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はじめての友達

作者: 駒城亜樹

小さいころボクは身体が弱かった。


心臓の病気でボクは物心がつく時は

病院のベッドの上だった。


ボクと同じ病気の子もいっぱいいたけど

お家に帰れるようになったり、気がついたらその子のベッドが何もなかったりとなかなか友だちとよべる子がいなかった。


ママはそんなボクに「はい。あなたにお友だちよ」と

クマのぬいぐるみをプレゼントしてくれた。

ボクはふかふかな感じが気に入って[ゆうくん]と名前をつけた。


入院してる時に仲良くなったけど、ある日お星さまになっちゃった子と同じ名前。

ゆうくんにボクは色々お話しした。

今日の天気、入院してきた新しいお友だちのこと、ゆうくんと同じお星さまになっちゃった子のこと。


いっぱい、いっぱいお話しして

夜はぎゅっと抱き締めて眠りについた。


春の桜、夏のセミの声、秋の紅葉、冬のクリスマスツリー。

そんな風景をゆうくんといっぱい、いっぱい見た。


そして、僕は15歳に病気をやっつけて

家に帰る日が来た。

もちろん、ゆうくんも一緒に。


長く病院にいたから、学校の友だちがなかなか出来なかった。

そんな日は一人部屋でゆうくんに話しかけていた。


1年もたつと、ようやくクラスに馴染み

たくさんの友だちが出来てきた。

僕は嬉しくなって、ゆうくんにすべて話した。


その夜、夢を見た。

たくさんの雲の上に僕は座っていた。

辺りを見回すとゆうくんがちょこんと座り

こちらをじーっと見ていた。


「ゆうくん?」僕はそう話しかける。

近づこうとすると「こっちに来ちゃダメ。」

ゆうくんがふわふわの両手でストップをかけてきた。

「どうして?やっと話ができたのに。」


ゆうくんは少しだけさみしそうな顔をしたけど

すぐに笑顔になって「大丈夫だよ。きみはもうたくさんの友だちが出来たし、それにどんどん大人になる。それに、ボクは今度は新しいお友だちのとこに行くことになったんだ」


ゆうくんはそう言うと手を振ってきた

悲しい別れじゃない。そう感じた僕も手を振り返した。

「ゆうくん、ありがとう!新しいお友だちも僕のように元気になるように、そばにいてあげてね?」


ゆうくんは頷くと

雲に乗ってどこかに行ってしまった。


ジリリリリ・・・

目覚ましがなり目を覚ました。

枕元を見るとゆうくんが本当にいなくなっていた。

部屋中を探したけど見つからなかった。


そして。あの夢は夢じゃないとわかると

少し寂しくなって、少しだけ泣いた。


でも、僕は忘れないよ。

僕の初めてのお友だちは間違いなく[ゆうくん]だよ


ありがとう!

たくさんの友達を僕にくれて。

ゆうくんと同じぐらい大切にするね。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 15歳で完治できたのは、ゆうくんが守ってくれたおかげかもしれないですね。
[一言] 元気になって、たくさんお友達を作れて良かったです。 ゆうくん、また会えると良いですね♪
2022/12/31 14:27 退会済み
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