助手ーーーーーっ!!!!
「助手ーーーっ!!!! 何だ、この研究室の有様は!!」
「すいません、一部を凍らせたニトログリセリンを熱々の鉄板に落としたらどうなるかと思いまして」
「爆発するに決まってんだろ! 知ってなさい、それぐらい!」
「助手ーーーっ!!!! 君のシャーレがガタガタいってんだが! 何培養したんだ!」
「すいません、遺伝子が突然変異した人の細胞をあえて暴走させ続けたらどうなるか試してみたくて」
「お、おお!? で、どうなったんだ!」
「興味深くも大変倫理的に問題のある結果となりました」
「即刻破棄しなさい! 黙っとくから!」
「助手ーーーっ!!!! 一体何だ、この地下シェルターは!? しかも無駄に高機能だなぁ!」
「すいません、最新式の防衛機能がついていると聞いていてもたってもいられず」
「だからってなんで私の家の地下に作るんだよ! 普通自分の家でやるだろ!」
「助手ーーーっ!!!! 何故私を研究室から出してくれないんだ!」
「すいません、外はゾンビ化した者達が無差別に人を襲っている状況でして」
「な、なんだと!?」
「生き残っている人類は、果たしてあとどれぐらいか……」
「助手ーーーっ!!!! どうして私を庇ってゾンビの攻撃を受けたんだ!」
「すいません、どうしても貴方だけは守らなければと思いまして」
「くっ……! 早く行くぞ!」
「どこにです? もはや地球上に安全な場所などありませんよ」
「君が悪ふざけで作ったシェルターがあるだろうが!」
「助手ーーーっ!!!! しっかりしろよ! 今助けてやるからな!」
「すいません、僕はもうここまでです……。博士、貴方だけでも生き残って……」
「アホ抜かせ! 確かここに……あった! 君が作って放置してた暴走細胞! ゾンビ化とはつまり情報を書き換えた特別変異遺伝子を過剰に細胞分裂させている現象であり、ならばそれを上回る動きができるならあるいは……!」
「助手ーーーっ!!!!」
「……」
「助手ーーーっ!!」
「……」
「じょっ……。……」
「……」
「……助手。頼むよ、目を覚ましてくれよ……」
「はい」
「助手ーーーっ!!!?」
「すいません、疲れたので寝ていました」
「助手っ……! いや、生きてりゃそれでいいか。しかし困ったな。これで世界は私と君だけになってしまった……」
「僕は一向に構いませんが」
「助手ーーーっ!!!!」