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婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜  作者: naturalsoft


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シオンの実力!☆

ドラゴンは空からエルフの国を襲撃した。

すでにドラゴンと同化したエルフに意志は無かったが、女王の怨みだけは忘れていなかった。

弱まったとはいえ、エルフの国の結界を何度も攻撃を加えて破壊することに成功した。


ここで幸いだった事は、エリーゼの指示で戻ったエルフが戦える仲間を集めて入口に集まって今から出発するところだったことだ。


「まさかドラゴンが襲ってくるとは!みんなドラゴンを撃退するぞ!」


ドラゴンが結界を攻撃している間に城の近くまで移動し、攻撃魔法を展開した。

そしてドラゴンが結界を破壊したと同時に、一斉射撃が行われた。


ドッカーーーーン!!!!!!!


数十人から放たれた魔法はドラゴンに着弾し、大きな爆発を起こした。

ドーーーーーン!!!!!


ドラゴンは墜落した。


「よし、近くにいる住民の避難と、ドラゴンに追撃を加えるぞ!」


これでも魔物の森に住み、狩りをして生計を立てていたエルフ達は普通に強かった。

しかし、元々の強靭な身体を持つドラゴンに、エルフの魔力が加わった事で、耐久性が上がっており、たいしたダメージは受けていなかった。


弓や魔法で適度な距離を保ち、ドラゴンと戦っているエルフ達は素晴らしい連携で対応しており、ドラゴンの攻撃を受けていなかった。少しして業を煮やしたドラゴンはブレスの体勢に入った。


!?


「ブレスがくるぞ!正面から退避しろ!!!!!」


わずか十数秒の溜めの間に、戦闘員は回避して左右に逃げたが、ドラゴンはそのままエルフの城にブレスを吐いた。


ゴゴゴゴゴッッ!!!!!!!!


強烈な熱線のブレスが城の頑丈な扉を突き破り、一撃でエルフの城の一部分を破壊した。


「なんて威力だ……」


余りの威力にエルフ達は戦意を喪失したが、そこにシオン達が戻ってきた。


「すごいブレスだな。あんなのまともに戦えないぞ?」

「まともに戦わなければ良いのよ。エリーゼは他の戦っているエルフに、魔族から聞いた話を説明しなさい」


「わ、私も戦います!」

「ダメよ。ただでさえ体調が戻っていないのに、ドラゴンと戦うなんて足手纏いよ。私も死にたくないの。理解して!」


うぐっと、エリーゼは唇を噛んで頷いた。



「それでシオン、何か考えがあるのかな?」

「うん、多分、同化しているエルフの身体ならそんなに強度がないと思うの」

「なるほど。そこを集中的に狙うのか。了解した」


レイはそれだけ聞くと走り出した。


「アイリス、貫通性のある兵器ってある?」

「う~ん、この太い杭を打ち出す兵器ならあるかな?」


「了解!私とレイが罠を張るから、動きが止まったら攻撃してみて。あっ、絶対にドラゴンの正面に立たないこと、良いわね!」


「了解です!」


レイは城に進もうとしていたドラゴンの足元に、落とし穴を自動的に張る魔道具を設置した。


「さらにこれを喰らえ!」


ドンっとドラゴンは片足を落とし穴に取られてダウンした。そこにレイは捕獲に使う、特製の粘着性のある『トリモチ』をドラゴンの羽根に投げた。


レイの投げたトリモチは片方の翼に当たり、ドラゴンを飛べなくした。


「よし!後は………」


剣を構えてドラゴンに近づくが、尻尾を振って攻撃してきた。

間一髪で避けるが風圧で吹き飛ばされた。


「うわっっ、危なっ………」

「バカ!油断しないで!」


レイの横をシオンが駆け抜けた。

その後ろにアイリスが付いており、大きな杭を飛ばす兵器をドラゴンの後足に放った。


グギャァァァァァァ!!!!!!!!


アイリスの兵器はドラゴンの足に見事に喰い込んだ。痛みに咆哮を上げるドラゴン。

そしてシオンも愛刀で、ドラゴンの反対の翼を切り落とした。


「よし、これで完全に飛べないでしょう」


ドラゴンの正面に立ったシオンは剣を構えた。ドラゴンは暴れて、無理やり落とし穴から這い出ると、そのままシオンに向かって突進していった。

しかしアイリスの兵器で後ろ足が怪我をしているため、動きは遅かった。



『確かにドラゴンの脅威は、強靭な肉体とパワー、そしてブレスなんだけど、ドラゴンの皮膚をも切り裂く名刀を持っていれば、そんなに脅威のある魔物ではないのよ』


昔、ママから言われた言葉だ。皮膚を切り裂く事のできる名刀があれば、ドラゴンなどノロマな亀であり、弱い魔物だとママは言っていた。


私は亀よりトカゲだと思うけどね。


挿絵(By みてみん)



シオンの持つ緑色の愛刀は遺跡から発掘されたオーパーツであり、正式名称は失われたが、『翠玉刀』(スイギョクトウ)と家族から呼ばれている。通称【エメラルドの宝剣】である。


どんな物でも切れる名刀。

ネタをバラすと魔力を込めると刀身の刃の部分が高速振動してチェーンソウのように相手をぶった斬る仕掛けである。


「ヴァァァァァァァ・・・・・」


ドラゴンの頭に合成されたエルフから怨嗟の声が漏れた。

シオンは目を瞑ると全神経を集中して剣に魔力を込めた。


「貴方の悲しみを終わらせます」


それは一瞬だった。

瞬きするほどの一瞬でシオンは超高速でドラゴンに突進して、ドラゴンの頭ごと同化していたエルフを一刀両断した。



「秘奥義!刹那の一刀」



挿絵(By みてみん)



全ての敵を一撃で一刀両断するシオンの学んだ剣術の奥義である。


肉体強化を身体の限界まで引き上げ、全身の感覚を10倍以上に引き上げることで、僅かな時間ではあるが、全てがスローモーションで感じる様になり、肉体の限界を超える力を発揮する、身体強化の極致の技である。


戦いに参加していたエルフ、城の周辺に住んでいたエルフ、城の2階、3階の窓からみていたエルフなど、ドラゴンの戦いは注目されており、全てのエルフが、シオンが一撃でドラゴンを倒した瞬間を目撃したのだった。









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