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何回やり直しても禁煙できないんだが?

作者: コイケ

1話完結の物語となっております。最後まで是非読んでください。


※誤字脱字、間違った言葉の使い方は大目に見てください。(そっと教えてください)

「ふざけないで!!」


 机を叩く音が部屋に響く。

 女性が怒り口調で言った。

 向かいには男性が座っており、タバコと吸い殻の入った灰皿が置いてあった。


「もう吸わないってあれほど約束したのに!!

 本当に信じられない!!」

 恐ろしい剣幕で男性に向かって叫ぶ。


「ほんっっっとうにごめん!!

 もう今後絶対タバコは吸わないから!!」


「何度めよ!!そう言ってるのは!!聞き飽きたわよ!」


「今回は本気だよ!!ぜっっったいに!!タバコは二度と吸わない!!約束する。だから許して下さい!!」


 男は机に頭をつけるようにして謝る。

 それを見た女性は呆れた顔をし、

「、、わかった。今回のことは許します。今後一切タバコは吸わないって約束してくれる?」

「ああ!!約束する!!」

 男は顔をあげ、食い気味に反応する。


「じゃあ次タバコ吸ったら離婚だからね。」

「!?、わ、、わかった。もう吸わないからそのぐらいの約束は良いよ!!」


 男は少し動揺したが、禁煙に対しての覚悟は強かった。


 女性も納得したように頷き、

「じゃあ、この話はおしまい!!夕ご飯作るからヒロシはあっちの部屋で待ってて。

 お肉が安かったからトンカツにしようかなって思って買ってきちゃった。」

「おお!トンカツか!!ケイコは俺の好みをわかってるな。愛してる!」


 ヒロシは喜びながら机に置いてあったタバコを手に取る。

 中から1本取り出し、咥えて火をつける。


「どさ!!」

 ケイコは持っていた肉を床に落とした。

 目はじっとヒロシを見ており、肩が小刻みに震えている。


「ケイコ、どうしたんだ。肉落としたぞ?まったく、ドジなところもかわいいな!」

 ヒロシは笑いながらタバコの灰を灰皿に落とす。


「吸ってんじゃん、、、あんた!タバコ吸ってんじゃん!!いま!!」

 ものすごい剣幕でケイコはヒロシに怒鳴った。


「タバコ?何言って、、、!?!?」

 自分の左手を見てヒロシは驚く。

 人差し指と中指の間に、堂々たる姿でタバコが挟まれていた。

 驚くことに、既に何度か吸っているのがわかるほど短くなっている。


「違う違う!!これは何かの誤解だって!!本当に吸う気なんてなかったんだって!!本当に!」

 急いでタバコを消し早口で弁明するが、ケイコは聞く耳を持たない。


「あんたさっき、本当に数分前に自分で言ったことも守れないの??」

 もう無理!!と言いながらケイコはヒロシの頬をビンタした。


「離婚よ!!離婚!!!」

 ケイコは家を出て行った。


 本当に違うって。無意識で吸ってたんだって。

 あんな緊張したところから解放されたらタバコが吸いたくなるだろ普通。

 ヒロシは自分勝手な考えを巡らしながら、灰皿に捨てたタバコを手に取る。

「もう、まだ吸いきってないのに、勿体無いなぁ。」

 ブツブツ言いながらタバコに火をつける。


「ふぅ」


 タバコを吸うと、頭がクラっとしてきたのを感じた。

 くそ!こんな時にヤニクラって、、。

 タバコなんて吸わなきゃよかった。

 段々と目の前が真っ白になっていく中ヒロシはそう思った。





「ちょっと聞いてるの!?」

 机を強く叩く音がした。


 ビクッとなり、ヒロシは我に帰る。

「!?!?」

 目の前には怒った表情のケイコがいた。


「タバコをもう吸わないってあれほど約束したのに!!本当に信じられない!!」

 視線を動かすと、自分の前にタバコと吸い殻の入った灰皿が置いてあった。

 さっきのは夢だったのか?もしかして正夢??


