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婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜  作者: naturalsoft


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ようやく出発です

信じて貰えない所にエリーゼが魔道具を解除してエリザに事情を説明した。


「ほ、本物のエルフ!?」


こうしてエリーゼの口添えで、ようやく信じて貰えるのだった。


「それで、鉱山の町に手紙を届ける話はどうなったの?」


「もうとっくに王子様から手紙を預かっておりますわよ。急ぎでは無いとはいえ、余りお待たせする訳には行きません。明日の朝一で出発しますわよ!」


「はい!了解しました!!!」


素直に返事をするシオンだった。


コソッ

「この方は?」


あ、自己紹介がまだだった。


「えっと、こっちはエリザって言ってね。実は───」


シオン達はこれまでの経緯を話した。


「それは人間の国も大変なことになっているんですね」

「エリーゼはこの周辺の国の情報って知っているの?」


首を振った。


「いえ、年に何回か、この耳を隠す魔道具を使って、このスローの街に旅人の振りをして情報を集めているぐらいで、簡単な国の場所や名前は知っていても詳しい情報までは知りません」


「なるほど。直接エルフの国の場所がバレるとしたら、このスローの周辺の開拓が進んだ場合だからね」

「エルフの国が脅かされなければ、それ以上の情報は調べないか。当然だね。遠くに行けば行くほどリスクも高まるし」


シオンとレイも納得して話を続けた。


「それで、次は東にある鉱山の街に向かうのね」

「私たちも行ったことが無いから詳しくは知らないけど、鉱山と海に面しているから、貿易も盛んで良質な武具がウリみたいね」


「それは楽しみですね。私は色々な武具を見るのが好きなので興味があります」

「あら、奇遇ですね。私も他の街の商品を見るのが好きなんです」


エリーゼの言葉にアイリスが同意した。


「なんか趣味が合いそうでよかったね」


アイリスの趣味が兵器作りなのは秘密にしておきましょう。ちゃんとポーション開発もしているしね。

シオンは曖昧に微笑みながら言葉を濁した。


色々話をしていると時間が経ったので解散となりました。

ーー翌朝ーー


「さてと、そろそろ出発しましょうか!」

「うん!行くなの~!!!」


新しい仲間を加えてシオン達は旅立った・・・?

うん?


「今の声だれ???」


周囲を見渡すと、妖精のシルフが座っていた。


「あれ?シルフじゃない?どうしてここに?」

「シオンにはエルフの国を救ってもらったの!だからみんなに言われて、旅に同行することにしたの!」


へぇ~妖精って律儀だね。


「シルフ、外の世界は怖いところなのよ?今からでも遅くないわ。帰りなさい」


エリーゼは反対したがーーー


「大丈夫なの!この隠れ蓑の服があれば姿を隠せるの!」

「なにそれ!めっちゃ欲しいんだけど!?」


人間サイズはないの?

ないのかー!


「これで問題ないの♪」

「でも鼻の良い魔物や魔力察知のできる高位の魔法使いとかはバレるから気をつけて。できる限り守るけど、身の安全は自己責任ですからね」

「わかったの!」


どうやら新しい仲間がもう1人増えたようです。

道中ヒマだったので、より詳しい今の国の現状を話しながら進んで行きました。


「我が国もそうでしたが、トップが変わると国が衰退するのは変わらないのですね」

「そうだね。今の所、うちの王族のだれが国王になるかで生活が良くなるかわからないからなぁ~」


エリザが不満な顔をした。


「第二王子のジーク様が信用できないと?」

「そうだね。会ったばかりで人柄とか知らないし、王女様も裏で動いているみたいだし、私達にとって誰が1番民のことを考えているのか?と聞かれたら、現時点ではわからないとしか言えないもの」


「でもまぁ、今の王太子殿下はないから、王女様か第二王子の案を支持するか、これからの動向を見てから決めるしかないと思うよ」

「ジーク王子の案も斬新過ぎて、他の貴族や領主、民衆が支持するかわからないしな」

「政策に失敗すればその煽りを受けるのは私達国民だから安易に判断はできないからね」


エリザはシオン達を見てクスリッと笑った。


「どうしたの?」

「いえ、王妃として政策に携わってきた者として、まさかこんな場所で政治の話をするなんて思ってみませんでしたから。シオンさん達が貴族に見えて笑ってしまいました」


「エリザ、疲れているんだな。シオンが貴族に見えるなんてすぐに休んだ方がいい」

「エリサさん、早く休んだ方がいいよ~栄養ドリンク飲む?」


レイとアイリスが心配そうに言った。


「ムキィー!あんた達ねぇ~~私が本当に貴族だったら死刑だからね!!!!!」


どういう意味よ!っと怒るシオンに馬車の中は笑いに包まれるのだった。










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