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婚約破棄されて森に捨てられた悪役令嬢を救ったら〜〜名もなき平民の世直し戦記〜〜  作者: naturalsoft


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原因の調査!

シルフにマジックバックを渡して、持ってきて欲しい物のリストを渡した。


「これで数日中にはレイが物資を持ってきてくれるね。私達は原因の調査だけど、いつまで城の門を閉じておくつもりなんだろうね?」


シオンは回復したエルフの1人から話を聞いた。


「お城ですか。仕方がないとはいえ複雑な気持ちですね。疫病が流行り出してから、お城の門はすぐに閉じられました。我々の国は代々女王様が治めているのですが、今の女王様は少し気難しい御方でして、為政者としては、その問題ない程度にはやっておられますが………」


言葉を濁すってことはなにか問題のある方なのね。


「それでお城にはどれくらい籠もっているの?」

「恐らく、300人くらいはいたかと」


ふむ、街にいたエルフで疫病に掛かって居なかったエルフは500人はいた。回復したエルフと城の中の人数を足すと、この国には約千人弱のエルフが住んでいるのね。


「それだけいると、お城の食料もそろそろ無くなるのでは?」


「城には、飢饉に備えての備蓄の倉があります。恐らく一カ月ほどの量はあるはずです」


まだしばらくは持つのか。


「すみません。一つお願いがあるのですが………」

「何でも言って下さい。国の恩人の頼みなら何でもやりますよ!」


シオンはこの国の水源を確認し、各地にある井戸、川の水を汲んできてもらうようお願いした。


「水に今回の疫病の原因がある可能性があるので、どこの水源が原因か調べたいのです」


「なるほど。わかりました。他の仲間も呼んで汲んできます。それと、調査と分析するのにちょうど良い家がありますので、お連れしますね」


ちょうど良い家とは?

シオンとアイリスは着いていくと、店っぽい外見の家に着いた。


「ここは?」

「色々な物を売っていた雑貨屋です。店の奥に薬の調合する作業場もあります。この疫病で薬を作ろうと頑張ってくれていたのですが、主人も倒れて帰らぬ人となりました。だからあなた達に使って頂けるなら幸いです」


なるほど。

それならありがたく使わせて貰おうかな。


「妖精達に消毒もお願いしてあります。どうかよろしくお願いします!」


エルフは深く頭を下げた。

中に入ると様々な薬や生活雑貨が置かれていた。奥に入ると思った以上に高度な設備が設置してあった。


「流石はエルフだね。こんな高度な機械見たことないよ」

「多分、使い方はわかると思うけど。まずは水の成分を調べないとね」


二人は道具の使い方を確認しながらエルフ達を待った。少しして数人のエルフが戻ってきた。


「お待せしました。量はこれで足りますか?」


水筒にどこで汲んだかメモが貼ってあった。


「うん大丈夫。ありがとうございます」


アイリスは地図があったのでエルフに尋ねた。


「すみません、わかる範囲でいいので教えて下さい。初めに体調を崩した方はどこに住んでいましたか?」


地図を見ながら確認していった。最初の人物は誰かは知らなかったが、特定の地区から病人が多く出ていた事は知っていたので、数人のエルフが記憶を頼りに印を付けていった。


「なるほど。だいたいこの地域から病人が増えたのね?」


「はい、急に何十人もの病気で倒れたせいで、パニックが起きて、今思えば私達もどこから発生したのか調べる事ができてませんでした」


「それは仕方がないですよ。明日は我が身でしたからね。でも、教えて頂きありがとうございます。原因究明の短縮になります」


エリフ達に御礼を言って、さっそく作業に入った。

疫病のサンプルは死体から採取済みだ。『顕微鏡』に同じ形の細菌が映っていないか地道に調べていく。これはアイリスの仕事で、シオンは街の中を探索していた。


「ほとんど広場から移動してなかったからなぁ~」


国民の半数近くが動けなかったのだ。疫病は終息したが、原因が判明しなければ第二波が起こる場合ある。当面のも問題は食料と飲水である。


問題ないと判明した井戸は郊外にあるため、しばらくは不便を掛けている。


「早く原因が分かればいいわね」


それにしても、疫病対策で無事な人と病人を隔離するのは理解できるけど、どうもここの女王は我が身可愛さに閉じこもっているようだ。


町中を歩きながらシオンは足りない物資をエルフに聞きながら探索を続けるのだった。








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