半裸空腹登山
アンブレは半裸でミエド山を登っていた。
アンブレは半裸で真冬のミエド山を登っていた
「さっぶ。」
アンブレは半裸で真冬のミエド山を登っていた。昼間で晴れているとはいえ気温は0度。とても寒い。
「凍え死にそうだ。だが空腹が寒さを上回りそうだ。」
それもそのはずアンブレは空腹である。昨日から何も食べていない。次第に風が強く吹いてきた。
「くそっ!俺は寒くない!腹が減った!腹が減った!」
アンブレは死ぬほど辛い寒さを空腹で乗り越えようとしているのだ。
「寒いと感じるのは俺の志向が外気に向いているからだ!空腹に志向を向けなきゃ!」
寒さを感じるのは外気が体を刺激するからではない。自分の志向が外気に向いているからだ。アンブレはそのように考えていた。
「空腹!空腹!空腹!空腹!空腹!空腹!」
アンブレは狂気に満ちた表情をしながらずっと空腹を唱えていた。
しばらくすると山頂に到達した。そこには一軒の屋台があった。
「着いた…!着いたぞ…!」
アンブレは泣いていた。嬉しくて嬉しくて堪らなかった。そして屋台に近づいた。
「すいません!!激辛トルティーヤ二つ!!」
「うぉ!びっくりした!え?お客さん寒くないの…?」
店員はアンブレの大声と服装に驚いた。
「寒いよ!だからこそ激辛食いに来たってわけよ!」
「えぇ…いくらうちが激辛トルティーヤを売っているとはいえ半裸で来たのはお客さんが初めてだよ。」
店員さんは驚き呆れていた。いやドン引きしていた。
「いいから早くトルティーヤ作ってくれよ!」
「…あ!ごめんなさい。今から作るので少々お待ちを。」
しばらくすると
「お待たせしました。激辛トルティーヤ2つだよ。どうか気を付けて下山しておくれ。」
「おう!ありがとよ!」
アンブレはすわれそうな岩を探して腰を掛けた。
「いただきま~す!」
アンブレは激辛トルティーヤを待ってましたと言わんばかりに食らう。
「うますぎる!!そして辛い!!熱くなってきた~!!」
寒さが吹き飛ぶぐらいの激辛を堪能していた。下山することを忘れて…