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十七 夜廻


不審者が帰ったあとは夜襲に会った事を急ぎ足で報告しに向かった。

俺はお留守番だけどな。


出来れば普通に2度寝したいけど、こんな急に襲われたら寝ようにも寝れないなぁ。

また奴がやって来るかもしれないと思うと背筋が凍る。


あんまり強くはなさそうだったしあの時に相手の戦闘能力見れば良かった。これからは敵の情報は最初に見よう。

このままボーッと神島を待っているのも暇なので部屋の外を探索する事にする。


俺が寝る部屋は城の2階部分にあり、なぜか他の勇者達の住む部屋とはそこそこ離れている。多分神島以外は同じ部屋に住んでいるんだろう。


神島の事だから同級生と同じ部屋で過ごすのが恥ずかしいとでも思っているのかな?

部屋を出て左右を見ると、右側は壁、左は片方に扉が並んでいる長い一本道ですぐ近くに下に降りるための階段がある。


転生する前は城の内部ってどんな感じなのかよく分からなくて自分で城を作る時に苦戦したけど、ここの城は学校のような感じで1階2階と長い道がある。広場は1階に降りると直ぐに出ることが出来る。

まぁ、形以外はほぼ学校みたいなもんだ、間取りとか。


城の内部は自分の足で歩いたことが無いからな、今のうちに1つ1つ部屋を見ていこう、バレないように。


まずは隣の部屋から調べてみる。

部屋の扉は空錠となっており高さ的には余裕で開けられそうだ。

少し後ろに下がり、助走をつけて後ろ足に力を入れて跳ぶ。ジャンプは初めはおぼつかない動きで真っ直ぐ飛ぶ事が出来なかったが、猪原との特訓の時に練習したおかげでどの方向でもスムーズに飛ぶ事ができるようになっていた。


ノブを前足で掴み、全体重で押し込む。

扉は軽くノブが下がると俺はそのままずり落ちたが、扉はキィと音を立てて簡単に前に開く事が出来た。


中を覗くと神島と似たような白模様の部屋だった。

家具の位置も全く同じで、他の住民が住むような感じらしい。


[全然普通だなあ…]


扉の開く音が消えて無音が訪れる前に呟く。

部屋の奥には入らず、直ぐに隣の部屋に向かい、また助走をつけてドアを開ける。

その部屋もまた同じで白い部屋、家具の位置も全く変わらなかった。

[新手のホラーゲームかなにかか…?]

少し怖くなってきた…。




この階層の部屋を20ほど全て調べてみたが、同じ部屋しかなかった。外から来た貴族の宿泊場みたいな感じなのかな?

端の最後の部屋を確認した所で大きい窓が取り付けられている壁で行き止まりとなったので戻る。

聞こえるのはトコトコと鳴る俺の足音だけで、まるで世界に俺しかいなくなったような孤独感がある。


神島の部屋の入口まで戻って来たところで今度は反対側にある階段を降り始める。

踊り場の所で見張りが居ないか確認してみるが誰1人居ない、城の兵士達はやはり少ないんだろうな。広場にいる時は似たような兵士ばっかだし、いつも神島に抱えられながら移動する道中も誰1人いなかった。


まぁ、それは俺にとってはありがたいことだな、容易に探索ができるから。

階段を降りきって広場の入口を右に曲がる。

いつも通った事のある長い廊下だが、とりあえずまた1つづつ部屋を見ていくことにする。


1つ目の扉を開けた所は今までの同じ部屋とは違って、テーブルを挟む2つの黒ソファーしかない。

[休憩室みたいに見えるな…]


テーブルの上が気になり、部屋の中に入って軽くテーブルの上に乗り込む。

テーブルには水とコップ、木の椀に入った白黒チェックのクッキーが乱雑に入っている。


[お菓子か…]


食欲を失ってずっと物を口にしてない俺にとっては食べてみたい気もするが、ちょっと夜中に放置されているクッキーは食べたくないなぁ。

なぜこんな現代風のものが置いてあるのかは知らんが。


なんだか怖くなってきた。

俺はそそくさと部屋を出ると、次の扉を跳んで開く。

脚が疲れてきたな…この部屋を最後にしておこう。


最後のの部屋の中を覗くと、その部屋は今までの部屋と違って2倍ほど広く、何もなかった。

家具1つ置いておらず、あるのは奥にうっすらと見える魔法陣のような物のみ。

不思議に思っていると、静かな空間から足音が廊下の奥から聞こえだした。神島が戻ってきているのかも。


…戻るか。


他になにかないか少し部屋を見回した後、そそくさと階段を上り神島の部屋の中に入った。颯爽とベッドの上に乗り、身体を丸めて目を閉じる。


足音は俺の部屋の中に入り、直ぐにベッドで横になった。


[おやすみ]


そのまま俺も一緒に眠りに落ちた。

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