 とりあえず、さっき見た夢と同じ様に謝る。


 何度かやりとりをしてると、ケイコの言っている言葉が夢と同じであることに気がつく。

 夢と同じだと確信したヒロシは、

 もう二度とタバコは吸わないことを伝え、次吸ったら離婚することまで同じように約束した。


 さあ、ここからだ!!


 ここでタバコを吸ったら夢と一緒になってしまう。

 まずはここから移動しないと。

「ケイコ、夕ご飯ができるまで俺あっちの部屋で待ってるよ。」


「、、そうね。じゃあこの話はおしまい。夕ご飯ができたら呼ぶから待ってて。」


 ヒロシはタバコを胸ポケットに入れ、隣の部屋に移動した。

 あの部屋から出てしまえば吸うこともないだろう。


 意識すれば吸わないんだよなぁ。


 ふと胸ポケットに目をやると、なぜかタバコが入っていた。

 なんでこんなところに入ってるんだ?

 不思議に思いながらヒロシはタバコを1本取り出し、咥えて火をつける。


「ふぅ」


 これからの事を考える前に、一息つけないと。

 そう考えていたら、


 ガシャン。


 皿が割れた音がした。

 目をやると、ケイコが料理をのせた皿を床に落としていた。

 じっとヒロシを見ており、肩が小刻みに震えている。


「おいおい、料理落としっちゃってるじゃん。

 あーあ、床がべちゃべちゃだぞ。拭くもの台所から持ってきて。」

 煙草を口にくわえながら、床に散らばった料理と、割れた皿を拾う。


「、、、ってんじゃん。あんた!もうタバコすってんじゃん!!」


 ヒロシは何を言っているのかわからずにキョトンとする。

 ふと視界に白い煙が見え、覚えのある匂いがした。


 口に咥えているものをそっと取って見る。

 何度か吸った痕跡のある、短くなったタバコだった。


「おかしいと思った!!

 話の最中に急にご飯の話をしだすし、部屋に行くときも置いてあったタバコ持ってくし!!」

 ケイコの怒りは止まらなかった。

「さっき約束したばかりなのに、本当口だけね!!あきれた。もう無理!!!」


 ヒロシに思いきりビンタをし、ケイコは家を出て行った。


 何故だ、さっき見た夢と同じになってしまった。

 タバコを吸わないと約束したのは嘘じゃない。

 本当に吸わないようにしてたんだ。なぜポケットに入ってたんだ。


 指に挟まれたタバコの煙が、煽るように揺らめいている。

 お前のせいで!!

