拳を強く握り締め血が出ていた。

コソッ

「エリザ、力を抜きなさい。今は早くカミーユって人を助けに行くわよ。今回は付いてくるでしょ？」

「当然ですわ！ノブレスオブリージュを忘れたクズ貴族は絶対に許しません！」

ゴゴゴッとエリザは怒りに燃えていた。

（物理的に）

「どうどう、落ち着いて。クールに行こうね？」

エリザを宥めながら鉱山へ向かいました。

向かった鉱山の入口はかなり大きく、天井も高かった。

「ねぇ、この鉱山ってまさかダンジョンなの？」

「えっ、そうなのですか！？」

シオンとレイは中から漂ってくる魔力を感じ取っていた。

エリザは前回の素材採取のことを思い出し顔が引き攣った。

「あ、あの時のダンジョンのトラウマが・・・」

「ああ、ダンジョンリレーは大変だったよね・・・」

体力のないアイリスもゲンナリした様子だった。

「まぁまぁ、普段は一般人の鉱夫が普通に出入りしているんだから大丈夫でしょ」

「私も一般人なのですが・・・」

？？？

「「誰が？」」

シオンとレイは初めてあった時のエリザを思い出して思った。シオンはエリザの言葉を無視して鉱山に入るのだった。