episode0-5
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「殿っ!敵の軍勢がこの城に向かって進行中でございます。如何致しますか…?」明智光秀が報告に挙がる…。『…以外に敵が気付くのが早かったな…。さてと…どうしたものかな…?城を構える本領と、開拓出来て無い村落が3つと開発途中の支城が2つ…。今の国力、兵力では心許ない…。出来得る限り損害を出したく無いが…。まともに戦えば…負けは必至…。ちょっと…天下の名将と言われる方に、相談して見るか…。』「…明智殿は、この戦…どう対処致しますか…?」光秀がこちらに体の向きを直して…申し上げる。「…恐れながら申し上げます。今の国力と兵力では…余り良い結果は望めないと存じます。ここはひとつ…空城して見ては如何でしょうか…?陥落するだけで、兵力も国の損害も、最小限に留める事が可能かと存じ上げます。例え所領が奪われたとしても…敵国とて、左程の兵数を置いては行けぬ状態かと思いますゆえ…また取り返す事が容易かと思いまする…。私の考えは以上です。」『流石だ…。冷静な計算の上の、大胆な戦略と判断力…軍師の器に申し分無い!』「…なるほど。では、明智殿の言われるままに致しましょう。…手筈は任せます。他に手伝える武将は…どなたか、必要ですか?」信介が尋ねると「…摩れば、お言葉に甘えて…竹中半兵衛殿と黒田官兵衛殿をお願い申し上げます。あと…兵を3000ほどお貸し願えれば、この策を遂行してご覧に入れまする。」「分かりました。思う儘にやって下さい。」信介は笑顔で送り出す…。
「はいっ!…そうと決まれば、殿の戦支度じゃ!」濃殿の掛け声に…「はははぁ~っ!」侍従達の動きが忙しくなる。『おい、おい…何が始まるんだ…?』あれよあれよと云う間に…着物を着換えさせられ、次々と鎧が装着されて行く…。『へぇ~っ、こんな風に鎧を着けて行くのか…。しかし…鎧を装着する度に体の関節の動きが制約されていくな…。それに、この重さは何なんだ…!こんなに重い鎧を身に着けて戦うなんて…マジで無理だろ…?』そう思っている矢先に、足軽達が鎧を纏いながら、いとも簡単に動き回ってる姿を見て…『げっ…!マジで、嘘だろ…?この時代の人は、どんな鍛え方をしてるんだ…?』兜以外の鎧の装着し終わり…背中に大きな家紋が記された陣羽織が持ち込まれる。『あれは…木瓜の家紋。…まさか。』汗だくで…鎧の重さに耐えてた信介の上体が持ち上がる。神妙な面持ちで陣羽織に腕を通す…信介。その背中を…憧れ似た様子で眺めている…濃殿。そこに家臣から、刀が差し出される。『くそっ…!鎧を着けただけで、一杯一杯になるなんて…。こんなんじゃ、一発で討死じゃないか…。』信介が嘆くのは無理も無い…。普通の高校生が20kgを超える鎧を身に着けて、動けるはずが無いのだから…。『この期に及んで…とても刀なんて持てない…!んっ?…この刀の鍔…じっちゃんに貰った物と同じだ。確か、じっちゃんが『これは先祖代々から、受け継がれ来た物じゃ。…お前のご先祖様は、今は名前を明かす事が出来ないが…先見の眼を持った素晴らしい武将じゃ。』って、言ってた…。その刀を俺が持つ…って…?』そんな事を思いながら…刀に手を懸けた。『んっ…?ん、ん~っ!何なんだぁ~!こ、これは!…刀を掴んだ瞬間から、体が急に軽くなった…。ハハッ…、ハハハハ~ッ!なんだこれ~!体が自由に動けるぞ~!…この刀…こんな力が秘められて要るのか…?』余りにも信介の変わり様に…侍従達も眼を丸くして驚くばかり…。「…殿。殿っ!戦の最中だと言うのに…子供の様に燥ぐようでは困ります!」濃殿が信介を諫めようとする前に…「お話の途中に、大変ご無礼致します!急ぎ殿には戦の采配をご指示頂きたく、天守へとご案内致したく存じます。」と、信介の足元に傅く家臣が1人…。「分かりました。急ぎましょう。」この家臣が…真田信繁。この先…信介の傍に居て、何かと助言や手助けをして行く事となる。