 ヒロシはタバコを思いきり吸った。


 頭がクラクラしてきたのがわかった。

 あれ?これさっきのヤニクラの感じだ。

 ここまで夢と一緒かよ。もうなんでもいいや。

 徐々に視界が白くなっていった。





「さっきから黙ってないで何とか言ってよ!!!」


 突然の声にヒロシは驚いた。

「え、え?な、なに?」


 自分が机に座っており、ケイコが怒った表情をしている。

「もしかして聞いてなかったの!?」


 周りを見て状況を整理する。

 目の前にはタバコと吸い殻の入った灰皿。向かいには怒っているケイコがいる。


 あ、同じだ。さっきのも夢だったのか。


「あー、あれでしょ?俺が禁煙するって言ったのに煙草を吸ってたって事でしょ?」


「そうよ!!何開き直ってんのよ。むかつく!」

 ヒロシは慎重に言葉を選びながらケイコに謝った。


「あなたの言いたいことはわかったわ。で?もし次に吸ったらどうするの?」

「その時は離婚でもなんでもしてやるよ!!」

「なにその逆切れみたいな言い方。むかつく!」

 少し口調が荒くなってしまったが、ヒロシにはタバコを吸わないようにする秘策があった。


「わかったわ。じゃあ次タバコ吸ったら離婚だからね!!」

「わかった。」

「じゃあ、この話はこれでおしまい。ご飯作るからヒロシは部屋で待ってて。」

「わかった、、、その前に。」


 ヒロシはおもむろに机に置いてあるタバコを手に取り、ゴミ箱の中に入れた。


 タバコをあらかじめ捨てる。これがヒロシの秘訣であった。


 その光景を見てケイコも満足したのか、

「今日はお肉が安かったから買ってきちゃった。ご飯楽しみにしててね。」


 その後二人はご飯を食べ、いつもの時間を過ごす。

「ヒロシ、明日仕事?」

「いや、明日は有給取ってるから休み。ケイコは仕事?」

「私は明日朝早くから仕事。夜には帰るからお昼は自分で何か食べてね。」

 たわいもない会話をしながら二人は就寝した。


 次の日の朝、ドタドタという音で目を覚ました。

「あ、起こしちゃった?ごめんね。」

「いいよいいよ。今から仕事?」

「そう。もうちょっとで行かないといけないから。

 あ! 昨日言ったみたいに、昼は自分で何か食べてね。それじゃ。」

 手に大きなビニール袋を持って、ケイコは家を出て行った。


 二度寝しようにも、ケイコと話しているうちに目が覚めてしまった。

 布団から起き、部屋の中をウロウロする。


 あれ?タバコどこだっけ?


 いつも布団の近くに置いてあるはずのタバコが見当たらない。

「っあ! 昨日ゴミ箱に捨てたんだった。」

 ヒロシは思い出したように台所へ行く。


「た・ば・こ♪ た・ば・こ♪」


 リズムよく口ずさみながらゴミ箱を開ける。

 ゴミ箱の中は空になっており、新しい袋に変わっていた。

「っげ!!もしかして今日ごみの日か!!」

 ケイコが持っていた袋がゴミ袋だったことに気づく。

 ヒロシは頭を掻きながら部屋に戻り、どうするか悩みながら財布を手に取る。

 財布の中を確認すると、数枚のお札と小銭が数枚入っていた。

「、、まあ。あのタバコ残り5本ぐらいだったし?めんどくさいけどコンビニ行くかぁ。」

 着替えをすましてヒロシは家を出た。


 近くのコンビニで、昼ごはんとタバコを買う。

 コンビニを出て近くに設置されている喫煙所に向かう。

 タバコの封を開けて1本取り出し、咥えて火をつける。


「ふぅ」


 あれ?何か忘れてるな。


 ヒロシはタバコを吸いながら考えた。

「あ!!タバコ禁煙するって言ったんだった!!」


 ヒロシは買ったタバコを見ながら考えた。

 今は吸っても、ケイコが帰ってくるまでに匂いは消えている。

 でも家の中で吸ったら間違いなくばれる。

 買ったタバコも置いてたら絶対ばれる。


 どうしようか考えていると、喫煙所に人が入って来た。


「ねぇ。」


 声をかけられた。喫煙所で声をかけられる事なんて珍しい。

 火でも貸してほしいのか?

 ヒロシは声のした方に顔を向ける。


 ケイコがコンビニ袋を持って立っていた。


「っけ、、ケイコ!!、、なんで!?」

「なんでって、私仕事に行く時はいつもこのコンビニに寄ってから行くから。」

 ヒロシの思考は停止した。

「あなた昨日言ってたよね。もうタバコ吸わないって。

 私にばれなかったらセーフとか思ってたの??」

 ケイコの肩が小刻みに震えている。


「ケイコ、、これは、、」

 ケイコは思い切りコンビニの袋でヒロシの顔を叩いた。

「もう知らない!!離婚よ!!」

 痛みにで膝をついているヒロシを無視し、ケイコは仕事場へ向かった。


 なんだよう。なんで何度も叩かれなきゃいけないんだよ。

 叩かれた顔に手をあてながらヒロシは思った。

「、、、痛いし。」

 ヒロシは涙をこらえ、落ちた吸いかけのタバコを拾う。

「、、くそっ!!」

 そう言って、タバコを吸った。

 くらっとした感覚が押し寄せてきた。


「あー、最近ヤニクラ多いなぁ」


 目の前が真っ白になった。






 携帯の目覚ましが鳴っているのが聞こえた。

 目を開けると、隣であくびをしながら起き上がっているケイコがいた。

「あ、起こしちゃった?ごめんね。」

「、、あー、いいよ全然。」

 時計を確認すると6時30分を指している。


 まただ。さっきまでのは本当に夢だったのか?

