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十九 なんか勇者が来ていない


約2時間程の特訓を終えた後、1度休憩を挟むことにする。

時刻は昼、太陽は真上だからて12時くらいだろう。

動き回って節々が筋肉痛のようになっているが、前よりは全然平気だった。

猪原の動きにも少しだけ着いて行けるようになってきており、自分が成長している事を実感する。


疲れきって項垂れた首を持ち上周りを見渡す。

勇者達は皆まだ戻ってきておらず、霊獣達はぼーっとしているだけで前の俺のようにやる気が無いように感じられる。


[まだあいつは戻ってきていないのか…]

[遅いですね、何かあったんでしょうか?]


猪原は相変わらず元気で俺の側でちょこんと座っている。

いやいや流石にないない。そんなちょっと外に出たくらいで事故とか起きないだろ。話っていうのはとても順調に進んでから何かが起きるんだから。


[普通に手こずってるんじゃないかな、もしくは軽く道に迷ってるとか?]

[そんなことはあって欲しくないですね、何事も無く帰って来てくれたら良いのですが]


あ〜でも、あいつが手伝ってくれる予想外の良いニュースがトリガーの可能性もあるよなぁ。

既に沢山の危険を潜り抜けて来ているけど、そういうのって章の第1部をさらに細切れにしたようなやつだったのかもしれないし。何か大きな事を救うことはまだやっていないからな、展開って難しい…。


[まぁ、絶対無事ではあるだろ]


猪原はアルゲンが向かった方向をじっと見つめていて様子が伺えない。まぁ、そんな易々と登場人物が死んでしまったら困るから心配はしなくていいだろう。

さて、あいつはさすがにもうそろそろ戻ってくるだろうし、また少し疑問点がある。


[それにしても勇者達おっせぇなぁ。]

[…あ、そういえば今日はまだ戻って来ていませんね]


猪原は今思い出したかのように俺の方へと振り返る。

神島達はまだこの広場に戻ってきていない。普段なら朝の11時まではここで訓練してそれから昼食?に向かうのに、朝は俺を置いて直ぐにどっかに行ってしまったし、普通に嫌な予感がする。

夜中に現れた黒男の事だったら居ないのは神島だけで良いと思うし…正直こっちの方が何かあったのか心配だ。


[別の所で訓練しているか、もしくはまた会議でもしてるのかな?]


俺は不安を拭うようにそう言って広場の入口を見つめる。

入口にはいつも通り1人だけの兵士が椅子に座って俺達を見張っている。兵士の情報を見てみると普段からこの時間帯で見張っている人のようだ。



[うーん、にしてはちょっと早すぎるというか…何かあってそうな気がしますね]

[ですよね〜]


いつも何かが起きている所を何も知れない事に俺は軽く溜息をつく。




いや、でも待てよ?

知れないとか思ってるけど、普通にゴリ押しで行けばなんとかなるんじゃね?

もう一度入口の兵士を見るが退屈そうに座っていて何かが起きても直ぐに対処出来なさそうに見える。


[なぁ、ちょっとやっちゃっていいすか?]

[え、何をですか?]


何を言いたいのか首を傾げて不思議に思う猪原が問う。


[正面突破]

[それ本気で言ってますね]


どうせ何かをする時間なんてたっぷりあるんだ。だから少しでも何か行動を示さないとね。


[だってあれを見ろよ。あいつ絶対キビキビ動かない系だろ]

[うーんあまり人を見た目で判断しては行けませんが、あれは行けそうな気がしますね]


つまりそういうことだ。俺は今までよく見ていたが、あいつがいそいそと働いている気が一切しないのだ。

ガンガンいこうぜ!


[よし、そうと決まれば即決即凸だぞ!うおおおおぉ]

[えぇ?早くないですか?]


俺は猪原を置いて颯爽と入口へとダッシュしようとする。



…が、急に白竜が目の前に立ちはだかってきた。


[まて貴様、どこに行くつもりだ]


なんじゃおめぇ、急に何しに来てんねん。

白竜を横に避けて通ろうとすると、また堰き止めてくる。


[はぁ、全然来ない勇者を見に行くんだよ]

[そうか、なら私も同行しよう]

[え?まじで?]


あの白竜が?いつも傲慢な態度とってるやつが?

…いや、当たり前のことだ。一応こいつだって勇者達の事を気にしないと行けない立場だ。

今はここにいないといけない規律を守っているが、本当は常に勇者の傍にいたいのではないだろうか。思慮深いこともあるし、それならば着いてこさせるべきだろう。


[勿論いいよ、数は多い方がいい]

[じゃあ俺達も入れてくれよ]


また霊獣の誰かが話しかけて来たと思い、振り向くとみんなが集まっていた。

先頭に立つ霊獣が話す。

[俺だってずっと勇者様が来ないから心配で頭がおかしくなりそうなんだよ]


はぁ、頭がおかしく…。

隣の霊獣も話す。


[こんなに遅いのはおかしいと思ってたんだ!俺も着いていくからな!]


はぁ、おかしいと…。


[俺も!]

[俺もだぞ!]

[勇者様を見つけるんだ!]


10匹近くいる霊獣達がみんな叫ぶ。

あまりの事に呆然としてしまう。


[リエルさんどうしました?]


ぼーっとする俺に心配の声がくる。

…まぁ、うん。

じゃあ

軽く一息置いたあと、大きく息を吸って叫ぶ。



[じゃあ今からさっさと行くぞお前らぁ!]

[[[[うぉぉおおおお!!!!]]]]


14の霊獣達は俺を先頭に広場の入口へと凸りに行った。

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