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episode0-8

episode0-8

「おいっ!起きろ、信介!飯だぞ!…ったく、起きろ~っ!」信介の尻に蹴りが入った!「いっ~てぇ~っ!」飛び起きる信介。「もぅ~っ!咲来(さくら)姉ちゃんの蹴り…痛いんだって!」ブ~垂れた顔の信介が怒る相手は…妙さんの末娘の咲来。大学で気象学を学び、Uターン就職で森林組合に入り、気象学を(かて)男勝(おとこまさ)りに現場で働く。今では…父、道長の良き晩酌相手に成って居る。「飯だぞ…。早く来いよ。」咲来が優しく微笑む。「は~い。」尻を撫でながら咲来の後を追う…。『変な夢見たな…。でも、すっげぇリアルだったな…。あれって、ホントに夢だったのかな…?』食卓に座って飯を()き込む時も…頭の何処かで考えてしまう。『…俺、人を殺してないよな。あれは…夢だよな…。』「…おや、鼻血かい?頬のそれって…。」妙さんが気付いて、ティッシュで拭き取ってくれる…。「ははぁ~ん、さては…スケベな夢でも見てたな!」咲来が茶化(ちゃか)す。「やだぁ~っ!信介兄ちゃんのスケベ~っ!」蘭が調子に乗って、(はしゃ)ぐ。「そ、そんな夢…見てないって!ったく…!」『…嘘だろ!…確かに、あの時頬に感じた、返り血の生暖かい感覚を…。まさか、現実に起こった事なんて…。俺は…人を殺めてしまったのか…。』信介の顔色が青ざめてゆく…。「信介…?どうしたの…?顔色悪いよ…?」市奈が気遣う。「あ、あの…ちょっと食べ過ぎて、気持ち悪くなっただけだよ…。ごめん、少し横になるね…。ご馳走さま~。」食卓を後にする信介の姿は…悲壮感に包まれていた。『頭の中で…あの武者の死に顔が、繰り返し浮かんで来る!…あの状況では、こちらが殺らなければ…死ぬかもしれなかった。不可抗力(ふかこうりょく)だったと、自分に言い聞かせても…殺してしまったのは俺だ!』ベットに横たわり…自責(じせき)(ねん)(さいな)まれる信介だった…。

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