 奇妙な体験に不思議に思うが、それをよそにケイコはせかせかと動いている。

「ケイコ。ケイコって今日って仕事だよね?」

「そうよ、昨日も言ったでしょ?なに?自分が休みなの自慢したいの?」

「いやいやいや。ちょっと確認したかっただけ。」


「昨日言ったみたいに、お昼は自分で何とかして頂戴ね。私もうすぐ行くから。」

 ケイコが台所でゴミ袋を変えている音が聞こえた。

「あ!今日ごみの日だっけ?俺が出しておくよ。」

「本当?助かるわ。じゃあ私もう行くから。」


 ガチャンと玄関が閉まる音が聞こえた。

 ヒロシは台所へ行き、結ばれているゴミ袋を見る。

 ゴミの中にタバコが見えた。


 袋を開けてタバコを取り出す。

 さっきと同じだったらケイコはコンビニに行ってるはずだから、、。

 ヒロシはベランダに行き、タバコを咥えて火をつける。


「ふぅ」


 宙を舞う煙を見ながら、奇妙な夢を思い出す。

「なんか気持ち悪い夢だったな。タバコ吸ったのがばれてビンタされるとか。」

 夢の通りだったらさすがにケイコはいないだろう。

 そう思っていると、携帯の着信音が鳴った。

 画面を見るとケイコからの着信だった。


「もしもしケイコ?どうした?」

「ヒロシ、あんた今何してるの?」

「今?家にいるけど。何か忘れものでもした?」

「・・・・。」

「何だよ。あ!ゴミ出したかどうかの確認?ごめんまだ出してない。この後すぐ出しに行くから任せといて。」

「・・・・。」

 ケイコから反応が無い。

 電話が切れたのか、携帯の画面を確認するも通話中になっている。


「もしもしケイコ?そっち電波悪い?全然聞こえないんだけど。」

 ふと顔を外に向けると、アパートの下でじっとこちらを見ているケイコの姿があった。

「ヒロシ、そこで何してるの?」

 ケイコの声が電話越しに聞こえる。

 落ち着いた口調ではあるが、それが逆に怖い。


「ん?日の光を浴びて今日何しようかなーって考えてた。」

「へー、ちなみにだけどさあ。あんたの口から煙が何度か出てたんだけど、なんで?」

「え?そんなはずないでしょ。俺何もしてないよ?」

「、、、そう。ごめん私の見間違いだったかもしれない。

 ポーチ忘れちゃったから外まで持ってきて。」


 ブツッ!!


 電話を切られ、ヒロシは部屋に入る。

 ヤバイヤバイヤバイ!!ばれたか?見られたか?

 でも、見間違いだったって言ってたし。

 そもそもあの距離から煙なんて見えるのか?

「取りあえずポーチ持って、、あ!!一応着替えとくか。」

 急いで着替え、ポーチを持って外に出る。

 アパートの下で待っているケイコの元まで行き、ポーチを渡す。


「ありがとう。、、、ところでさ。」


 ヒロシに緊張が走る。

「なんでタバコくさいの?」

 ばれてるー!!どうしようか。とりあえず言い訳するしかない。

「タバコ?またまたあ。タバコ吸ってないんだから匂いなんてしないって。」

「、、、そう。へー、嘘つくんだ。」

 ケイコは自分の携帯を操作し始めた。

 ヒロシの携帯から通知音が鳴る。

 内容を確認すると、ベランダで吸っていたヒロシの写真が煙付きでしっかりと写されていた。


「!?」


 ケイコの肩が小刻みに震えている。

 あ、これは怒鳴るやつだ。とヒロシは思った。


 予想通り、ケイコはすごい剣幕でヒロシに怒鳴った。

「もう無理!!離婚よ!!!」

 この言葉と同時に頬にビンタをし、ケイコは仕事に向かった。


 ビンタをされた頬をさすりながら家に戻り、携帯の写真を確認する。

「今の携帯ってこんなにはっきり写るんだなあ。、、まじかよ。」


「、、、もうどうすればいいんだよ!!」

 一人部屋の中で叫び、ふと気が付く。


 これも夢なんじゃないか?


