学園で学ぶ⑤
・・・・・・・はい?目が点になる。
「庶民です。王家とか全く関係ないです。」
あわてて否定する。
「・・・・本当ですか?もし仮に身分を隠されているとして、貴方様に知らない間に不敬を働いても、家ごと処分されるようなことは・・」
「ないですないです。」
おもいっきり首を振る。
「・・・そうですか。わかりました。」
それだけ言うと金髪縦ロールのお嬢様は踵を返した。
その隙に、
「じゃ俺はこれで。」
これ幸いに逃げてしまった。追っかけてくるどころか、もう興味はないといった感じだったのが救いか。
あーびっくりした。心の準備が全くできていなかった。
いつものゴーレム召喚練習場の一つ、公園の池側のごみ箱の裏手の空き地でルミナは一息つく。
いつのまにか声をかけられることが臆病になっていた。
それもそうだ。ここの学生はいわゆるお貴族様だ。
身分社会、カースト制度は関わり合いになりたくない。
そういうのを甘く見ると痛い目に合うのはラノベでよく知っている。
当然気立ての良い貴族もいるだろうが、そんなの現実で当たる確率なんて宝くじみたいなもんだ。
避けるに越したことはない。
だが、気になることを言ってたな。
「王族」
この学園は貴族が勉強するためのものだが、王族が学ぶような帝王学はない。
そもそもこの国の王族はルミナの知識では少し変な制度をとっている。
国王、王妃のみ公表されており、親族、その子供については全く情報を開示していない。
生まれたかどうかですらだ。
つまり継承権なども秘匿されている。無いわけがないのだが。
そして王位を継ぐときになり公表されるとしている。
一説によると、市政に紛れ勉強し秘匿された環境で王位継承権を競い、勝利したものが時代の王となる。
ということらしい。
負けたものがどうなるかとかはよくわからないが、少なくても表立って出てくることはもうないのだろう。
随分非効率な方法だ。
血も絶えやすいだろうに。
そして恐らく、王族の情報を隠すのはかなり難しいことじゃないかなとルミナは思う。
特に王族に近い貴族社会においては。
今日あったことからも、学園に王族がいる情報は信憑性がたかい。
・・・・つまり、王族の一人は私くらいの年齢で、女の子ということになるのかな。
よし、そんな感じのことはお近づきにならないようにしよう!
小心者のルミナであった。
その後は声をかけられるような無様な真似(?)はさせず、バイトも慣れガンダム召喚も順調に進み、ゆっくりとお茶菓子を窘められるほどの余裕を持つことができるようになった。
特にこの喫茶店らしき店でお茶することは日課となってお、ルミナは足繁く通っていた。
「時間帯も「4の鐘が鳴るころ」のこの時間は人が少なくてゆっくりできるんだよねー」
ボッチ気質パワー全開状態であった。友達作る目標なんてこれっぽっちも覚えてなかった。
それにしてもと、紅茶を啜りながら、ルミナは今後のことについて少し考える。
図書館での調べ物もほぼない今、学園での生活が必要でなくなってきたように感じていた。
勿論生活のための部屋とお金が必要なのはわかるが、勇者と女神の情報については全く進んでいない。
1年というのが随分時間があると思ていたルミナだったが、この世界での1年は元の世界で言うと9月分くらい、おおよそ250日くらいの日数であった。
そしてこの学園に着て2月くらいの時間を費やしていた。
このままだと、間違いなくねぐさんにほっぽり出される。
そして生活苦で・・ああああああああああああああああ
「お客様どうかなさいましたか?」
人があまりいない場所でオーバーリアクションをとっていたため、目立ってしまっていたらしい。
「いえ、お構いなく!騒がしくしてすみません。」
心配して声をかけてくれた女性従業員に丁寧に謝った.
さて、ちょっと恥ずかしいところを見せてしまったが、問題が明確になった。
今後はこの問題に向かってきちんと向き合っていくべきだな、っとルミナは気持ちを引き締め決意をする。
「ねぐさんに見捨てられても生きていく術を身に着けよう。」
勇者として認められるより現実的な道を選ぶルミナであった。
日付に関してです
週は4日活動日、3日休養日の7日サイクル
月は4週で構成
1の月ブライア
2の月ヤウンデ
3の月ハラレ
4の月ニアメー
5の月マプト
6の月キガリ
7の月マセル
8の月ハルツーム
9の月カイロ
9か月合計 7×4×9 252日となっています
時間ですが
1の鐘が現代で言う8時
2の鐘が 10時
3の鐘が 12時
4の鐘が 16時
5の鐘が 18時
となっています。
24時間制です。
鐘に関してはこの国の時間と考えてください。他国ではまた違います。
設定は今後まとめるまでは後書きなどで補足していきます。