 もし夢ならタバコ吸ったら元通りじゃん。

 ヒロシは玄関に行き、さっき地面に捨てたタバコを拾い上げ、咥えて火をつける。


 これでヤニクラがこれば夢落ちだろ。


 そんなことを考えているとぐらっとした感覚が来た。


 目の前が真っ白になっていった。





「ふざけないで!!」


 机を叩く音がして、ヒロシは我に返る。

 前日だ。タバコを吸ってるのを怒られているところか。

 自分の前にはタバコと灰皿、向かいには怒っているケイコがいる。


「タバコをもう吸わないってあれほど約束したのに!!本当に信じられない!!」

 ものすごい剣幕でケイコが叫ぶ。


「本当にごめん!!」

 ヒロシは頭を下げる。


 ふと視線を灰皿に移すと、灰皿にはタバコの吸い殻が4本入っていた。

 あれ?俺ってこの時こんなにタバコ吸ってたっけ?


 違和感を感じ、置いてあるタバコを手に取る。

 中を確認するとタバコが1本入っていた。


 あれ?たしか5本入ってたよな。


「なに?タバコなんか触りだして。今の状況わかってるの?」


 今までの夢で吸っていた煙草の本数を思い出す。

 4本吸ってるなあ。

 あれ?もしかしてこの1本吸ったらやばい?


「さっきから何ブツブツいってるの!?言いたいことがあるならはっきり言って!!」

 ケイコはイライラしている。


「え?、、あー、ごめんごめん何でもない。なんだっけ?今日のご飯はお肉だっけ?」

「何言ってるの?頭大丈夫!?タバコの話してるのに何で急にご飯の話が出るの!!」


 しまった。考え事してて話を飛ばしてしまった。


「ちがうちがう、間違えた。もし次吸ったら、、、」

「次吸ったらなによ!!」


 離婚と言う直前でヒロシは止まった。

 ここでする約束が今後を左右するかもしれない。


「次タバコ吸ったら、お前の好きなものなんでも買ってやる。」

「は?物で解決しようとしてるの?別に欲しいものないけど。」


 そうだった。ケイコは物欲があまりなかった。

 くそっ!離婚以外に何か良い約束はないのか。

 早く考えないとケイコから離婚の2文字が出てきてしまう。


「あなた今何考えてるの?もしかして次吸った時のこと考えてるの?」


 返す言葉が見つからなかった。


「次吸ったらどうとかじゃなくて、もう今後吸わないって言ってくれれば良いだけなのに。

 なんでそれが言えないの?吸った後のこと考えてるとか、本当ありえない!!」


「わかった。あなたタバコやめる気ないんでしょ!!」

「そんな、ことはないかなぁ」

 図星を突かれ、ヒロシは言い淀む。

 どうすれば良い?これを打開する案は無いのか?

 ヒロシは懸命に考えを巡らせる。

「私とタバコどっちが大事なの!?」


 、、、え?ケイコとタバコどっちが大事かだって?

 そんなのケイコに決まってるだろ!!


「タバコ、、、あ!!」

 突然の質問に反射的に言葉が出てしまった。


 ッバチン!!


 鋭く振りかざされたケイコの右手がヒロシの頬を叩く。


「あんたなんか嫌い!!もう離婚よ!!離婚!!」

 ケイコは家を飛び出した。


 一人になったヒロシはタバコを手に取り、残りの一本を咥え火をつける。


「ふぅ」


 無心で部屋を漂う煙を眺めた。


 ヤニクラは起きなかった。

-1/1-


最後までお読み頂きありがとうございます。

是非☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです 。


感想も受け付けております。

読者様の応援がモチベーションとなりますので、是非よろしくお願いいたします!

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